開業初年度の経営者の方からよくある質問の一つで開業前に支払った費用について経費にできるかどうかがあります。

開業前に支払った開業のための準備の費用は、経費にすることができます。

また、開業初年度の経費は、多額になるため、 開業後数年分の税金額を大きく左右します。

よって、開業初年度の「確定申告の方法」が非常に大切です。

開業前に支払った開業準備の費用とは、様々です。

店舗内装工事費、競合店舗の調査費、商品開発ための費用、打ち合わせ費用、接待費用、旅費交通費等…

まず、開業前、開業初年度の費用の領収書やレシートは大切に保管して下さい。

開業前、開業初年度に支払った開業準備費用は大きく2つに分かれます。

以下のご説明は、青色申告していることが前提となります。

①店舗建築・内装、設備、その他機械等に関する投資の費用
‥設備投資(一つ当たり30万円以上のもの)

②その他、食事代、制服代、交通費、電話代、机、書籍代、その他少額の備品の費用
‥その他の費用(開業費)

今回は、①の内装工事、設備等に関してご説明します。
②の確定申告の仕方はこちら
設備投資関係の開業準備経費は、通常金額がかなり大きくなります。

しかし、設備関係の費用は一年で経費に落とすことはできません。

複数年かけて「減価償却費」という科目を使って経費にします。

減価償却費の説明はこちら

設備の費用を何年で経費にするかは、税法でモノの種類・内容・材質等によって決められています。

何年で経費にするかの年数を、「耐用年数」と言います。

「耐用年数」が短くなれば、速く経費にできるため有利になります。

一方「耐用年数」が長くなれば、少ない金額ずつしか経費にできないため不利になります。

「耐用年数」を短くして早くに経費をあげるには、多少無理を言ってでも工事業者の方に請求書、工事明細書を細かく作成してもらって下さい。

工事の明細があれば、より細かく、工事の「耐用年数」を設定することができます。

これにより、初年度に経費にできる金額大きくなり、節税ができます。

しかし、工事の明細の内容の書き方は業者によって、様々です。

例えば、業者の明細が
工事代金一式 ×××円というものもあります。
この場合、一年に経費になる金額は非常に小さくなります。

しかし、
明細A  ××円
明細B  ××円
明細C  ××円
合計  ×××円
この場合は、一年に経費になる金額は大きくなります。

新規のお客様で4億近い本社ビルの費用を明細が一式でしたので、50年間かけ処理しまっていました。
その場合、4億かけたのに一年間に経費に落とせる額は、たったの800万円です。

また、細かい明細があれば、固定資産税も抑えることができます。

固定資産税は年々少しずつ安くなっていきますが、固定資産税は、投資額の1.7%の税金が発生します。

特に、開業1年目から3年目ぐらいまでの税額を押える事は、ビジネスが安定していないため、このことは、非常に重要です。