ワンストップ特例を申請したあとに確定申告しても大丈夫?注意点もあわせて解説

確定申告・税金

佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

「ワンストップ特例を申請したのに、あとから確定申告が必要になってしまった…」
そんなとき、「このまま確定申告していいの?」「ふるさと納税の控除ってどうなるの?」と不安になりますよね。

実は、ワンストップ特例を申請したあとでも確定申告はできますが、ちょっとした注意点があります。
この記事では、その結論と具体的な対応方法をシンプルにわかりやすく解説します。

結論:ワンストップ特例を申請したあとに確定申告してもOK。でも特例は無効になります!

ワンストップ特例を申請したあとでも確定申告は可能です。
ただしその場合、ワンストップ特例の申請は自動的に無効となり、ふるさと納税の控除は確定申告で改めて申請する必要があります。

つまり、「確定申告をした時点でワンストップ特例はなかったことになる」と考えてOKです。

Warning

ワンストップ特例で申請済でも、確定申告をするなら すべての寄附について自分で申告書に記載する必要があります。

ここを間違えると、ふるさと納税の控除が受けられなくなる可能性もあるので注意しましょう。

そもそもワンストップ特例制度とは?

ワンストップ特例制度とは、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除が受けられる仕組みです。次の3つの条件をすべて満たす人が利用できます。

  • 会社員などで確定申告が不要な人
  • 1年間の寄附先が5自治体以内
  • 寄附ごとに期限内にワンストップの申請書を提出している

この制度を利用すれば、寄附した金額のうち2,000円を超える部分について、住民税から自動で控除されます。確定申告をしない人にとっては、とても便利な制度です。

ワンストップ特例制度のメリット・デメリット

ワンストップ特例制度のメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット

  • 確定申告をしなくていい
  • 手続きが簡単で手間が少ない

確定申告をせず、「ワンストップ特例申請書」を提出すれば手続きが完了するため、簡単で手間がすくないのがメリットです。

デメリット

  • 寄附先が6自治体以上だと使えない
  • 医療費控除や副業収入などで確定申告が必要になると特例が無効になる
  • 所得控除が受けられない

特例制度を使用できる人のところにも書きましたが、寄附先の自治体が5自治体までの場合にワンストップ特例が使えるので、6自治体以上に寄附がある場合はワンストップ特例が使えません。

また、確定申告が必要になった場合は、ワンストップ特例が無効になるので、二度手間になってしまう可能性があります。

さらに、確定申告を行う場合は「寄附金控除」として所得控除が受けられ、住民税だけでなく所得税の控除にも使えますが、ワンストップ特例だと住民税のみの控除となります。

ワンストップ特例を申請したのに確定申告が必要になる場合とは?

ワンストップ特例は確定申告をしないことを前提とした制度です。
そのため、次のような理由で確定申告が必要になると、ワンストップ特例は自動的に無効になります。

よくある確定申告が必要なケース

  • 医療費控除を受けたい

  →1年間の医療費が一定額を超えた場合は、確定申告で控除申請が必要です。
 

  • 住宅ローン控除の初年度

  →住宅ローン控除を受ける場合は、初年度のみ確定申告が必要になります。

  • 副業・アルバイトなどの収入がある

  →会社からの給与以外に年間20万円以上の収入があると申告が必要です。

  • 寄附先が6自治体以上になった

  →ワンストップ特例は「5自治体まで」が条件なので、超えると制度が使えません。

こうした理由で確定申告をする場合は、ふるさと納税の内容も忘れずに申告書に記載しましょう。申告しなければ控除が受けられません。

確定申告でふるさと納税の控除を受ける方法と注意点

ワンストップ特例をした後に、確定申告が必要になった場合でも、ふるさと納税の控除を受けることは可能です。
手続きはそれほど難しくないので、忘れずに申告すれば控除はきちんと適用されます。

必要な書類

まずは必要な書類を準備します。ふるさと納税の控除を行う場合に必要な書類は下記になります。

  • 「寄附金受領証明書」または「寄附金控除に関する証明書(XML形式)」

「寄附金受領証明書」は、寄附先の自治体から郵送で届く書類です。
「寄附金控除に関する証明書(XML形式)」は楽天ふるさと納税やさとふるなどのポータルサイトで発行できるXMLファイル形式のものです。
どちらかを、寄附を行ったすべての地自体の分用意しましょう

Information

証明書を紙で集めるのが面倒な方は、ポータルサイトのXMLファイルをe-Taxで使うと便利です。

申告時のポイント

申告時に注意することは下記になります。

  • ワンストップ特例で申請した分もすべて申告書に記載すること

  →先述した通り、確定申告を行うとワンストップ特例が無効になるため、

   ワンストップ特例で申請した分も含めてすべてを申告書に記載しましょう

  • 控除額は「所得税+翌年度の住民税」に分かれて反映される

  →確定申告を行ったら、所得税の還付が先にあり、
住民税は申告した年分の次の年の6月から支払う分から控除されます。

まとめ

ワンストップ特例を申請したあとでも確定申告は可能です。
ただし、その場合はワンストップ特例が無効になるため、
ふるさと納税の寄附内容を自分で確定申告書に記載する必要があります。
ワンストップで申請済だからといって、安心せずに控除漏れがないよう申告しましょう。

医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告が必要になるとわかっている人は、二度手間になってしまうため注意しましょう。

寄附金の受領証明書やポータルサイトのデータを活用して、
忘れずに手続きすれば、ふるさと納税の控除はちゃんと受けられます。

もし確定申告に不安がある場合は、税務署や専門家に相談するのもおすすめです。
しっかりと手続きを行い、ふるさと納税のメリットを最大限活用してくださいね。

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。