経営者の個人保証は必要ない?経営者保証に関するガイドライン
融資・資金調達
2018/09/29
2014/08/13
平成26年2月1日に「経営者保証に関するガイドライン」がスタートしました。
内容は、
①融資の際の個人保証をなくしていくこと
②保証の金額を小さくし、仮に事業を失敗しても、経営者が生活出来るよう資産残せる保証内容にすること
というものです。
新規の借り入れだけではなく、既存の借り入れに関しても適用されます。
現在、経営者の個人保証により、事業失敗のリスク=個人資産を全て失うというリスクを経営者個人が負ってしまっています。
経営者の個人保証には、以下のような問題点があります。
特に事業が拡大し、借入が大きくなれば、個人の資産では、カバーしきれないほどの保証の金額となってしまったり、
事業に失敗した際、個人保証があるため、事業を辞めるに辞めれなくなり、
これが更に赤字を増やし、借入を増やしてしまう悪循環になってしまっています。
株式会社の出資した範囲内でしか責任を負わないという制度の目的が経営者に個人保証を求めることにより、
株式会社制度が実質的に形骸化してしまっている。
経営者の個人負担が融資の条件となっているため、起業の足かせとなってしまっている。
事業承継等の時、後継者が個人保証を嫌い、スムーズな事業承継を妨げている。
など、多くの問題点があります。
このような問題解消のために国が経営者の個人保証に関してガイドラインを出しました。
「信用力がある場合等」には、個人保証を外していきましょう。というガイドラインの内容になっています。
個人保証は、信用力強化のために行われます。
信用力がなければ、当然に金融機関は、個人保証を外すことはできません。
「信用力がある場合等」とは、ガイドライン上、具体的には以下のような場合となっています。
①法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている
⇒役員への貸付金、立替金、仮払金等がないこと、又は減少していること、他の役員等のけん制が代表者に働いていること等
②法人と経営者の間のやりとり(役員報酬・賞与)が、社会通念上適切な範囲を超えない
⇒会社に資金が留保されていること等
③法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断しえる
⇒返済可能な資金繰りの見込みがあること
④法人から適時適切に財務情報等が提供されている
⇒毎月、四半期、半期、一年毎に決算書、試算表、資金繰り表の適時に提出があること
これが重要だと考えております。
情報を十分に提供すること、その姿勢がまずは、信用力を強めるための一番の方法だと考えております。
⑤経営者等から十分な物的担保がある。
法律ではなく、ガイドラインですので、金融機関、会社、経営者に対して、強制力はありません。
しかし、ガイドライン上、これらは、「自発的に尊重され、順守されること」となっています。
上記の①~⑤に該当するよう、経営状況を今後改善していくために商工会議所、中小機構地域本部、認定支援機関等の相談窓口が設置されています。
くわしくはこちらです。
弊所も認定支援機関となっておりますので、相談お受けしております。
まずは、経営者保証でお困りの方、「経営者保証に関するガイドライン」をご自身でお読みください。
「経営者保証に関するガイドライン」はこちら
佐藤 修一
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。