別会社・別法人の設立による税金対策、節税効果やメリット、デメリットを税理士が徹底解説【事例あり】

税務・節税

佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

これまで300社の中小企業を税理士として会計、税務をサポートする中で

「新たに別法人・別会社を設立すると節税できますか? 何かメリットありますか?」

との質問を数多くいただきました。

そこで、本ブログでは、中小企業が別法人・別会社を設立するメリットとデメリットや注意点などを解説しています。

別法人を作るとどんな節税のメリットがある?

別法人を作る代表的なメリットは次のようなものがあります。

①2つの法人に毎年継続して800万円以上の利益の分散ができる
年間約100万の法人税節税メリット
②年間800万円を超える飲食交際費を2つの法人に分散させる
‥ 法人税節税額=交際費分散額✕法人税率(22%~34%)
③別法人で非常勤役員として役員報酬を受け取り
‥ 一人当たり約28万の社会保険料の削減

①は、法人税率は、
800万未満の利益に対しては税率が22%、
800万を超える利益に対しては税率が34%、

となるため、2つの法人に利益を分散することにより法人税を削減することができます。

利益が2000万の法人の利益分散を行った時の節税額はいくらになる?

別法人を設立し、利益を分散することで、法人税が584万から488万へとなり、約100万円のコスト削減することができます。

1年で100万、5年で500万、10年で1000万のメリットです。

多くの場合で別法人を作る目的は、この①になると感じています。

①のメリットは、毎年継続して2つの法人ともに800万以上の利益がでないと効果でません。

しかし、毎年継続して2つの法人ともに利益が800万以上出せるケースは多くないように感じています。

よって、これまで見てきた中で、別法人を設立し、メリットをしっかり得ているケースはそれほど多くないように感じています。

また、別法人を設立すると各種コストや手間が増えてしまいます。

別法人を作るメリットを説明する前に別法人を設立するとどんなコストや手間が増えるのかを理解する必要があります。

別法人を作るとどんなコストや手間が増えるのか

別法人を設立する際、登記費用や印鑑代などの初期費用がかかります。

ここで大切なのは、毎年かかる別法人が増えることで増加するランニングコストです。

必ずと言っていいほど、増加する主なランニングコストは、

  • 税理士報酬 20万~
  • 都道府県、市区町村の均等割 約7万円

です。

その他社労士報酬などがかかってくることがあります。

仮に毎年2つの法人に800万づつ利益を分散させ、法人税を削減できたとしても、コストを考えると実質メリットは70万円ほどになります。

この70万円のメリットをどこまで魅力に感じるかは人それぞれですが、

以下のような手間が増加します。

  • 会計ソフトの入力、会社間の請求、入出金など経理の手間
  • 労務手続き、給与計算の手間

そして、忘れがちなのが、別法人を作ると、1つの法人の試算表(損益計算書、貸借対照表)からだけでは、全体の経営状態を把握することができなくなります。

これまで複数の法人を経営している経営者からのご相談で「全体でいくらの利益がでているか分からない」ケースは少なくありませんでした。

そんな時は、別法人を合算して経営状態を把握するために「連結会計」を行う必要があるのです。

「連結会計」とは、グループ全体の利益を計算するために、損益計算書や貸借対照表を合算して経営状態を把握するための会計です。

これが意外と難しいし、手間がかかってしまうのです。

以上が別法人を設立することによって増加するコストや手間になります。

【相談無料】まずはお気軽に問い合わせください

節税目的で別法人を設立する際は、必ずどれほどのメリットがあるのか、そしてコストや手間が増えるのかは、会社によって全く異なります。

これまで別法人を作った結果、メリットがなかったため、休眠、解散したお客様を少なからず見てきたからです。

弊社では、「別法人を設立するとメリットがあるかどうか」についてご相談を、初回無料で承っております。

福岡市に拠点を置いておりますが、オンライン(Zoomや電話)対応も可能なため全国どちらの地域の方でもお気軽にご利用いただけます

設立コストを無駄にしたいためにも、ぜひお問い合わせください。

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。