freeeでクレジットカードの残高がマイナスになっている時の原因と解消方法を解説
freee
クラウド・オンライン会計


こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。
会計が終わって貸借対照表や損益計算書を眺めている時に「あれ?クレジットカードの残高がマイナスになっている」と気付いたことはありませんか?
今回は、
- クレジットカードの残高がマイナスになる原因
- クレジットカードの残高がマイナスになっている時の解消方法
を解説したいと思います。
マネーフォワードクラウドをご利用の方向けに解説した記事もありますので、マネーフォワードをご利用の方は下記の記事を参考になさってください。
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目次
クレジットカードの残高がマイナスになる主な原因
クレジットカードの残高がマイナスになってしまう主な原因は次の通りです。
クレカの残高がマイナスになる原因
- 連携エラーなどにより、利用明細が一部抜けている
- 子カードを連携していない
- 期首残高が合っていない
- カード利用分の引落額にキャッシングした分の元本・利息が含まれており、全額をカード利用分の引き落としとしているためマイナスになっている
残高がマイナスになる仕組み
まずクレジットカードの残高がマイナスの時に会計ではどのような状況になっているかというと、
カードの利用額よりも引落額の方が大きいためマイナスになっているということが考えられます。
カードを利用すると、借方(左)に経費の勘定科目が、貸方(右)にまだ引き落としがかかっていないカード利用額の残高の増加が記録されていきます。
貸借対照表でいう負債が増加していきます。

カードを利用すると貸方・右側の数字が大きくなっていきます
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 会計上のクレジットカードの残高 |
---|---|---|---|---|
消耗品費 | 100 | 〇〇カード | 100 | 100 |
接待交際費 | 20,000 | 〇〇カード | 20,000 | 20,100 |
通信費 | 1,000 | 〇〇カード | 1,000 | 21,100 |
旅費交通費 | 500 | 〇〇カード | 500 | 21,600 |
そして、クレジットカード会社指定の引落日に銀行口座から利用額が引き落とされると、下記のような仕訳になります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 会計上のクレジットカードの残高 |
---|---|---|---|---|
〇〇カード | 21,600 | 〇〇銀行 | 21,600 | 0 |

カードを利用する度に増加していた負債が減少する仕訳です。
実際はカードの締日が到来してから実際に引き落としがかかるまでにカードを利用することが多いと思いますので残高がゼロになることはありません。
しかし、カード利用時の仕訳が漏れていた場合は貸方(右)の金額に対して引き落としがかかる金額の方が大きくなることで残高がマイナスになってしまいます。
【原因1】連携エラーなどにより、利用明細が一部抜けている

ひとつめは実務でよくある原因のひとつです。
freeeに連携しているクレジットカードは一定期間経過するとセキュリティ対策で連携が途切れます。
そして長期間連携が切れた後に再連携した場合、途中の明細を引き込めないことがあります。
カードを再連携した場合どこまで遡って明細を取得できるかはクレジットカード会社によって異なります。
半年分、1年分の会計をまとめて入力する時に起きやすい事象です。
途中の明細が連携されていない場合の対処方法
貸借対照表でクレジットカードの総勘定元帳を開き、残高がマイナスになったポイントを特定してその前の仕訳を確認すると、明細がまったく連携されていない期間を見つけることができます。
連携がされていない期間が特定できたら、カード会社のマイページにログインしてその期間の利用明細のcsvデータをダウンロードします。
その後freeeに手動で明細をインポートすればOKです。

