開業前に支払った開業準備費用は、税務上、経費にすることができます。
開業準備の経費は、多額になることが多く、 開業後数年の税金額を大きく左右します。
開業前の費用の領収書やレシートは大切に保管して下さい。
また、開業初年度の「申告の仕方」が重要となります。
しかし、開業初年度は、この「申告の仕方」ができてなく、もったいないと感じることがあります。
開業前に支払った開業準備の費用とは、店舗内装工事費、競合店舗の調査費、商品開発ための費用、打ち合わせ費用、接待費用、旅費交通費等様々です。
開業前に支払った開業準備費用は大きく2つに分かれます。
次の説明は、青色申告の方が前提となります。
①店舗建築・内装、設備、その他機械等に関する投資の費用
‥設備投資(一つ当たり30万円以上のもの)
②その他、食事代、制服代、交通費、電話代、机、書籍代、その他少額の備品の費用
‥その他の費用(開業費)
今回は②の経費について説明します。
①についての説明はこちら
②の経費は、全て、「開業費」という勘定科目を使い処理します。
「開業費」とは、開業の準備のために使った経費を処理するための勘定科目です。
ただし、上記①の設備投資は除きます。
「開業費」は使った範囲で、開業後、いつでも自由に経費にできます。
難しく言えば、償却期間は自由となります。
100万円開業費を使っていれば、初年度に0円~100万円まで自由に経費にできます。
2年目以降いつでも、0円~(100万円-初年度に経費にした金額)まで自由に経費にできます。
個人事業主の確定申告によってかかる税金は所得税です。
所得税は、利益の金額の大きさに応じて利益に対して5~40%の税金がかかります。
所得税は、利益が大きければ、大きいほど利益に対して高い税率で税金がかかります。
ですから、「開業費」は自由に経費にできるという事は、儲かり始めた年である税率高いときに経費に落とした方がお得という事です。
例えば、100万円の開業費が支払ったします。。
・利益が少なく税率が5%の年に経費に落とした場合の税金減少効果:100万円×5%=5万円
・利益が大きく税率が40%の年に経費に落とした場合の税金減少効果:100万円×40%=40万円
同じ100万円の開業費ですが、税金を少なくする効果は35万円(40-5)も異なります。
同じ金額経費を払ったのであれば、多く税金を減らしたいものです。
繰り返しになりますが、開業準備期間の経費に関する領収書、レシートは大切に保管して下さい。

佐藤修一公認会計士事務所代表、合同会社CMA代表
キャッシュフロー経営コンサルタント 公認会計士 税理士
新日本有限監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)の東京事務所で上場企業の会計監査、総務省委託研究経理検査、内部統制構築支援、財務のデューデリジェンスに従事
その後、地元の福岡の中堅の税理士法人にて、中小企業の経営を会計、税務面からサポート
試算表ではキャッシュフローが見えない、経営できないと感じ、キャッシュフローを重視した経営の必要性を痛感し、佐藤修一公認会計士事務所を2013年8月に開業
開業後は、創業期の会社から上場準備会社まで中小企業の成長のための投資に備え、倒産しない、筋肉質の会社を作るためのキャッシュフロー経営の普及、freeeやマネーフォワードなどクラウド会計を使った経理の効率化・スピードアップを図り、経営ビジョンの明確化、実現のためのサポートを行っている
北部九州公認会計士協会所属 登録番号 028716
九州北部税理士会 福岡支部所属 登録番号 125272
経済産業省認定 経営革新等支援機関