損益分岐点とは、経費と一致する売上高のことです。

経費=売上となり、損益トントンになる売上高のことです。

売上高が損益分岐点を下回る場合、赤字になります。

売上高が損益分岐点を上回る場合、黒字になります。

損益分岐点の計算方法は、以下で説明しています。

ここでは、経営に使いやすくするために、教科書的な説明はしていません。

よって、他の書籍やインターネットの情報と異なりますので、ご注意下さい。

損益分岐点の計算方法は以下のようになります。

損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)となります。

損益分岐点を計算するには、まず、経費を固定費と変動費分ける必要があります。

教科書的には、固定費と変動費に分ける方法が複数あり、計算するのが大変です。

しかし、そのような方法をとったところで、経験上あまり意味がないので、簡単かつ、経営に使える方法をとります。

実際に変動費と固定費に分けていきます。

過去一年分、半年分など、過去の発生した経費をもとに今後の経費の発生見込みで計算してください。

分からない方は、過去一年分の経費で計算してみて下さい。

変動費は、売上の増減に比例して増減する経費です。
売上が5%増えれば、5%増加する経費です。
売上が5%増えた場合、1%増加する経費は含みません。
例えば、飲食店では、材料費 サービス業では、外注費となります。

固定費は、変動費以外の経費です。
例えば、家賃、人件費、水道光熱費、利息、保険料、消耗品、交通費、接待交際費、福利厚生費、法定福利費、減価償却費、雑費等です。

バイト代も固定費に含めます。

なぜなら、変動費は、売上の増加に比例して増加する経費です。

売上が20%増加したとします。

仮に増加の原因が、たまたま単価の高い商品が販売できたからであるとします。

この場合、バイト代は、20%増加するでしょうか?

通常バイト代は、増加しません。

売上の増加=忙しさ=バイト代の発生とはならないからです。

販売数量が20%増加し、売上が20%増加したとします。

この場合もバイト代が20%増加するでしょうか?

バイト代は増加しません。

このように、変動費と固定費を分けていきます。

次に、変動費率を計算していきます。

変動費率は以下の計算方法で求めることができます。

変動費率=変動費÷売上高

過去一年分、半年分、一か月分等の売上高と変動費を集計し、変動費率を計算してください。

以上のようにして計算した「固定費」と「変動費率」を損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)に当てはめ損益分岐点を計算します。

売上=経費になる売上高を求めることができます。

しかし、売上=経費となる売上高は、中小企業にとって、税金がかかるかどうかのラインに過ぎず、

損益分岐点を超えた売上高になっても、資金繰りが改善し、資金が手元に残るかどうかは分かりません。

そして、損益分岐点を計算し、売上目標などを設定してしまうと、下記のようなデメリットが生じます。

①「損益分岐点を超えても赤字になる」

②「売上重視(拡大志向)の経営スタイルになってしまう」

③「経営環境の変化に弱くなる」

④「営業利益が少なくなる」

損益分岐点を使うと4つのデメリットが生じる理由

 

日航を再建された稲盛さんも言っていますが、中小企業は、利益よりも資金が大切です。

資金繰りのための損益分岐点の計算方法はこちら