仮想通貨の再投資の確定申告時の取り扱いについて最近以下のような質問が増えてきています。

・円ベースで確定している利益分、当初の元本から差し引いた円ベースの年間増加分を利益として確定申告していいのか?

・BTC等から他の仮想通貨へ再投資した金額は、円ベースで利益が確定していないので、その分は確定申告しなくていいのか?

・海外の取引所へ預入れ(Deposit)した場合の税金はどうなるのか?

・海外の取引所から引出し(withdrawal)した場合の税金はどうなるのか?

・仮想通貨への再投資の場合、どの時点のレートを使うのか?

・保有している仮想通貨の含み益に対して税金はかかるのか?

等々のご質問があります。

令和2年12月に国税庁が仮想通貨に関し、「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」として発表を行いました。

仮想通貨取引は、多種多様にわたりますが、本発表で大半の判断を行うことは可能となっています。

 

目次

円ベースで利確している利益のみで確定申告をして良いか

最近一番多いご質問が「円ベースの利確分で確定申告をして良いのか」というご質問です。

円ベースの利確分のみを利益として確定申告できるのは以下の場合のみになります。

・年末までに全ての仮想通貨を利確している場合

このケースに該当する場合は、円ベースの元本の増加分を利益として所得して申告することができます。

仮想通貨⇒仮想通貨へ再投資した金額している分は税金の対象となるのか

こちらも多い質問です。

先ほどの内容とかぶる点があるのですが、BTCからETHやBCHなどの他の仮想通貨へ再投資する場合には、仮想通貨の交換取引として、税金の計算上、利確したものとして取り扱われることになります。

つまり、円で売却した場合と同じように取り扱われるのです。

この場合には、再投資した仮想通貨の売却金額は、再投資時の仮想通貨のレートの金額で計算することになります。

具体的には、1BTCを12月20日にETHへ再投資した場合、12月20日時点の1BTCあたりの金額が2,018,111円だったとすると、売却金額は2,018,111円となります。

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仮想通貨の再投資時に値上がりしている場合には、手元にキャッシュがないにもかかわらず、税金を支払うケースが出てきてしまいますので、ご注意ください。

また、仮想通貨の交換、再投資の場合には、利益計算をエクセル等で行う場合は複雑となり、特に海外取引所で多くの通貨で行っている場合には、大変になりますのでご注意ください。

 

海外の取引所へ預入れ(Deposit)した分の税金はどうなるのか

国内の取引所から海外の取引所へ預入れ(Deposit)を行った場合には、単なる仮想通貨の異動ですので、税金計算の対象となりません。

逆に海外の取引所から国内の取引所へ引出し(withdrawal)を行った場合も同様に税金の対象となりません。

仮想通貨のFX(先物取引)は分離課税の対象となるか

通常のFX(先物取引)の場合、利益に対し、申告分離課税で20.315%の税率で課税されます。
また、損失が生じた場合、確定申告をすれば3年間の繰越が可能です。

一方、仮想通貨のFX(先物取引)は、通常の仮想通貨取引と同様、雑所得として、総合課税の対象となります。

仮想通貨の含み益は税金の対象となるのか

年末時点で保有している仮想通貨が購入時より値上がりし、含み益がある場合には、税金の対象となりません。

税金の対象となるのは、仮想通貨を売却した時、仮想通貨を再投資した時(仮想通貨同士の交換)の2つになります。

逆に年末時点で保有している仮想通貨が逆に購入時より値下がりしている場合、含み損がある場合も同様に税金の対象とはならないので、利確済みの利益と相殺して税金を計算することはできませんのでご注意ください。

売却又は交換により、すでに利確金額が大きくなって、かつ、保有している仮想通貨の含み損が大きい場合には、含み損がある仮想通貨を再投資又は、売却すれば、利益と相殺でき税金を押さえることができます。

 

仮想通貨に係る所得税は利益の金額が大きければ大きいほど税率が高くなります。

住民税の10%を含めると仮想通貨に対する税率は最低15%、最高55%と非常に高くなってしまいます。

利確金額が大きく、含み益が大きい場合には、仮想通貨の含み益の一部を再投資又は売却し、1年あたりの利益金額を小さくすることで、税率を下げることが個人の税金を下げる唯一の方法と言っていいかもしれません。

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