freeeに手動で明細をインポートする方法は別の記事でご紹介したいと思います(現在準備中)
【原因2】子カードを連携していない
子カードをfreeeに連携していない時も、利用額より引き落とし額の方が大きくなるため残高がマイナスになりやすいです。
複数枚カードを作って従業員に持たせていたり、利用内容に応じて親子カードを使い分けている方もいらっしゃると思います。
そういった場合はメインの親カードだけでなく、子カードも連携するようにしましょう。
【原因3】期首残高が合ってないない
これは、期中の仕訳は合っているけど、期の始めの残高(期首残高・開始残高)が合っていないために起こるケースです。
もともと期首に未払いのカード利用額があるにも関わらず期首残高をゼロのまま会計を始めてしまうと、
実際のカードの未払い残高と会計上の残高が一致せず、マイナスになってしまいます。
期首残高が合っていない場合の対処方法(開業1年目の個人)
まずは開業1年目の個人事業主向けの対処方法をご紹介します。
開業1年目は「開始残高」を設定する画面がありますので、そこから期首の適切なカード残高を設定しましょう。
開始残高の設定方法(個人)
- 「その他設定」→「開始残高」を開く
- 「開始残高を設定」を開く
- 開業時の現金・預金・クレジットカード残高などを入力する
事業を開始してから作ったクレジットカードを連携している方は開始残高の設定は不要です。
プライベートで以前から使っていたクレジットカードをfreeeに連携する場合は必ず開始残高の設定をしましょう。
期首残高が合っていない場合の対処方法(設立1年目の法人)
続いて設立1年目の法人の場合の対処方法をご紹介します。
開始残高の設定方法(法人)
- 「その他設定」→「開始残高」を開く
- 「簡易形式で入力をする」と「簿記形式で入力をする」のどちらかを選択
- 「簡易形式で入力をする」の場合は質問に順番に答えていけばOK
- 「簿記形式で入力をする」の場合は貸借対照表の負債の項目にクレジットカードの開始残高を入力する(クレジットカードの残高設定の場合)
個人事業主の場合と同様に、設立時にクレジットカードを作っていなかった場合は開始残高はゼロとなりますが、
設立前にカードを作っていて創立費や開業費の支払いに使っていた場合は登録が必要です。
期首残高が合っていない場合の対処方法(2年目以降の個人・法人)
2期目以降の個人・法人の場合は、前期末の残高を修正することはできません。
そのため、もしも期首残高が間違っていた場合は修正仕訳を入れて残高を合わせることになります。
その場合、なぜ前期末の残高が間違っていたのか原因を明らかにしてから入力を進めていく必要があります。
前期末の残高が間違っている時に考えられることとしては、
- 前期のクレジットカードの利用明細が一部漏れていたことにより、経費の入力も漏れている
- クレジットカードの利用額の引き落とし口座がプライベート口座だったことから会計で認識できていなかった(この場合は残高はマイナスにならず、過大になります)
などが考えられる理由となります。
原因が特定できたら、期首の日付で振替伝票を使って仕訳を入力します。
1の場合は税務的な判断が関係しますので、前期の計上漏れの経費の処理方法は割愛させていただきます。
2の場合はプライベート口座からカードの利用額を支払ったことになりますので、下記の仕訳を入れます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
〇〇カード | 10,000円 | 事業主借または役員借入金 | 10,000円 |
【原因4】カードのキャッシング機能を利用したことがある
クレジットカードのキャッシングをして、キャッシングの返済金額が通常のカード利用額と一緒に引き落としがかかる場合は注意が必要です。
カードの利用額の引き落としと別で振り込みなどを行って返済する場合は問題ありませんが、
キャッシングをした翌月にカード利用分と併せて返済をすることがあります。
クレジットカードの通常利用分のみが銀行口座から引き落とされるときの仕訳は下記の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
〇〇カード | 61,330円 | 〇〇銀行 | 61,330円 |
しかし、引落額のなかにキャッシング利用分の元本と利息が含まれている場合は違う仕訳になります。
また、キャッシングが事業目的の借入だったか、プライベート目的の借入だったかで仕訳が変わってきます。
キャッシングが事業目的だった場合は仕訳は下記のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
〇〇カード | 61,330円 | 〇〇銀行 | 161,830円 |
借入金 | 100,000円 | ||
支払利息 | 500円 |
キャッシングがプライベート目的だった場合は事業に関係ない支出ですので、下記のように仕訳をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
〇〇カード | 61,330円 | 〇〇銀行 | 161,830円 |
事業主貸または役員貸付金 | 100,500円 |
このように仕訳をすることで、カードの残高が過剰にマイナスになることを防げます。
しかし、freee会計でカードの引き落としの仕訳をする際は「取引登録」ではなく「口座振替・カード引き落とし」の機能を使いますので、具体的には下記のように操作を行います。
カードの利用額にキャッシングが混ざっている場合の操作
- 「会計帳簿→明細の一覧」もしくは「取引入力→自動で経理」を開く
- 該当の明細を探して「詳細」を押す
- 「口座振替・カード引き落とし」を押す
- 振替先口座を選択(キャッシングをしたカードを選択します)
- 「手数料・受取利息等→手数料を追加」を押して、仕訳を追加
- 金額を入力
- 仕訳プレビューを開いて、イメージ通りの仕訳になっているか確認

※仕訳プレビューはこのようになります

まとめ
今回はfreee会計でクレジットカードの残高がマイナスになっているときの原因と解消方法をご説明させていただきました。
この記事で解説した内容を最後にまとめたいと思います。
- カードの残高がマイナスになる原因は利用明細が抜けている/子カードを連携していない/期首残高が合っていない/キャッシング後の仕訳が間違っているという可能性がある
- 利用明細が抜けている場合は必要な明細を追加でインポートする
- 子カードがあれば連携する
- 開始残高を正しく入力する/修正仕訳を追加することで期首残高の修正が可能
- キャッシングの返済金額が通常カードの利用額と一緒に引き落としがかかる場合は複数行の仕訳を入れる
本記事が皆様のお悩み事を解決するお手伝いになっていればいいなと思います。
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佐藤 修一
税理士法人Accompany 代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。