阿部首相は、6月1日、平成29年4月に予定されていた消費税の8%から10%への増税が以下の表のように平成31年10月まで延期することを正式に発表したようです。

 

消費税率8%から10%への増税時期
 延期前 平成29年4月(2017年4月)より
 延期後  平成31年10月(2019年10月)より

 

その理由については、マクロ的な要素が様々あるようですが、

ミクロ的な中小企業の経営者目線からするとほっとしています。

 

平成26年4月に消費税が5%から8%に増税し、2年が経過しました。

弊所は、税理士事務所ですので、中小企業の消費税の申告書を作り、お客様に消費税を納める金額をお伝えすることが多々あります。

 

消費税が8%へ増税し、2年が経過して感じるのは、中小企業の経営者にとって消費税の負担感が非常に大きくなっているということです。

 

消費税は売上に含まれて入金される消費税部分を一旦預かり、預かった消費税部分から、

経費に含まれている消費税を支払う税金です。

一部例外はありますが、預かっている消費税を納めているだけですので、増税後の中小企業の実質的な負担は変わらないはずなのですが、なぜ負担感が大きくなるのでしょうか。

 

負担感が大きくなってしまっている理由は、消費税の計算方法の複雑さと消費税の納める回数にあるのではないかと思います。

消費税を納める回数は、前年の消費税の金額に応じて以下のように回数が決まっています。

前年の消費税額 48万円以下 48万円超400万円以下 400万円超4800万円以下 4800万円超
年間の 消費税を納める回数 1回 2回 4回 12回

 

消費税の金額が4800万円を超えない場合を除いて、消費税を納める回数は1回~4回までとなります。

 

消費税に対する対策は、「きちんと毎月発生している消費税の金額を把握して、その金額分だけ資金を貯金又は、ストックしておくこと」だと考えております。

現実的には、これを全ての中小企業が行うのは難しいと思います。

なぜなら、まず、消費税の計算方法は複雑があります。

中小企業の経営者にとって、今消費税がいくら発生しているのかを計算するのは、簡単ではありません。

ですから、発生している消費税の金額を納める期間まで貯金しておきたくても、消費税の計算方法の複雑性から貯金すべき金額を把握できません。

現在、国際間の取引のハードルが下がり、消費税の計算はさらに複雑になってきています。

 

また、ただでさえ、資金繰りに余裕のない中小企業です。

余裕をもって消費税のために大目に貯金しておこうとはなかなかならないと思います。

 

さらに中小企業の経営は不安定です。

不安定な経営の中、消費税が多額になる場合、その多額な資金を消費税を年数回の納める時期までストックし続けることは簡単ではないと思います。

私見ではありますが、このようなことから8%に上がり、消費税の負担感がさらに増していると感じております。

10%に上がり、間接的・直接的な消費税をきっかけとした倒産が増えないことが心配です。

ここまで長くなりましたが、

消費税に関し、マクロ的な税の公平性や担税力、効率性などの議論があるかとも思いますが、

財源確保が可能な範囲で、

消費税の計算構造を誰でも計算できるようによりシンプルにしていただき、

導入当初は資金繰りが大変かと思いますが、

社会保険料と同じように毎月の納付へと移っていくといいのではないかと思います。