在庫は将来の儲けを増やす「投資」でもありますし、資金的には、「寝ている資金」とも言えます。
中古車販売業では、他の業種に比べ、在庫の金額が大きくなります。
在庫の金額が小さいと、将来の利益が小さくなってしまいますし、大きくなりすぎると、寝ている資金が増えるために、資金繰りが苦しくなります。
中古車販売業では、どれくらいまでなら、在庫にお金を使っていいのか、一定の方針を持つことが大切ではないかと思います。
また、常に一定額の資金を手元に持っておく必要があるとも考えています。
手元資金がないと販売による利幅が大きくなる買取が出来ないですし、オークションでの仕入が出来ません。
在庫と手元資金に関して一定の方針をもつことで、資金繰りの悪化を防止し、粗利益を確保します。
大手のガリバーなどは、個人から買い上げ、それほど大きくない利益でも資金力があるため、個人販売とオークションを使い分け、非常に高い回転率で、利益を上げています。
例えば、最低手元資金額=(固定費+借入返済額)×4か月等と設定するのもいいかもしれません。
「在庫管理」を行うことで、資金繰り、粗利益が改善するきっかけになるかもしれません。
在庫管理とは、①総額で在庫を使う金額の枠を設定、②各在庫販売による予想粗利益、保有期間ごとの販売額等を方針として決めることです。
あくまで方針なので、がちがちに縛られる必要はありません。
①総額でいくらまで在庫に資金を使うかを手元資金との関係で設定します。
②各在庫からの予想粗利益については
予想販売額=仕入額+販売諸経費+予想粗利益をあらかじめ設定する必要があります。
一台あたりの在庫金額大きくなるため、保有期間が長くなると、資金繰りが苦しくなります。
借入がある場合、在庫にも金利負担の意識が必要となります。
一定期間を過ぎたら、値引きやオークションで販売し、次の在庫へと新たな投資を切り替え、新たな利益の獲得へ切り替えるというルール作りが必要となります。
例えば、仕入金額でランク分けします。
仕入金額が20万円未満⇒保有期間××ヶ月
仕入金額20万円以上50万円未満⇒保有期間××ヶ月
といった感じです。
中古車販売業の会計にポイントについてはこちら

佐藤修一公認会計士事務所代表、合同会社CMA代表
キャッシュフロー経営コンサルタント 公認会計士 税理士
新日本有限監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)の東京事務所で上場企業の会計監査、総務省委託研究経理検査、内部統制構築支援、財務のデューデリジェンスに従事
その後、地元の福岡の中堅の税理士法人にて、中小企業の経営を会計、税務面からサポート
試算表ではキャッシュフローが見えない、経営できないと感じ、キャッシュフローを重視した経営の必要性を痛感し、佐藤修一公認会計士事務所を2013年8月に開業
開業後は、創業期の会社から上場準備会社まで中小企業の成長のための投資に備え、倒産しない、筋肉質の会社を作るためのキャッシュフロー経営の普及、freeeやマネーフォワードなどクラウド会計を使った経理の効率化・スピードアップを図り、経営ビジョンの明確化、実現のためのサポートを行っている
北部九州公認会計士協会所属 登録番号 028716
九州北部税理士会 福岡支部所属 登録番号 125272
経済産業省認定 経営革新等支援機関