仮想通貨を購入する際に、他の種類の仮想通貨を使って購入(仮想通貨同士の交換)することがあるかと思います。
例えば、ビットコイン(BTC)を購入する際にアルトコインのイーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、リップル(XRP)、ライトコイン(LTC)、ネム(XEM)、TAOコイン(TAO)などの仮想通貨で購入するようなケースやメジャーコインでマイナーコインを購入するケースなどが該当するかと思います。
仮想通貨と仮想通貨の交換の場合、税金の計算する際には、購入に利用する仮想通貨を一旦、取引所で売却したとして取扱います。
そして、購入に使った仮想通貨の購入時の時価と交換時の時価を比較し、利益がでているかどうかは以下のように判断します。
購入時価>売却時価‥交換時に利益が発生
購入時価<売却時価‥交換時に損失が発生
仮想通貨が法定通貨に変わることがない場合でも税金の対象となるのでご注意ください。
以下具体的な取引の事例で仮想通貨同士の交換の場合の税金の計算方法についてご説明したいと思います。
目次
仮想通貨の交換の具体例
今回は、イーサリアム(ETH)を購入し、その購入したイーサリアム(ETH)でビットコイン(BTC)の購入代金を決済したケースで考えてみます。
①取引所でアルトコインのイーサリアム(ETH)を時価がETH/JPY=20,000円の時に100ETHを購入
一番最初に計算するのは、売却時の単価と購入時の単価を比べて利益を計算するために、購入時の取引所手数料を含めた1ETHあたりの金額(仮想通貨単価)になります。
購入時の単価の計算式は次のようになります。
仮想通貨単価=購入金額総額÷購入した仮想通貨数量
取引所の購入時の手数料が購入金額の0.2 %だった場合、取引所手数料は、4,000円(20,000円×100ETH×手数料0.2%)となります。
取引所手数料を含めたイーサリアム(ETH)の100ETHの購入金額は、2,004,000円(20,000円×100ETH+取引所売買手数料)となります。
繰り返しですが、ビットフライヤーやコインチェックなどに支払う仮想通貨取引所の売買手数料を購入金額に含める点をご注意ください。
今回の購入したのは100ETHなので、1ETHあたりの金額は、次のようになります。
1ETH単価 20,040=2,004,000円÷100ETH
②イーサリアム(ETH)がETH/JPY=22,000円の時に、1ビットコイン(BTC)がBTC/JPY=1,500,000円の時に交換
この場合、一旦イーサリアム(ETH)をビットコイン(BTC)との交換に必要な数量売却後、ビットコイン(BTC)を購入したと仮定して税金を計算します。
そのためには、まず、イーサリアム(ETH)の売却数量を計算します。
BTCの購入金額1,500,000円÷ETH時価22,000円=68.1818ETH‥ETC売却数量
そして、売却時の取引所手数料は購入時と同じく0.2%だとすると手数料は購入金額1,500,000×0.2%=3,000円です。
次に売却した数量分の交換に使ったイーサリアムの購入金額を求めます。
①よりビットコインの購入に使ったイーサリアム(ETH)の68.1818ETHの購入金額は20,040円ですので、68.1818ETHの購入額は、①で計算した購入単価20,040円×68.1818ETH=1,366,363円となります。
③交換時の仮想通貨取引利益の計算
仮想通貨の税金の計算をするには、「仮想通貨の利益」を計算する必要があります。
仮想通貨の売却代金-売却した仮想通貨の購入代金-売却時の手数料=仮想通貨の利益
上記の①、②の仮想通貨の取引の場合の「仮想通貨の利益」は以下のようになります。
仮想通貨の売却代金=取得した仮想通貨の交換時の時価:1,500,000円-仮想通貨の購入代金:1,366,363円(取引所手数料を含む)-3,000円(売却時の取引所手数料)=130,637円‥仮想通貨の利益
この仮想通貨の利益130,637円を雑所得又は事業所得として確定申告書に記載し、確定申告することになります。
複数の取引所で同一種類の仮想通貨取引の取引を行っている場合には、複数の取引所の取引記録を合算して計算することになります。
また、仮想通貨の先物取引の場合も現物取引の場合も考え方は同じです。
仮想通貨と株式投資は、税金の計算方法は似ているようですが、大きな違いは税率です。
株式投資の税率は一律20.315%ですが、仮想通貨投資の税率は、利益の金額によって15.0105%~55.945%と幅があり、最高税率がかなり高くなっています。
このように仮想通貨を円やドルなどの通貨に替えることない場合でも税金の対象となりますので、確定申告の取り扱いにはご注意ください。
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佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716)
公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。
(株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。
全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。
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