お客様からの質問の多くに税理士と公認会計士の違いについてがあります。

公認会計士は資格をとると、税理士として登録することができます。

弁護士も同様に税理士として登録することができます。

ただ、公認会計士の資格を取得した時点で税理士の資格が自動的にもらえるわけでありません。

公認会計士の資格を取得後、税理士会に申請することにより、税理士の資格が付与されます。

税理士と公認会計士の違いは、資格を取得したあとの社会的に期待されている業務が異なります。

税理士と公認会計士の社会的な使命の違いは以下のように異なります。

■税理士と公認会計士の社会的な使命の違い
税理士が守るべき法律である税理士法と公認会計士が守るべき法律である公認会計士法の第1条にそれぞれ税理士と公認会計士の使命が掲げられています。

・税理士法1条より、税理士の使命は、「税に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図る」こととなっています。

分かりやすくいうと、納税者が税金を払い過ぎず、また、決まった税金をきちんと納めることができることをサポートすることが税理士の使命となります。

・公認会計士法1条より、公認会計士の使命は、「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。」と掲げられています。

分かりやすく言うと、会社の決算書の内容によって投資するか、お金を貸すか等の判断を行う投資家、金融機関などの債権者が誤った決算書で判断をしないように、決算書の信頼性を監査を行うことにより、高めることです。

税理士は、「税に関する専門家」です。
公認会計士は、「監査及び会計の専門家」です。

独立した立場で業務を行う点は、共通しています。
独立した立場とは、ただ、クライアント利益を中心と考えるのではなく、第3者としての立場をもつことが必要とされています。

次に税理士と公認会計士の業務の違いについて説明していきます。

■税理士と公認会計士の業務の違い
・税理士の業務…税金全般に関する業務
①税務代理(税理士法2条1項1号)…納税者に代わり、税金のことに関し、税務署等の代理すること

②税務書類の作成(税理士法2条1項2号)…納税者の税務申告書等の作成

③税務相談(税理士法2条1項3号)…税金の相談にのること

税理士は、税金に関する全般の業務が中心です。

税理士以外が、税金に関する相談や代理、申告書の作成を行うことが法律で禁じられています。

税理士の資格を持っていない人が無料でも税金に関しての相談、助言を行うことは、法律違反となります。

税金のことに関しては、税理士のみが認めれられている独占業務となります。

・公認会計士の業務…上場会社や規模の大きい会社の決算書のチェックを行う業務
①財務書類の監査又は証明をすること(公認会計士法2条1項)…決算書等がきちんとできていることを証明する監査業務

②財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることを(公認会計士法2条2項)
…決算書等作成、その相談等の業務

一方、公認会計士は、上場会社等の決算書のチェックが業務の中心です。

上場会社の決算の内容によって、投資家は株の取引を行います。

決算の内容が正しいものであると、監査することで、投資家は上場会社の決算書を信頼し、株の取引を行うことができます。

以上のように税理士と公認会計士の業務の内容が異なるため、以下の受験から資格取得まで流れが異なります。

■税理士と公認会計士の受験から資格取得までの流れ
・税理士:筆記試験⇒税理士事務所、会計事務所等で実務経験2年(筆記試験前でもOK)⇒税理士登録

・公認会計士:筆記試験⇒監査法人で上場会社の監査実務2年⇒筆記試験⇒公認会計士登録

税理士、公認会計士ともに、筆記試験と実務経験が必要とされている点で共通しています。

税理士は、税務に関することを通じて、クライアントの帳簿の作成から税金に関する相談、税金の申告、税務当局とのやり取りをクライアントの代わりに行います。
また、税理士は、クライアントの事業発展のために、事業計画の作成、融資のサポート等のコンサルティングを行うことも可能です。
税理士は、クライアントの事業発展を一緒に考え、サポートすることができます。

ここが業務以外で税理士と公認会計士と大きく異なる点です。

公認会計士は、上場会社をクライアントとして監査を行います。

そして、監査業務は、クライアントから独立していることが条件となります。

独立していないと、第3者としての立場を保った判断ができないためです。

公認会計士は、クライアントのと深く付き合いをすることはできません。

クライアントの事業発展のために直接サポートすることがはできません。

以上のように税理士と公認会計士では、クライアントに対しても距離感が大きく異なります。

以下のように業務が異なるため、税理士と公認会計士では、クライアントが異なります。

■税理士と公認会計士のクライアントの違い
税理士は、税金に関することを業務とするので、事業を行うすべての中小企業から大企業までと幅広いクライアントに対して業務を行います。

公認会計士は、監査が必要なクライアントに業務を行います。

監査が必要なクライアントは、上場会社、資本金5億円以上、負債が200億以上の会社、学校法人等に限定されます。

よって、公認会計士は、中小企業をクライアントに業務することは一般的にはありません。

税理士は「税務」を中心した業務ですし、公認会計士は「監査」を中心とした業務です。
よって以下のように試験の範囲に違いがあります。

■税理士試験と公認会計士試験の範囲
・税理士試験の範囲
1、会計2科目

2、税金に関する試験 (9つの税法から3科目を選択)

合計5科目を取ることにより、税理士試験を合格したといえます。

・公認会計士試験の範囲
1、会計…税理士試験より幅広い

2、監査論…監査するため理論

3、会社法…会社が守る法律

4、税金(税理士試験ほど、深くは行いません)

5、経済学、経営学、民法、統計から1科目選択

公認会計士は、すべての科目を一気に受験します。

共通点は、税理士と公認会計士それぞれ会計に関して試験があります。

税理士は、税務の業務を行うために、税務に関して知識を身につけます。

ですから、税理士試験は、公認会計士試験に比べて、税法に関して、深く、精度の高い知識が要求されます。

一方、公認会計士は、上場会社の監査を行うことができる知識を身につけることが目的です。
ですから、会計、監査等幅広い知識が求められます。

私は、公認会計士の試験しか受験したことがありません。

よって、税理士試験と公認会計士試験の違いについては詳しくは分かりません

税理士試験は、合計5科目を1科目ごとに受験することが可能です。

公認会計士試験は、全ての科目を一回で受験しなければなりません。

税理士試験、公認会計士試験、両方の試験を経験している人に話を聞くと、

税理士試験は、公認会計士試験に比べ、一つの科目に関して相当高い精度の知識が必要との事です。
ちょっとしたミスが不合格につながる可能性があるらしいです。

公認会計士試験は、全ての科目を一気に勉強する必要があるため、ボリュームがとにかく多いとの事です。

以上のように、税理士と公認会計士では、業務が異なるため、試験の内容、実務の経験も異なります。

しかし、公認会計士も、税理士登録を行えば、税理士になれるため、私そうですが、公認会計士の資格を取得後、税理士として税務の業務を行う人もいます。

税理士と公認会計士どちらが資格として上なのか、下なのか、どちらがいいのか、悪いのかという話は、ナンセンスだと思います。

資格は仕事をする上で、条件になるだけで、資格を取得する前より、資格を取得したあとの方がさらに勉強が必要です。

資格を取得したあとに何を身につけることができるかによって、クライアントに対する提供できる質と内容は、サービスは変わってきます。