ラーメン店の経営は、材料費の高騰、光熱費の上昇、人件費の増加を始め、主要なコストの上昇が長期に続いています。
これにより繁盛しても儲かりにくい、キャッシュが増えにくい状況になってきています。
そして、キャッシュの減少しだしている‥、キャッシュが減少が止まらない‥
現金が足りないなら、「売上をとにかく増やせば問題ない」と思って経営してはいないでしょうか。
私はこれまで税理士として500社を超える会社を見てきましたが、売上を重視した経営をした結果、現金が尽きてしまい、倒産してしまった会社を見てきました。
売上が増加しても現金が増えるとは限らないからです。
特にこの材料費の高騰、光熱費の上昇、人件費の増加などコストが増加していて、今後もコストの増加が見込まれる時は、「売上」だけを見て経営することは本当に危険です。
ラーメン店の経営でもし、現金が減少しているのであれば、まず、「売上」を目指すのではなく、「黒字」を目指さないと、倒産してしまう可能性があるのです。
忙しいけど、現金が残らないのは、「黒字」になっていないからです。
どんなに売上があっても赤字経営が続けばいずれは、必ず倒産してしまいます。
この記事では、ラーメン店を黒字経営をして、どうやってキャッシュを残していくのかについて説明しています。
ラーメン店の経営の黒字化のステップは以下のとおりです。
- ラーメン店の経営が赤字か黒字かを把握する
- どうやって黒字にしていくかを計画する
- 計画通りに実行する
まずは、なぜ赤字だと倒産するのかについて説明します。
なぜ赤字だと倒産するのか

上記の図で言うと、売上から経費や生活費などを控除した一番右下の数字がマイナスになると、実質の赤字で現金がやがて減っていきます。
どんなに売上が大きくて、美味しいラーメンを提供しているお店で、クチコミが良く、行列ができていても、やがては倒産します。
なぜなら‥
現金が減っていく状態になると、徐々に現金が減少していくと、やがて現金はゼロになります。
そうなる前に、銀行から借入を行うと思います。
銀行から借入を行うと、毎月の返済額と利息の支払いが増えるため、更に現金の減少が大きくなります。
借入をした後、現金が減っていく状態は変わらないと、借りた現金もやがては尽きてしまします。
現金が足りなくなったら、いつまでも銀行から借入ができるか?
それは不可能です。やがて銀行は貸さなくなります。
銀行が貸さなくなったら、次は、カードローンや不動産担保ローンで借りれることがあります。
カードローンや不動産担保ローンに手を出すと、利息の支払いが大きく増加し、ローンの返済も加わるため、さらに現金の減少が大きくなります。
ほとんどのケースで、このタイミングで経営を大きく改善できない場合‥倒産してしまいます。
カードローンや不動産担保ローンの次にお金を借りる手段はないからです。
このような経営状態にならないようにここからはラーメン店を黒字にするための方法を解説します。
黒字か赤字かを確認する方法

上記の右下の現金がプラスになっていれば、実質の黒字です。
右下の現金がマイナスになっていれば、実質の赤字です。
個人事業主は以下の記事で詳しく説明しているので読んてみでください。
法人の場合には、以下の計算式で実質の黒字か赤字かを確認することができます。
利益+減価償却費-借入返済>0‥黒字
利益+減価償却費-借入返済<0‥赤字
ラーメン店の赤字をどうやって黒字にするか
ラーメン店の経営改善は、大きく4つの視点を持って行います。

①客数
②客単価
③一人当たり原価
④経費
ラーメンの値段を100円上げてみる‥
サイドメニューを増やし、客単価を上げるのか‥
客単価を下げて、客数を増やし、さらに原価も下げるのか‥
客数の少ない時間の影響をストップし、経費をさげるのか‥
オペレーションを改善し、人件費を減らすのか‥
そのバリエーションは無限大です。
大切なのは、実行に移す前に①~④のどこを、どう改善したら、いくら利益が増えるかを事前に計算できていることです。
事前に計算できていないと、原価の見直し、メニューの値上げに取り組んでみたけど、黒字にならないという事態に陥ってしまうのです。
そうならないためにも以下のように、1日当たりの売上、利益、1か月当たりの売上、利益、メニューごとの利益が把握できていることが必要です。



以下の記事でラーメン店の原価計算の方法について詳しく説明しているので良かったら読んでみて下さい。
以下のリンクからラーメン店の原価計算や1か月当たりの売上、利益計算を計算するシートをダウンロードすることができますので、良かったらぜひダウンロードしてみてください。
そして、ご意見お待ちしています。
シートに入力するだけ!ラーメン店を黒字にする簡単利益計算シート
ラーメン店を黒字にする簡単利益計算シートの使い方
このシートは、グレーのセルに現在の数値を入力して、次の手順・流れで現状、黒字か、赤字かを確認します。
- ラーメンの原価計算
- サイドメニューの原価計算
- 1か月当たりの経費の計算
- 1日当たりの売上、原価の計算
- 1か月当たりの売上、原価、利益の計算
入力が大変かと思いますが、このシートに入力すると、現状のラーメンの店の状況が丸わかりになります。
そして、これを見ると、改善できるポイントが客数、それぞれのメニュー価格、提供量、材料、経費など多岐にわたることが分かります。
これらの改善ポイントのうち、実現できる施策の範囲内で、どの数値をどのように改善したら、右下の現金がプラスになるかを計算していきます。

この右下の数値がプラスになる計画になることを確認してから、実行に取り掛かることが大切です。
なぜなら、仮に右下の数値がマイナスだと実質は赤字のままで、どんどん現金が減少していってしまうからです。
多くの場合、計画してみて、翌月から思った数字の結果が出ていることはほとんどありません。
トライアンドエラーを繰り返し、徐々に黒字に近づいていくのです。
黒字に近づくためには、成果がでていているかを毎月確認することも必要です。
なぜなら、結果=数字です。
数字を確認しない限りは、結果が出ており、黒字に近づいているかは分からないからです。
赤字が大きく、現金の減少が早い場合には、いち早くこのシートで改善方法を検討し、実行しすることが大切です。
シートの使い方など、初回の相談は無料です。
お気軽にご相談くださいね。

佐藤 修一
税理士法人Accompany 代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。