時給1200円のパートと月給17万円の正社員どちらが会社にとってコスト的にお得かどうかについて検討しています。

時給1200円‥一般的に時給としては高い方だと思います。

一方、月給17万円‥正社員の給与としてはそれほど高い方ではないと思います。

会社が負担するコストで考えてみた場合、年間にしてみるとどちらが高くなるのでしょうか。

ここでは、以下のようなお悩みがある方向けに、年収別、時給別で会社が負担する年間のトータルコストについて比較しています。

・正社員に関する社会保険料の負担が重たいため、今後パート・アルバイトの雇用を検討している
・現在正社員が行なっている業務を今後パート・アルバイトの方に行ってもらうことを検討している

ここでは、1日あたり6時間未満勤務のパート・アルバイトの場合で社会保険の加入義務が無い、週20時間~30時間勤務の方のを採用した場合とフルタイムの正社員の場合で比較してみます。

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目次

 

年収別の正社員の場合の社会保険料を含めたコストについて

まず、正社員の場合で月収ごとの年間に会社が負担するコストについて計算してみます。

ここでは賞与が無いものとして考えてみます。

正社員を採用する場合の会社側で負担することになるコストは以下のようになります。

・給与+会社負担の社会保険料+会社負担の労働保険料

社会保険料の料率は、都道府県、40歳未満かどうかによって異なりますが、14%~15%ほどです。

また、労働保険料の料率は、業種によって異なりますが1%弱です。

仮に社会保険料を14%、労働保険料を1%として、賞与なしの月収×12か月を年収とする場合の年収別の会社が負担することとなる総コストは以下のようになります。

月給
単位:万円
年収
単位:万円
社会保険料
労働保険料
単位:万円
会社負担のコスト合計
単位:万円
1720430234
1821632248
1922834262
2024036276
2125238290
2226439303
2327641317
2428843331
2530045345

 

上記の表より一番少ない月収17万円の正社員の場合、社会保険料・労働保険料の負担を加えると年間会社側で負担するコスト234万円となります。

また、一番多い月収25万円の正社員の場合は、会社が負担するコスト総額は345万円になります。

 

時給別のパート・アルバイトの労働保険料を含めたコストについて

次にパート・アルバイトの場合で会社が負担するコストについて検討してみます。

ここでは、社会保険料の負担の無い1日あたり6時間未満勤務のパート・アルバイトの場合で検討するため、1日あたり8時間勤務の正社員と比較するには前提の労働時間が異なります。

よって、ここでは、正社員とのコスト比較をするため、パート・アルバイトの方が2名×4時間=8時間勤務したと仮定して計算します。

この前提の場合、会社側が負担する年間のコストは以下のようになります。

・所定労働日数×8時間×時給+会社負担の労働保険料

年間の労働日数は、土日祝日が休日だとして241日を前提に計算します。

また、労働保険料は通常給与金額に対して1%程度です。

パート・アルバイトの方が1日2名で4時間ずつ勤務した場合の時給別の年間の会社が負担するコストは以下のようになります。

時給
単位:円
年収
=時給×241日×8時間
単位:万円
労働保険料
単位:万円
コスト合計
単位:万円
8001541155
8501641165
9001732175
9501832185
1,0001932195
1,0502022204
1,1002122214
1,1502222224
1,2002312233
1,2502412243
1,3002502253
1,3502602263
1,4002702272
1,4502802282
1,5002893292

 

上の表のように一番少ない時給800円の場合の年間コストは165万円、一番高い時給900円の場合の年間コストは292万円となります。

 

パート・アルバイトと正社員でどれだけ会社側の費用が変わるか

正社員のコスト負担とパート・アルバイトのコスト負担で比較してみると‥

正社員の月収の一番少ない17万円の場合の年間コストは234万円です。

この年間コスト234万円に相当するアルバイトの時給は、1200円の時で233万円となります。

よって、純粋にコスト負担のみで考えた時の時給1200円のパートと月給17万円の正社員はほぼ同じという結果になります。

 

また、この計算には、賞与が含まれていないので、賞与を仮に4か月分支給している場合の月収17万円の会社の負担するコスト合計は、時給換算すると1,832円もの金額になります。

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まとめ

正社員とパートの場合で会社の負担するコストを比較してみましたが、実際に正社員、パートの場合で行う仕事は違うと思います。

よって、単純にコスト面だけで判断することは難しいと思います‥

しかし、「働き方改革」が着手されている中、一人ひとりの生産性をあげるためには、個々の社員の能力、強みにあった職務に注力できるような仕組みづくりが今後企業にとって求められると考えています。

人に関する生産性とは、時間に対する成果だと思います。

つまり、判断・経験・専門知識を要しない定型業務等の非付加価値業務と判断・経験・専門知識を要する非定型業務である付加価値業務を区分し、今後より貴重になる人という資源をいかに最適に配分することができるかどうかが大切になってくるのではないかと考えています。

あわせて、人への投資への考え方、ポリシー、方針が大切になると思います。

下記の記事では、「適正な労働分配率」について詳しく解説しています。

具体的には、高齢者の雇用や個々のライフスタイルにあった在宅勤務の活用、柔軟な勤務体系などの雇用に関することや業務の単純化、簡略化、外注化、AIやRPAの導入・活用により、人的作業の生産性の向上を図るための企業側の業務設計が大切になってくるのではないかと思います。

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