在庫を少なくする方法と税金対策

税務・節税

2014/10/28

2014/10/28

雑貨販売、薬局等小売業の経営者の方から

「在庫を減らしたら、税金が少なくなると聞いたんですけど…」

と質問を受けることがあります。

在庫を減らしても在庫を捨てた場合を除いて税金は少なくなりません。

なぜなら、

売上から販売した商品の原価を引いた金額が粗利益となります。

売上-期首在庫+当期仕入-期末在庫=粗利益

粗利益-経費=利益

利益×税率=税金となります。

利益が大きくなればなるほど、税金が大きくなります。

普通は、販売する=期末在庫が減る=利益が増えるからです。

期末在庫が少なくなれば、粗利益が少なくなります。

結果利益が少なくなり、税金も少なくなります。

販売する=在庫が減る=利益が多くなるのが通常のビジネスです。

在庫が減る=利益が少なくなる…この場合は、「赤字」で販売していることになります。

また、期末在庫を減らす=来期の期首在庫が少なくなるので、結果来年の税金が多くなります。

家電量販店などで決算セールなどがあります。

集客のための「決算セール」もありますが、

決算前に、今後売れそうもない商品を原価より小さい金額の赤字で販売し、

在庫から資金を回収し、赤字を増やし、税金を少なくすることが目的です。

また、売れない在庫を捨てた場合には、

捨てた在庫の原価は、売上から引くことができます。

ですから、今後売れそうにない在庫を捨てることで赤字を増やし、税金を少なくすることができます

 
帳簿を操作して、在庫を減らすと粗利益が少なくなり、利益が少なくなります。

しかし、この場合、税務調査が入ると、通常の税金とは別に、

悪質な税金逃れとして重加算税という重たいペナルティを支払うことになるのでご注意下さい。

佐藤 修一

佐藤修一公認会計士事務所代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。