貯蔵品は棚卸すべき?仕訳を使って解説

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税務・節税

経理処理

佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

事業を営む上で、燃料や資材などの「貯蔵品」と呼ばれるものを購入する機会は少なくありません。

これらの物品を棚卸して未使用分を「資産」として計上すべきか、

未使用分があっても棚卸せずに全額「費用」として計上すべきか、迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、貯蔵品の会計処理について、その具体的な仕訳方法と考え方を解説します。

貯蔵品とは?

まず、貯蔵品とはどのようなものを指すのでしょうか?

会計上の貯蔵品とは以下のような物品を指します。

  • 消耗品
  • サンプル品
  • 切手
  • 収入印紙
  • 燃料
  • 資材  など棚卸商品以外で貯蔵しているもの

簡単に言うと、販売目的以外の物品で、まだ使っていないけれど、将来使うために保管しているものです。

購入時の会計処理

貯蔵品を購入したときは、棚卸をする事業者もそうでない事業者も、購入時に費用計上します

仕訳は以下のとおりです。

【仕訳例】
・1月1日に収入印紙10,000円分を現金で購入したとき

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
租税公課10,000現金10,000
取引日:1月1日

・1月20日に消耗品50,000円分を現金で購入したとき

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
消耗品費50,000現金50,000
取引日:1月20日

棚卸をしたときの会計処理

貯蔵品を購入したときは、棚卸をする事業者もそうでない事業者も、

購入時に費用計上するとお伝えしました。

しかし棚卸をする事業者は、棚卸をしたときは追加で会計処理をする必要があります。

仕訳は以下のとおりです。

【仕訳例】
・1月末日に貯蔵品を棚卸したとき、印紙税が2,000円分残っていた

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
貯蔵品2,000租税公課2,000
取引日:1月31日

・1月末日に貯蔵品を棚卸したとき、消耗品が10,000円分残っていた

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
貯蔵品10,000消耗品費10,000
取引日:1月31日

このように貯蔵品を棚卸することで、使用分のみを費用計上することができます。

購入金額棚卸(未使用分)費用計上(使用分)
租税公課10,000円2,000円8,000円
消耗品費50,000円10,000円40,000円

「未使用分を資産計上」と「全額費用計上」の使い分けのポイント

では、どのような場合に棚卸をして資産計上すべきか、購入金額を全額費用計上すべきでしょうか。

以下の条件を満たす場合には、期末の未使用分を貯蔵品として資産計上しなくても良いという特例があります。

  • 金額が少額である
  • 毎年、購入量がおおむね一定である
  • 継続的に消費するものである

例えば、事務用品のボールペンなどは、毎年購入するものであり金額も少額であるため、

この特例が適用されることが多いです。この特例を活用することで、経理作業を大幅に簡素化できます。

逆に言うと上記の条件を満たさない場合は、期末の未使用分を貯蔵品として資産計上しなければなりません。

まとめ

貯蔵品の会計処理は、企業の規模や管理体制、
そして購入する品物の種類や金額によって、最適な方法が異なります。

適切な会計処理を行うことで、会社の財務状況を正確に把握し、
税務調査のリスクを回避することができます。

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。