
こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。
これまで300社の中小企業を税理士として会計、税務をサポートする中で
「なぜ、在庫が増えると、利益がでてもキャッシュが増えないんですか?」
との質問を数多くいただきました。
どんなに利益がでても、キャッシュが増えなければ、経営は楽にはなっていきません。
そこで、本ブログでは、利益が増加しても在庫が増えるとキャッシュ減少する原因とその時の注意点や対策方法について解説しています。
利益=キャッシュなのか?
まず、利益=キャッシュなのか?
つまり、利益が増えれば、キャッシュが増えるのかについてですが、
答えは「NO」です。
利益が増えてても、キャッシュが増えるとは限りません。
利益は、会計のルールにもとづいて計算した「儲け」の金額です。
会計は、1年間でいくら儲かったのかを計算することを目的としています。
よって、利益は計算上の数字です。
一方、キャッシュは、保有する現金と預金残高の合計です。
キャッシュは揺るがない事実に基づく数字なのです。
利益=計算結果の数字
キャッシュ=事実の数字
の違いがあるのです。
在庫が増えるとキャッシュが増加しない理由
利益がでていても在庫が増えるとキャッシュが増加しない理由は、キャッシュが在庫に変わっているからです。
キャッシュ⇒在庫
つまり、在庫を増やすということは、新たに商品を仕入れるためにキャッシュが必要となり、その分のキャッシュが減少することになります。
よって、いくら利益が増えたとしても、在庫が増え続ける限りは、キャッシュは増加していかないのです。
利益より在庫が増加している時の注意点
利益の増加額<在庫の増加額となっていれば、キャッシュが減少していきます。
売上拡大のためにSKUが増え続けている時によくこのような状態になります。
在庫の増加に注意しながら、在庫の増加をどこまで許容するかのラインを明確にしつつ、キャッシュを計画的に回す必要があります。
そのためには、利益がいくら増えていて、在庫がいくら増えているかをタイムリーに把握することが大切になります。
赤字でキャッシュが減少しているのか、在庫でキャッシュが減少しているのかを明確にする必要があるからです。
赤字であれば、今後どうすれば黒字に変わるのか?
在庫が増加しているのであれば、
どこまで在庫が増えるのか?
増加した在庫がいつ、いくらのキャッシュが変わるのか?
を検討します。
在庫が増え過ぎたら赤字販売でキャッシュを増やす
在庫が増えすぎて資金繰りが苦しくなったら、在庫をキャッシュに変えます。
利益の減少額<在庫の減少額となっていれば、赤字でもキャッシュは増加します。
小売業やメーカーでよくみられる動きの悪い滞留在庫を赤字で販売し、キャッシュフローが改善する現象です。
在庫処分や決算セールなどと称し、行われています。
さらに赤字で販売するので法人税はかかりませんし、在庫がキャッシュに変わるため、キャッシュフローが改善します。
この場合、どの程度の赤字であれば、キャッシュが増加するのか、増加したキャッシュをどう生かすのかを検討する必要があります。
次の記事では、中小企業の利益がでているのにキャッシュが増えない理由のランキングトップ5について解説しています。
ぜひ読んでみてくださいね。
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佐藤 修一
税理士法人Accompany 代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。