美容室の集客費用・コストのかけ方

経営数字の見方・活用方法

2015/09/17

2015/09/17

美容室において集客のための広告宣伝費の費用と効果の考え方について説明しています。

コンビニの4倍ともいわれる美容室で新規の集客は、重要な課題です。

そして、新規の集客の方法は様々です。

フリーペーパー、ホットペッパービューティー、ホームページ、チラシ、ポスティングなどに渡ります。

どこまでお金、予算をかけていくか、どれだけ集客が見込めるか、

そして、リピート率、継続率が不確定だけに悩ましいとこだと思います。

現在利用している集客コストの効果がどれだけなのか、どのタイミングで集客方法を変更するか、あるいは、集客を止めるべきかを考えていただくきっかけにしていただければと思います。

売上高が集客コストを上回っていれば(売上高>集客コスト)、その集客方法が有効な集客方法とは限りません。

仮に毎月フリーペーパーなど広告宣伝費に10万円かけているとします。

それによる新規の集客が20名があり、客単価が6,500円、原価率が5%、クレジット手数料が3.5%だとします。

この場合の広告宣伝費によるお店の利益は、次のようになります。

 

 

  金額  説明 
新規売上  130,000円   20名×6500円
原価 △6,500円   130,000円×5%
クレジット手数料 △4,550円   130,000円×3.5%
広告宣伝費 △100,000円   
広告宣伝費の集客による利益 18,950円   

 

20名の新規顧客に対して作業時間が一人あたり1.5時間だとすると、合計30時間(20名×1.5時間)になります。

仮に一人これにスタッフの社会保険料などを含めた人件費が一時間当たり、1,000円だとすると、

人件費は、1,000円×30時間=30,000円

先ほどの利益18,950円から人件費30,000円を引くと…

11,050円のマイナスになってしまいます… 赤字です。

集客コストと新規の顧客増加によって発生したコストを合計すると、

集客コスト:100,000+増加コスト41,050(原価6,500+クレジット手数料4,550+人件費30,000)=141,050円です。

一方、収入である売上は、130,000円なので、コストが収入を上回ってしまっています。

結論としては、短期的に、

「集客コスト+増加コスト」と「新規売上」でどちらが大きいかで集客を行うべきかを判断します。

コストをかけて集客を行う際には、売上だけでなく、その他の増加コストを計算し、最低限の売上目標を設定し、

その最低限の売上目標を達成しているかどうかで、集客を継続するか、止めるべきかを考えていく必要があります。

その他、売上の見方・分析方法についてはこちら

美容業の会計・資金繰りについてこちら

 

佐藤 修一

佐藤修一公認会計士事務所代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。