マネーフォワード(MF)でクレジットカードの残高がマイナスになっている時の原因と解消方法を解説

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マネーフォワードでクレジットカードの残高がマイナスになっている時の原因と対処方法
佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

会計が終わって貸借対照表や損益計算書を眺めている時に「あれ?クレジットカードの残高がマイナスになっている」と気付いたことはありませんか?

今回は、

  • クレジットカードの残高がマイナスになる原因
  • クレジットカードの残高がマイナスになっている時の解消方法

を解説したいと思います。

freee会計をご利用の方向けに解説した記事もありますので、freeeをご利用の方は下記の記事を参考になさってください。

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  • マネーフォワードを導入してみたけど経理の効率化が進んでいない
  • 自計化したいが設定が難しくてできない

という方は、ぜひ一度ご相談いただけたら幸いです。

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クレジットカードの残高がマイナスになる主な原因

クレジットカードの残高がマイナスになってしまう主な原因は次の通りです。

クレカの残高がマイナスになる原因

  1. 連携エラーなどにより、利用明細が一部抜けている
  2. 子カードを連携していない
  3. 期首残高が合っていない
  4. カード利用分の引落額にキャッシングした分の元本・利息が含まれており、全額をカード利用分の引き落としとしているためマイナスになっている

残高がマイナスになる仕組み

まずクレジットカードの残高がマイナスの時に会計ではどのような状況になっているかというと、

カードの利用額よりも引落額の方が大きいためマイナスになっているということが考えられます。

カードを利用すると、借方(左)に経費の勘定科目が、貸方(右)にまだ引き落としがかかっていないカード利用額の残高の増加が記録されていきます。

貸借対照表でいう負債が増加していきます。

佐藤修一

カードを利用すると貸方・右側の数字が大きくなっていきます

横にスクロールできます
借方金額貸方金額会計上のクレジットカードの残高
消耗品費100未払金〇〇カード100100
接待交際費20,000未払金〇〇カード20,00020,100
通信費1,000未払金〇〇カード1,00021,100
旅費交通費500未払金〇〇カード50021,600

そして、クレジットカード会社指定の引落日に銀行口座から利用額が引き落とされると、下記のような仕訳になります。

横にスクロールできます
借方金額貸方金額会計上のクレジットカードの残高
未払金〇〇カード21,600〇〇銀行21,6000
佐藤修一

カードを利用する度に増加していた負債が減少する仕訳です。

実際はカードの締日が到来してから実際に引き落としがかかるまでにカードを利用することが多いと思いますので残高がゼロになることはありません。

しかし、カード利用時の仕訳が漏れていた場合は貸方(右)の金額に対して引き落としがかかる金額の方が大きくなることで残高がマイナスになってしまいます。

【原因1】連携エラーなどにより、利用明細が一部抜けている

佐藤修一

ひとつめは実務でよくある原因のひとつです。

マネーフォワードに連携しているクレジットカードは一定期間経過するとセキュリティ対策で連携が途切れます。

そして長期間連携が切れた後に再連携した場合、途中の明細を引き込めないことがあります。

カードを再連携した場合どこまで遡って明細を取得できるかはクレジットカード会社によって異なります。

半年分、1年分の会計をまとめて入力する時に起きやすい事象です。

途中の明細が連携されていない場合の対処方法

貸借対照表でクレジットカードの総勘定元帳を開き、残高がマイナスになったポイントを特定してその前の仕訳を確認すると、明細がまったく連携されていない期間を見つけることができます。

具体的な手順は下記の通りです。

マネーフォワードで総勘定元帳を開く方法

  1. 「会計帳簿」→「残高試算表」を開く
  2. 貸借対照表を開く
  3. 流動負債の未払金を展開し、該当のカード名をクリックする
  4. 順番にカードを利用した履歴を見ていき、カードの利用履歴が途切れている期間がないかチェックする

連携がされていない期間が特定できたら、カード会社のマイページにログインしてその期間の利用明細のcsvデータをダウンロードします。

その後マネーフォワードに手動で明細をインポートすればOKです。

佐藤修一

マネーフォワードに手動で明細をインポートする方法は別の記事でご紹介したいと思います(現在準備中)

