【税理士が徹底解説】法人保険で本当に節税できる?失敗しない契約の見極め方

税務・節税

佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

本日は、これまでたくさんのお客様からご質問があった「法人の節税保険」に加入するメリットがあるかどうかについて解説します。

多くの中小企業経営者が税金対策として法人保険の導入を検討していますが、本当に“節税効果”があるのか導入によって得をするのか損をするのか、正しく理解している方は意外と少ないのが実情です。


本記事では、税務の専門家である税理士が、法人保険による節税の仕組みと、そのメリット・デメリット、そして“失敗しないための判断基準”をわかりやすく解説します。


保険代理店の営業トークに流されず、自社にとって本当に必要な保険かどうかを見極める力を身につけたい経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

本題に入る前に先にすこしだけ私の自己紹介をさせてください。

私は公認会計士・税理士ですが、私の父も税理士で、生涯とても熱心にキャッシュの研究を行っていました。

父は税理士事務所経営の傍ら、学校経営に失敗し、多額の借金を抱えており、資金繰りに苦しみながら、「どうすれば中小企業キャッシュに困らずに経営できるか」を生涯研究、実践していました。

書籍を6冊ほど出版し、全国各地で精力的にセミナーを開催していました。

そんな父をみて私も会計士になり「どうすれば中小企業がキャッシュに困らず経営できるか」を実務の中で研究・実践しています。

なので私にとってキャッシュ面から見てメリットがあるかどうかの判断は、絶対に譲れないところなのです。

法人の節税保険とは

ここでいう法人の節税保険とは、、死亡保障と資金の貯蓄の2つの機能がある保険のことです。

保険期間中に亡くなった場合には、死亡保険金が支払われ、

契約期間の途中で解約した時には、解約時点の解約返戻率にもとづき解約返戻金が支払われ、

満期時には、契約にもとづき満期保険金が支払われるような保険です。

養老保険や一時払い修身保険のような商品で、払った保険料の一部を損金にすることができ、法人税負担を軽減することができます。

節税保険でキャッシュが増えるかどうか

私にとってキャッシュ面から見てメリットがあるかどうかの判断は、「キャッシュが増えるかどうか」のみです!

節税保険の加入によって、

キャッシュが増えれば⇒メリットあり 〇

キャッシュが減れば⇒メリットなし ✕

という判断になります。

節税は、キャッシュを増やすために行なうはずです。

キャッシュを増やすことができなければ、メリットがあるとは言えないはずです。

結論から申し上げると、

佐藤修一

キャッシュ面からみて
解約返戻率が100%を超える節税保険は、メリットありますが、
解約返戻率が100%未満になる節税保険は、メリットはありません!

「何言ってんの そんなことはない‥おかしいよ」と思う方も多いかと思います。

「法人の節税保険」は、解約返戻率が100%を超える場合にはキャッシュの観点からメリットがありましすが、100%未満となる場合にはメリットがないです。

ここでは節税のために保険に加入するとして死亡保障のメリットは加味して考えていません。

では事例で考えてみます。

1/2損金処理できる節税保険で保険料100万円を10年間払込み、10年後の解約返戻率が90%に加入する場合のキャッシュの増減は以下のようになります。

10年トータルではキャッシュは65万円減少し、「メリットなし」という判断になります。

節税保険で②175万の法人税を解約時まで繰り延べる効果はありますが、あくまで先送りしているだけで、結果的にはメリットはありません。

課税の繰り延べについては次のブログで解説しているので良かったら、読んでみてください。

もし、節税のみを目的としている節税保険に加入している方がいて、解約返戻率が100%の保険の場合は、解約した方が良いと思います。

その場合は解約返戻率がピーク時にいいでしょう。

保険料総額と解約返戻金の差額に着目してそのタイミングを判断してください。

節税保険の解約のベストなタイミングについては以下の記事にまとめているので良かったら読んでください。

繰り返しですが、私にとって「キャッシュが増えるかどうか」は、絶対に譲れないものです。

そして、キャッシュが増えている原因が「利益」かどうかの判断も非常に重要だと考えています。

キャッシュの観点から節税や経営判断で困っている方、初回相談は無料です。

お気軽にお問い合わせください。

佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。