減価償却費は、中小企業の決算書の利益と資金の差が生じる大きな理由の一つです。
決算書を見る際、利益の金額は、「税金の金額」と「金融機関からの評価」にとって大切です。
しかし、利益には、実態がありません。勘定合って銭足らずというように、
「実体のない利益」がいくらあっても、「実体のある資金」がなければ、経営には使えません。
ですから「決算書の利益」を「実態のある資金ベースの利益」へ調整する必要があります。
決算書の利益⇒資金ベースの利益
この調整には2つステップがあります。
①減価償却費を利益にプラスする
②借入金の返済額を利益からマイナスする
⇒決算書の利益+減価償却費-借入金の返済額
①のまずは、減価償却費の説明から
減価償却費が経費として計上されるときには資金はでていきません。
固定資産を購入した時に資金はでていくからです。
減価償却費の説明はこちら
よって、減価償却費は、資金ベースの利益を計算するうえでは、経費として扱うべきではありません。
このような理由から、決算書上、経費として利益からマイナスされている減価償却費を決算書の利益にプラスします。
次に②の借入金の返済額について、
借入金の返済により、資金はでていきますが、決算書上、経費になっていません。
ですから、借入金の返済額を決算書上の利益からマイナスします。
難しい言い方をすると、借入金の返済は、将来の利益から行います。
そして、決算書の利益+減価償却費-借入金の返済額がプラスであれば、資金ベースの利益がでている。
マイナスであれば、資金ベースの利益がでていないということになります。
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716)
公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。
(株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。
全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。
総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。