【原因2】子カードを連携していない

子カードをマネーフォワードに連携していない時も、利用額より引き落とし額の方が大きくなるため残高がマイナスになりやすいです。

複数枚カードを作って従業員に持たせていたり、利用内容に応じて親子カードを使い分けている方もいらっしゃると思います。

そういった場合はメインの親カードだけでなく、子カードも連携するようにしましょう。

【原因3】期首残高が合ってないない

これは、期中の仕訳は合っているけど、期の始めの残高(期首残高・開始残高)が合っていないために起こるケースです。

もともと期首に未払いのカード利用額があるにも関わらず期首残高をゼロのまま会計を始めてしまうと、

実際のカードの未払い残高と会計上の残高が一致せず、マイナスになってしまいます。

期首残高が合っていない場合の対処方法(開業・設立1年目の個人・法人)

まずは開業1年目の個人事業主・設立1年目の法人向けの対処方法をご紹介します。

初年度は「開始残高」を設定する画面がありますので、そこから期首の適切なカード残高を設定しましょう。

開始残高の設定方法(個人)

  1. 「各種設定」→「開始残高」を開く
  2. 開業・設立時の現金・預金・クレジットカード残高などを入力する

事業を開始してから作ったクレジットカードを連携している方は開始残高の設定は不要です。

プライベートで以前から使っていたクレジットカードをマネーフォワードに連携する場合は必ず開始残高の設定をしましょう。

設立前にカードを作っていて創立費や開業費の支払いに使っていた場合は登録が必要です。

期首残高が合っていない場合の対処方法(2年目以降の個人・法人)

2期目以降の個人・法人の場合は、前期末の残高を修正することはできません。

そのため、もしも期首残高が間違っていた場合は修正仕訳を入れて残高を合わせることになります。

その場合、なぜ前期末の残高が間違っていたのか原因を明らかにしてから入力を進めていく必要があります。

前期末の残高が間違っている時に考えられることとしては、

  1. 前期のクレジットカードの利用明細が一部漏れていたことにより、経費の入力も漏れている
  2. クレジットカードの利用額の引き落とし口座がプライベート口座だったことから会計で認識できていなかった(この場合は残高はマイナスにならず、過大になります)

などが考えられる理由となります。

原因が特定できたら、期首の日付で振替伝票を使って仕訳を入力します。

1の場合は税務的な判断が関係しますので、前期の計上漏れの経費の処理方法は割愛させていただきます。

2の場合はプライベート口座からカードの利用額を支払ったことになりますので、下記の仕訳を入れます。

横にスクロールできます
借方金額貸方金額
未払金〇〇カード10,000円事業主借または役員借入金10,000円

【原因4】カードのキャッシング機能を利用したことがある

クレジットカードのキャッシングをして、キャッシングの返済金額が通常のカード利用額と一緒に引き落としがかかる場合は注意が必要です。 

カードの利用額の引き落としと別で振り込みなどを行って返済する場合は問題ありませんが、

キャッシングをした翌月にカード利用分と併せて返済をすることがあります。

クレジットカードの通常利用分のみが銀行口座から引き落とされるときの仕訳は下記の通りです。

横にスクロールできます
借方金額貸方金額
未払金〇〇カード61,330円〇〇銀行61,330円

しかし、引落額のなかにキャッシング利用分の元本と利息が含まれている場合は違う仕訳になります。

また、キャッシングが事業目的の借入だったか、プライベート目的の借入だったかで仕訳が変わってきます。

キャッシングが事業目的だった場合は仕訳は下記のようになります。

横にスクロールできます
借方金額貸方金額
未払金〇〇カード61,330円〇〇銀行161,830円
借入金100,000円
支払利息500円

キャッシングがプライベート目的だった場合は事業に関係ない支出ですので、下記のように仕訳をします。

横にスクロールできます
借方金額貸方金額
未払金〇〇カード61,330円〇〇銀行161,830円
事業主貸または役員貸付金100,500円

このように仕訳をすることで、カードの残高が過剰にマイナスになることを防げます。

まとめ

今回はマネーフォワードでクレジットカードの残高がマイナスになっているときの原因と解消方法をご説明させていただきました。

この記事で解説した内容を最後にまとめたいと思います。

  1. カードの残高がマイナスになる原因は利用明細が抜けている/子カードを連携していない/期首残高が合っていない/キャッシング後の仕訳が間違っているという可能性がある
  2. 利用明細が抜けている場合は必要な明細を追加でインポートする
  3. 子カードがあれば連携する
  4. 開始残高を正しく入力する/修正仕訳を追加することで期首残高の修正が可能
  5. キャッシングの返済金額が通常カードの利用額と一緒に引き落としがかかる場合は複数行の仕訳を入れる

本記事が皆様のお悩み事を解決するお手伝いになっていればいいなと思います。

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。