2018年のマネーフォワード給与で年末調整を行う場合の全体的な手順、入力方法等について解説しています。
2017年よりマネーフォワード給与で年末調整を行っていますが、書類の回収の手間、入力の手間、源泉徴収票などの作成、配布の手間など非常に楽に行えるようになったという印象です。
ただ、源泉所得税の納付書の作成方法、年内に還付処理を行う場合などいくつか注意が必要なため、説明しています。
早速ですが、まず、マネーフォワード給与で年末調整を行うには、年末調整の設定を行う必要があります。
年末調整の設定方法について
メニューバー年末調整より、画面より年末調整の設定を行います。
ここでは、年末調整に必要な書類の回収方法、入力方法について以下を設定します。
- 扶養控除等申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書、前職の源泉徴収票の入力を従業員が行うか、会社側で行うか
- 従業員への還付対象月の設定(年末支給の賞与で還付を行う場合には、下記7の手順で還付金額の給与明細への反映を行います)
- 源泉徴収票の公開日
年内の最終支給分の給与計算・賞与計算を確定
年末調整の初期設定の次は、入力後、給与計算又は賞与計算より、年内最終給与又は賞与をMFクラウド給与内で確定させます。
なお、最終支給分の給与計算に還付額を反映させる場合には、ここで確定させた給与計算を年末調整終了後、取り消しを行います。
年内最終支給分の給与・賞与を年末調整結果に反映
マネーフォワード給与のメニューバー「年末調整」より「対象データの再集計」を行い、上記で計算した最後の給与支給金額を年末調整結果に反映させます。
扶養控除等申告書、保険料控除申告書等を年末調整計算に反映
会社側で扶養控除等申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書、前職の源泉徴収票をマネーフォワードに入力する場合は、このタイミングで、「本年申告書の提出状況より」各従業員分それぞれ、各種項目へ入力します。
そして、上記画面より「本年申告書一括反映」を行い、扶養控除等申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書、前職の源泉徴収票を年末調整結果に反映させます。
年末調整の計算結果を確認する
各従業員について上記の画面より計算結果の「未確認」になっている箇所をクリックし、年末調整結果を確認します。
計算結果に問題なければ、「確認済み」にチェックをいれていきます。
年末の賞与支給に還付額を加算する場合の賞与明細への反映方法
賞与支給時に還付を加算する場合には、以下のように手続きが少し複雑になります。
まず、下記のページよりCSVデータをダウンロードします。
次に、一旦確定させた賞与計算の取り消しを行い、ダウンロードしたCSVデータを還付する対象月の給与計算画面でインポートします。
すると、賞与明細に、各従業員ごとの年末調整の還付額が反映されるため、賞与計算を確定させます。
そして、この状態では、賞与計算を取り消したままの状態となっているため、最終賞与額が年末調整計算結果に反映されていません。
よって、再度、マネーフォワード給与のメニューバー「年末調整」より「対象データの再集計」を行い、2で計算した最後の給与支給金額を年末調整結果に反映させます。
マネーフォワード給与の年末調整の確定
最後に「年末調整確定」を行い、年末調整を終了させます。
マネーフォワード給与の源泉所得税の納付書の作成方法
ここでは、手書きの源泉所得税の納付書を作成する場合を想定して説明しています。
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- (1)まず、マネーフォワード給与の帳票一覧より「所得税徴収高計算書」を表示させます。「俸給・給与等」「賞与(役員賞与)」の行には、マネーフォワード給与より自動集計結果が反映されているため、そのまま源泉所得税の納付書へ転記する。次に、マネーフォワード給与の「所得税徴収高計算書」には、年末調整結果が反映されていないので、年末調整結果を納付書に反映させる必要があります。
- (2)よって、別画面で年末調整により還付する対象給与又は賞与の「支給控除一覧表」を表示させます。そして、「支給控除一覧表」の年調過不足税額(控除)の合計額を「年末調整による不足税額」又は「年末調整による超過税額」を転記します。(1)と(2)で記載した差額を手計算し、「本税」、「合計額」に転記し、本税がマイナスになる場合には、摘要欄にマイナス額を「翌年繰越額××円」として記載すれば、源泉所得税の納付書の作成は終了です。
マネーフォワード給与で年末調整を行う場合のまとめ
マネーフォワード給与を使って年末調整の流れと注意点は以上のようになりますが、主な注意点は、以下の3点だと思います。
- 「本年申告書一括反映」より扶養情報などを反映
- 最終の賞与で還付金額を加算する場合には、一旦賞与計算を取消し、還付データをインポート
- 源泉所得税の納付書は、年末調整結果を自動反映しない
年末調整は年に1回しか、行わないため、会社側で行う場合、なかなか慣れない点多いかと思いますが、参考にしてただければ幸いです。
佐藤 修一
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。