
こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。
個人事業主のお客様からのお問い合わせで、
「自転車・電動自転車・ロードバイクを購入した時はどの勘定科目を使えばよいか」という質問をたくさんいただきます。
この記事では自転車・電動自転車・ロードバイクを購入した時の勘定科目・経費項目について解説しています。
目次
結論:経費の勘定科目であれば基本何でもいいです!

なぜなら、中小企業や個人事業主の方が勘定科目が間違っているからといって、税務署からペナルティを受けることは100%ないからです。
また、勘定科目の間違いによって銀行からの融資を断られることはよほどでない限りありえません。
特に、自転車・電動自転車・ロードバイクを購入した時の勘定科目の使い方で銀行融資の結果が変わることは100%ないと断言できます。
勘定科目は家計簿と同じで分かりやすさが大切
勘定科目を選ぶ際の基本的な考え方は、「分かりやすさ」です。
後から、今月は経費が多かったか、少なかったかを振り返った時に、
なぜ、会計ソフトを見て、経費が多かった原因・少なかった原因がすぐに、一目で分かるような勘定科目の使い方をするのがベストです。
マネーフォワード、freee、弥生会計、弥生Next、会計王などの一般的な会計ソフトでは勘定科目の名前を自由に決めることができます。
そして、その名前にルールはありません。
例えば、最近だと、サブスク系のツール、アプリ、システムに関する費用が増えています。
これらを「ツール代」として、新たに勘定科目を作って、管理すること何かは結構おすすめです。
要は、自分が把握しやすく、分かればいいのです!
特に最近は、マネーフォワード、freee、弥生Nextなど銀行口座やクレジットカードを連携するクラウド会計が利用しやすくなっており、「勘定科目」を選ぶだけで仕訳が完了するようになっています。
初めて会計ソフトに入力を始めた時に多くの方が悩む
「経費の勘定科目の使い方が分からない」
ですが、経費の勘定科目を選ぶ際は、肩の力を抜いて、自由にどんどん勘定科目を使って入力していただいた方が良いと思います。
自転車・電動自転車・ロードバイクを購入した時のおすすめの勘定科目は
とは言いつつも、あまりに自由に毎回異なる勘定科目を使ってしまうと、損益計算書でを見たときに、支出が増えたり、減ったりした時にその理由が分かりにくくなってしまいます。
よって、自転車・電動自転車・ロードバイクを購入した時の勘定科目は購入金額が
- ~99,999円であれば、「消耗品費」(しょうもうひんひ)
- 100,000円~299,999円であれば、以下の①~③のいずれか
①全額経費(少額減価償却資産の特例)
②3年で分割して経費(一括償却)
③固定資産として減価償却費 - 300,000円~であれば、「車両運搬具」(しゃりょううんぱんぐ)や「車両」(しゃりょう)
となります。
金額によって、勘定科目が変わってくるのです。
上記の金額には、パーツ代金が含まれている場合も、含めて処理されて下さい。
消費税の申告をしている方のみ関係しますが、防犯登録費用は消費税がかかっていないため、「非課税」として処理をされてください。
「雑費」にすることも考えられますが、「雑費」はあまり使わない方が良いと思います。
なぜなら、「雑費」は、勘定科目の困った時の「最後の砦」的な勘定科目だからです。
「雑費」が増減したら、その原因が分かりにくいですし、「雑費」が多額になると、決算書を見たときの印象が良くないからです。
雑費についての使い方は次の記事にまとめているので読んでみてください。

自転車・電動自転車・ロードバイクの購入費用が10万円未満(99,999円)の時の勘定科目の勘定科目の選び方
自転車・電動自転車・ロードバイクの購入費用が10万円未満であれば、「消耗品費」を選びます。
自転車・電動自転車・ロードバイクの購入費用が100,000円~299,999円の時の勘定科目の選び方
自転車・電動自転車・ロードバイクの購入費用が10万円~299,999円の場合は、選べる方法が3つになってしまいます。
①~③の違いをまとめると次の表のようになります。
①全額経費(少額減価償却資産の特例) | ②3年で分割して経費(一括償却) | ③減価償却費 | |
選択できる消耗品の金額 | 100,000円~299,999円 | 100,000円~199,999円 | 100,000円~299,999円 |
青色申告の特典 | 〇 | ||
償却資産税 | 課税される | 非課税 | 課税される |
青色申告をしている場合、
①全額を経費にすることができるため、全額経費にするのがベスト
と思う方も多いかもしれません。
しかし、必ずしもそうではないのです。

なぜなら、①全額経費にしてしまうと、償却資産税がかかってしまうことがあります。
普通自動車は、償却資産税はかかりませんが、自転車は償却資産税がかかってしまうのです。
詳しくは次の記事で説明しているので読んでみてください。
自転車・電動自転車・ロードバイクが300,000円~の時の勘定科目の選び方
この時は、全額を購入した年に経費にすることはできません。
青色申告でも、白色申告でも、法人でも、個人事業主でも同様です。
「車両」や「車両運搬具」として全額固定資産として処理し、2年の耐用年数で「減価償却費」という勘定科目を使って経費にしていきます。
耐用年数2年だと丸1年でほぼ全額経費にすることができます!
減価償却費について次の記事で詳しく説明しているので読んでみてください。
自転車・電動自転車・ロードバイクの耐用年数
耐用年数とは、税務上の「利用可能な年数」で、この耐用年数に渡って経費にしていきます。
自転車・電動自転車・ロードバイクの耐用年数は2年

となります。
自転車・電動自転車・ロードバイクの購入費用を支払った時の経理処理
10万円未満の自転車・電動自転車・ロードバイクの購入費用を支払った時の仕訳は、
(借方) 消耗品費 ××円 / (貸方) 現金預金 ××円
30万以上の自転車・電動自転車・ロードバイクを購入した時の仕訳は、
(借方) 車両運搬具 ××円 / (貸方) 現金預金 ××円
となります。
自転車・電動自転車・ロードバイクを購入した時の勘定科目の選び方のまとめ
経費の勘定科目を選び方で気を付けることは「消費税の申告」をしているかどうかで異なります。
「消費税の申告」をしていなければ、勘定科目の違いで、支払う税金の金額が変わることはありません。
一方、「消費税の申告」をしている場合、勘定科目の違いで、支払う税金の金額が変わることなります。
それは、消費税が課税処理される勘定科目か同課による違いです。
「消費税の申告」をしている場合、以下の勘定科目は、初期値が消費税が課税処理されない設定になっているので、注意してください。
- 租税公課
- 保険料
- 減価償却費
- 給与手当
- 雑給
- 退職金
- 法定福利費
- 支払利息
- 賞与
- 退職金掛金
- 寄付金
消費税がかかっている支出にも関わらず、これらの科目を選ぶと、納める消費税が本来より多額になってしまいますので、ご注意ください。
【相談無料】まずはお気軽に問い合わせください
2024年の確定申告の期限は、2025年3月17日(月)です。
2024年の確定申告サービスの受付を、2025年3月5日(水)17:00まで受け付けております。
弊社では、「確定申告書の作成代行」のサービスを行っております。
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「作成中・作成後の確定申告書のチェック」のサービスも行っております。
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佐藤 修一
税理士法人Accompany 代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。