定額法と定率法どちらが有利か
税務・節税
2014/03/17
2014/03/17
定率法と定額法どちらが有利かについてご説明します。
税金、資金繰りの観点から言えば、定率法が有利です。
どちらを選択しても経費にできる金額の総額は変わりません。
経費にできる金額の総額が変わらないという事は、どちらを選択しても税金を少なくできる金額の総額は変わりません。
しかし、定率法の方が早いタイミングで経費にできますので、早めに税金を減らすことができます。
税金を減らす目的は資金繰りをよくするためです。
このことを事例でご説明します。
計算方法についてはこちら
【事例】
個人事業の方が100万円の軽自動車を新車で買ったとします。
耐用年数は4年 定率法の償却率は0.5
個人事業の方は、経費に対して税金と国民保険(=以下税金等とします)が減少する効果は※30%とします。
※:所得税率が10%(利益金額に対して5~40%と変わります)と住民税率10%と国民保険10%の合計
Ⅰ定額法経費 | Ⅱ定額法の場合 税金等減少効果 Ⅰ×30% | Ⅲ定率法経費 | ⅳ定率法の場合 税金等減少効果 Ⅲ×30% | ⅴ税金等減少効果差額 Ⅱ-ⅳ | |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 25万円 | 7.5万円 | ①50万円 (=100×0.5) | 15万円 | △7,5万円 |
2年目 | 25万円 | 7.5万円 | ②25万円 (=100-①50×0.5) | 7.5万円 | – |
3年目 | 25万円 | 7.5万円 | 12.5万円 (=(100-①50-②25)×0.5) | 3.75万円 | 3.75万円 |
4年目 | 25万円 | 7.5万円 | 12.5万円 | 3.75万円 | 3.75万円 |
合計 | 100万円 | 30万円 | 100万円 | 30万円 | 0 |
このように車を購入したことによる経費となる総額が100万円と税金と国保を減らすことができる金額は30万円(=100万円×30%)と定率法と定額法では変わりません。
資金繰りを良くするには、税金等の支払を遅くすることが必要です。
定率法の方が、早く経費に落とせるので、1年目の税金は定額法より7.5万円少なくなります。
税金等の負担を先延ばしにできます。
よって定率法を選んだ方が資金繰り的には楽になり、有利になります。
佐藤 修一
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。