仮想通貨計算ツール「クリプタクト」使用にあたっての事前準備と注意点
税務・節税
2018/09/26
2018/09/25
今回は、仮想通貨計算ツール「tax@Cryptact(クリプタクト)」の使用にあたっての準備と注意点について解説いたします。
以前こちらの記事でも解説しました通り、クリプタクトでは簡単に仮想通貨の計算を行うことが出来ます。
しかし、実際に使用する場合、準備や確認が必要になります。
本ページでは、必要な準備と使用の際によくある注意点について解説いたします。
事前準備について
簡単に利益計算が行えるCryptactですが、正確な計算を行うためには以下のデータの準備が必要です。
取引CSVデータのダウンロード
「仮想通貨を初めて買ったときから今までのすべての期間」の「ご利用のすべての取引所」の取引CSVデータを用意します。
取引所別のダウンロード方法については、こちらの記事「2.3 取引所ごとの取引明細のアップロード方法について」をご参照ください。
ご利用のすべての取引所やウォレットのポジション(仮想通貨残高)を記録する
※すべての取引が終了した時点のポジションを記録してください。
利益計算後の仮想通貨の残高と照合して、計算の正確性を確認するために必要になります。
記録しない場合でも計算は可能ですが、より正確な計算を行うためにご準備することをお勧めします。
カスタムデータの準備
Cryptact対応外取引所での取引、ICO、マイニング、入出金手数料の登録などはカスタムデータを作成しての、計算が必要です。
こちらは別の記事にて詳しくご説明します。
計算後のデータ確認について
1.の「事前準備」が完了しましたら、取引CSVデータ・カスタムデータを取り込みます。
その後、以下の確認を行います。
未分類取引の確認
データをすべて取り込んだ後、画面の中央部分に以下のように赤い×欄に数字が現れる場合があります。
これは表示されている数の取引(以下の例の場合168件)が「未分類取引」として利益計算、残高計算共に除外されているという状態になりますので、
赤い×欄を0にする対応が必要です。
またこの赤い×をクリックすると未分類取引のみが画面下部に表示され、
表示された取引をクリックすると以下のように詳細なエラー内容が確認できます。
「未分類取引」には5つのパターンが存在し、それぞれ対応策も変わります。
「ポジション不足/デリバ・マージン取引以外の空売りを検出」
「ポジション不足」は取引時点で保有する通貨以上の取引があるときに発生します。
「デリバ・マージン取引以外の空売りを検出」は、通貨を保有していない状態で通貨を売却しようとしたときに発生します。
本来、ポジション残高がマイナスになることはあり得ないため、
このメッセージが出る場合はアップロードしたデータに不足がある可能性が高いです。
まず、すべての取引データがアップロードされているかをご確認いただき、
不足分に関しては、追加のアップロード・カスタムデータの作成を行ってください。
「主軸通貨は未対応/手数料通貨は未対応」
こちらは、Cryptactにて対応していない通貨が取引や手数料で使用されているときに発生します。
現在Cryptactで対応している通貨はこちらです。
まず、通貨に間違いがないか再度ご確認いただき、
対応していない通貨に関してはカスタムデータを作成し対応を行ってください。
「決済通貨は未対応」
こちらは、Cryptactにて対応していない「決済通貨」にて取引が行われているときに発生します。
現在Cryptactで対応している通貨はこちらです。
対応決済通貨についてはCryptactにログインして確認することが出来ます。
この場合でも、まず、通貨に間違いがないか再度ご確認いただき、
決済通貨が対応していない場合はカスタムデータを作成し対応を行ってください。
「価格データの欠落」
tax@cryptactで用意されている決済通貨の価格データに抜け落ちがある状態です。
この場合は、取引時の通貨価格を調べた後、カスタムデータを作成し対応を行ってください。
残高の確認について
「2.1.未分類取引の確認」が終り、エラーがない状態になりましたら、仮想通貨残高の確認をします。
tax@Cryptactトップ画面の「コイン別」をクリックすると
以下の画面に移りコイン別の残高・利益金額を確認できます。
こちらのポジションと、取引所・ウォレット別の残高の合計を照合し、一致する場合は計算完了です。
一致しない場合は取引の不足などが考えられますので、再度ご確認を行ってください。
※計算の仕様上ポジション残高の差額が出る場合があります。
少額誤差調整について
tax@Cryptactの初期設定では、100円未満のポジション残高不足については、直前のポジションに強制的に合わせて自動調整し、警告とします。
この場合、警告取引も最終利益計算に含まれます。
以下のユーザー設定の赤枠部分を変更することにより、
少額誤差調整を警告とするかどうか、また自動調整する金額の設定を変更することが可能です。
例えば、少額誤差調整の設定金額を10,000円にした場合
日本円で10,000円分未満の仮想通貨の不足が発生する取引については
残高を直前の取引ポジションに強制的に合わせて利益のみ計算を行います。
前述の未分類取引の原因がどうしてもわからない場合は、
設定金額を変更することにより計算することは可能です。
ただし、あくまでも不明確な方法になりますので、行われる場合は自己責任で行ってください。
クリプタクト使用にあたっての準備と注意点のまとめ
今回、tax@Cryptactの詳細な使用方法をご説明いたしました。
簡単に利益計算ができるように作られているCryptactですが、
本記事に記載した内容を確認していただくことで、より正確な計算が行えます。
本記事でも触れているカスタムデータについては、別の記事で作成方法をご説明いたします。
本記事と併せてご参照ください。
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佐藤 修一
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。