ドラッカー経営を体系的に理解し、経営の現場で実践する方法が分かる本のご紹介

経営・マネジメント

2018/09/20

2018/09/20

私が事務所経営を行う上での考え方は、ドラッカーの理論がベースとなっています。

初めてドラッカーに出会ったのは、約7年前になります。

当時私は、監査法人を退職し、税理士事務所に勤務する準備をするため、約1年間、出身大学の西南学院の図書館で色んな本を読んでいました。

当時、税理士事務所の職員として働いていくには、税務や会計以外に、経営者と会話ができる土俵に立つためには、経営に関する理論を学ぶ必要性があると感じ、ドラッカーのマネジメントを読み、それから、徐々にドラッカーの考え方にはまっていきました。

ドラッカーにはまるきっかけは、マーケティングに関する記述です。

ドラッカーを読むまで私のマーケティングの認識は、「いかに売るか、営業を上手をおこなうか」でした。

しかし、ドラッカーによれば、マーケティングとは、「顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるにようにすること」

そして、顧客の満足をベースに考え、経営しなければならないと痛感したのを覚えています。

ドラッカーの著書は、どれも内容が奥深く、その数が膨大で、範囲もかなり広いため、全てを読みあさるには、非常に時間がかかります。

そして、これらを経営の実践に活かすとなると簡単でないように思います。

ドラッカーの経営に関する考え方が体系的にまとまって、経営の実践に活かすためにお勧めの本があります。

藤屋伸二先生の書かれている「ドラッカー経営がよくわかる本」です。

全部で200Pほどにまとまっていて、ドラッカーの経営に関する基礎知識が網羅的に記載されています。

また、要所で図を使ってあるので、整理しながら理解することができます。

ドラッカーの著書は、私にとっては、文書表現が難しい箇所がありますが、分かりやすい記述と事例による説明が多いので、自社に置き換えて考えながら読み進めることができます。

利益に関して以下のような記述があります。

「利益とは、目的ではなく、企業が存続していくための「必要条件」です。利益がなければ企業は存続できません。企業における利益は人間にとって水や空気と同じです‥利益は差別化と独自化の結果で、利益は企業の強さを計る物差しになる」

私自身数字を扱う仕事なので、数字をベースにしすぎてしまい、利益が目的になってしまいがちだと感じます。

そして、経営を行うにあたって目標を設定することがあるかと思いますが、その経営目標について以下のような記述があります。

「目標による管理とは、経営理念や方針、戦略に基づき、
「現在の繁栄」と「将来の繁栄」のバランスをとることであり、
「顧客満足」と「自社の利益」のバランスをとることであり、
「人間の感情」と「数字のシビアさ」のバランスをとること」

この一言に、私自身、現在の繁栄、自社の利益、数字のシビアさを重視してしまっていて、バランスがとれていないことを思い知らされました。

事あるごとに読み返したい本の1冊になりそうです。

ドラッカーが好きな方のみならず、おすすめです。

是非読まれてみてください。

佐藤 修一

佐藤修一公認会計士事務所代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。