棚卸を行い、その結果を会計ソフトへ入力する目的は、売上から売上原価を引いた売上総利益(=粗利益)を計算することです。
棚卸した結果を会計ソフトの入力する方法を説明します。
毎月棚卸した後、以下のような仕訳を会計ソフトに入力をしてください。
振替伝票を使います。
日付:月末
借方金額 | 借方科目 | 貸方科目 | 貸方金額 |
月初在庫金額※1 | 期首商品棚卸高 | 商品 | 月初在庫金額※1 |
月末在庫金額 | 商品 | 期末商品棚卸高 | 月末在庫金額 |
※1開業初年度で初めて棚卸する場合は、「0」となります。
開業初年度以降で、初めて決算の月以外に棚卸する場合は、「昨年の決算時の在庫の金額」となります。
どちらの場合も棚卸の最初の月は粗利益を把握することはできません。
入力した結果、月別の損益計算書を見てみると「売上原価」が売上に対応した本当の原価の数字になります。
損益計算書の「売上総利益」が「売上」-「売上原価」となり、本当の粗利益の数字となります。
原価率は、損益計算書の「売上」÷「売上原価」で計算できます。
棚卸を行い、会計ソフトの入力は、一か月だけでは、意味がありません。
継続して毎月の「売上」と「売上原価」と「売上総利益」との数字の関係とその変化を見ていくことが重要です。
複数の月を集計した損益計算書の「期首商品棚卸高」と「期末商品棚卸高」が大きくなりますが、気にしないでください。
損益計算書の見るべき数字は、「売上高」だけでなく、「売上原価」と「売上総利益」も重要です。

佐藤修一公認会計士事務所代表、合同会社CMA代表
キャッシュフロー経営コンサルタント 公認会計士 税理士
新日本有限監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)の東京事務所で上場企業の会計監査、総務省委託研究経理検査、内部統制構築支援、財務のデューデリジェンスに従事
その後、地元の福岡の中堅の税理士法人にて、中小企業の経営を会計、税務面からサポート
試算表ではキャッシュフローが見えない、経営できないと感じ、キャッシュフローを重視した経営の必要性を痛感し、佐藤修一公認会計士事務所を2013年8月に開業
開業後は、創業期の会社から上場準備会社まで中小企業の成長のための投資に備え、倒産しない、筋肉質の会社を作るためのキャッシュフロー経営の普及、freeeやマネーフォワードなどクラウド会計を使った経理の効率化・スピードアップを図り、経営ビジョンの明確化、実現のためのサポートを行っている
北部九州公認会計士協会所属 登録番号 028716
九州北部税理士会 福岡支部所属 登録番号 125272
経済産業省認定 経営革新等支援機関