前払費用の消費税の税区分は?計上時期は?具体的な仕訳方法を税理士が解説

税務・節税

経理処理

佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

事業を行う上で、家賃や保険料など、一定期間のサービスを先にまとめて支払う「前払費用」はよく発生します。

この前払費用に含まれる消費税は、支払ったときにすぐに仕入税額控除ができるのでしょうか?

それとも、実際にサービスを受ける期間に分けて控除すべきなのでしょうか?

今回は、前払費用の消費税の取り扱いについて、基本的なルールと、知っておくと便利な特例を解説します。

原則:サービスの提供を受けたタイミングで控除

消費税のルールでは、課税仕入れの時期は原則として「資産の引渡しやサービスの提供があった時」とされています。

したがって、前払費用として先に支払いを行ったとしても、その時点では消費税の仕入税額控除はできません。

以下の具体例のように、実際にサービスを受けた期間に応じて、費用として計上すると同時に、

消費税も按分して控除する必要があります。

具体例:1年分の事務所家賃を前払いした場合

支払時:

1年分の家賃120万円と消費税12万円をまとめて支払っても、まだサービスを受けていないため、この時点での消費税控除はできません。

会計ソフトでは以下のような仕訳になります。

横にスクロールできます
借方勘定科目借方税区分借方金額貸方勘定科目貸方税区分貸方金額
前払費用対象外1,320,000現金預金対象外1,320,000

費用計上:

サービスを受けた期間に応じて、毎月10万円を費用として計上する際に、消費税1万円を控除します。

会計ソフトでは以下のような仕訳になります。

横に
借方勘定科目借方税区分借方金額貸方勘定科目貸方税区分貸方金額
地代家賃課税仕入10%11,000前払費用対象外11,000

例外:「短期前払費用」の特例を活用

前払費用を支払った時点では、原則として仕入税額控除ができないとお伝えしましたが、

一定の要件を満たすものについては、支払った日に一括で仕入税額控除ができる特例があります。

それが「短期前払費用」の特例です。

この特例を適用するために必要な要件は、以下の4つです。

1:支払日から1年以内にサービスを受けるものであること
2:継続的なサービスの提供を受けるための費用であること(家賃、保険料など)
3:支払った事業年度において全額を費用として計上していること
4:継続してこの会計処理を行っていること

注意点:安易な適用はNG

非常に便利な特例ですが、適用には2つ注意点があります。

継続性の原則:

一度この特例を適用すると、その後も継続して同じ処理を適用する必要があります。

利益操作と見なされるリスクがあるため、安易に処理方法を変えることは認められません。

金額の妥当性:

この特例は、企業会計上の「重要性の原則」に基づく経理処理を税務上も認めるというものです。

重要性の原則とは、その企業にとって重要性の乏しいものについては、

本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも、

正規の簿記の原則に従った処理として認められるという内容です。

つまり、たとえ1年以内の費用でも重要性が高い(=金額が多額である等)費用に該当する場合は、

特例の適用が認められないケースがあります。

まとめ

前払費用の消費税は、原則はサービスを受けた期間で按分して控除

例外として短期前払費用の特例を活用し一括控除も可能、と覚えておきましょう。

「自社のケースではどちらを適用すべきか?」「特例を使っても問題ないか?」

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。