減価償却費は、中小企業の決算書の利益と資金の差が生じる大きな理由の一つです。
決算書を見る際、利益の金額は、「税金の金額」と「金融機関からの評価」にとって大切です。
しかし、利益には、実態がありません。勘定合って銭足らずというように、
「実体のない利益」がいくらあっても、「実体のある資金」がなければ、経営には使えません。
ですから「決算書の利益」を「実態のある資金ベースの利益」へ調整する必要があります。
決算書の利益⇒資金ベースの利益
この調整には2つステップがあります。
①減価償却費を利益にプラスする
②借入金の返済額を利益からマイナスする
⇒決算書の利益+減価償却費-借入金の返済額
①のまずは、減価償却費の説明から
減価償却費が経費として計上されるときには資金はでていきません。
固定資産を購入した時に資金はでていくからです。
減価償却費の説明はこちら
よって、減価償却費は、資金ベースの利益を計算するうえでは、経費として扱うべきではありません。
このような理由から、決算書上、経費として利益からマイナスされている減価償却費を決算書の利益にプラスします。
次に②の借入金の返済額について、
借入金の返済により、資金はでていきますが、決算書上、経費になっていません。
ですから、借入金の返済額を決算書上の利益からマイナスします。
難しい言い方をすると、借入金の返済は、将来の利益から行います。
そして、決算書の利益+減価償却費-借入金の返済額がプラスであれば、資金ベースの利益がでている。
マイナスであれば、資金ベースの利益がでていないということになります。

佐藤修一公認会計士事務所代表、合同会社CMA代表
キャッシュフロー経営コンサルタント 公認会計士 税理士
新日本有限監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)の東京事務所で上場企業の会計監査、総務省委託研究経理検査、内部統制構築支援、財務のデューデリジェンスに従事
その後、地元の福岡の中堅の税理士法人にて、中小企業の経営を会計、税務面からサポート
試算表ではキャッシュフローが見えない、経営できないと感じ、キャッシュフローを重視した経営の必要性を痛感し、佐藤修一公認会計士事務所を2013年8月に開業
開業後は、創業期の会社から上場準備会社まで中小企業の成長のための投資に備え、倒産しない、筋肉質の会社を作るためのキャッシュフロー経営の普及、freeeやマネーフォワードなどクラウド会計を使った経理の効率化・スピードアップを図り、経営ビジョンの明確化、実現のためのサポートを行っている
北部九州公認会計士協会所属 登録番号 028716
九州北部税理士会 福岡支部所属 登録番号 125272
経済産業省認定 経営革新等支援機関