助成金、補助金の税金と会計処理

税務・節税

経理処理

2014/06/27

2014/06/27

最近、「創業補助金」、「ものづくり補助金」、「小規模持続化補助金」等の中小企業が使いやすい補助金、助成金が増えております。

これらの補助金、助成金は、通常の返済義務がないので、受給できれば、自己資金で経費を支出する場合に比べ、有利になります。

しかし、補助金、助成金を受けることができた場合、補助金、助成金の金額に対して税金ががかってしまいます。

補助金、助成金は、「雑収入」等の科目を使い、売上と同様、収入として処理する必要があるからです。

補助金、助成金を受給し、受給した金額と同額または、受給した金額以下の少額の経費を使った場合、その後、収入=経費となり、税金はかかりません。

しかし、補助金、助成金を使い、1つあたり、30万円以上の高額な設備、機械、看板等を購入した場合は、購入した期に減価償却費として経費にする必要があり、全額は経費にすることができません。

そうすると、受給金>経費となることがあります。

例えば、小規模持続化補助金の受給が決まったとします。

小規模持続化補助金は、広告費関係の経費の3分の2を助成金として支給する制度です。

建物に付属する看板を助成金を使い、設置したとします。

看板の設置費用が24万円と60万円の場合、収入と経費の関係は、以下のようになります。

  看板が24万円の場合 看板が60万円の場合
収入=助成金
看板代×2/3
 
16万円
(=24万円×2/3) 
40万円
(=60万円×2/3)
経費  24万円  ※12万円
所得 
=収入-経費
△8万円  28万円

※減価償却費として処理する必要があります。
看板が24万円の場合は、所得がマイナスとなり、税金がかかりません。

看板が60万円の場合は、所得が28万円となり、税金がかかってしまいます。
補助金、助成金に税金がかかってしまうことなり、せっかくの補助金、助成金の効果が減少してしまいます。

このような税金がかかる場合、補助金、助成金の効果を減少させないための処理の方法があります。

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佐藤 修一

佐藤修一公認会計士事務所代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。