消費税8%から10%への増税時期は、予定通り平成30年10月1日から行うと、平成30年10月15日に安部総理は表明しました。

ここでは、消費税10%への増税の影響が中小企業にどのようなメリット・デメリットや変化が想定されるか検討してみます。

まず、消費税10%に増税することのメリットについてです。

消費税10%増税が中小企業に与えるメリット

まず、消費税8%から10%への増税により中小企業へのメリットとしては、消費税10%の増税前の駆け込み需要があることです。

駆け込み需要が想定される業種は、建設業、リース業、中古車販売業や比較的高額商品を取り扱う小売業や卸売業などがあげられます。

契約金額、単価が比較的高額で、2%の消費税の負担感が消費者心理に影響する場合、消費税増税前に駆け込み需要があることが予想されます。

また、飲食店やサービス業などでこれまで消費税を8%増税時などに価格に転嫁していなかった場合、消費税10%増税を期に価格に転嫁し、実質的な値上げすることができる企業も多いかと思います。

原価率30%の場合で消費税を全くとっておらず、価格10%のアップした場合の粗利益のインパクトは、材料費の消費税増税分を加味しても、13.5%の粗利益アップにつながります。

客離れをおこさない前提ですが‥

どこまで値上げするかは別として、この機を逃せば、消費税を価格に転嫁しにくいため、この機はチャンスになる中小企業も少なくないのではないかと考えております。

 

 

消費税10%増税が中小企業に与えるデメリットについて

次に消費税が8%から10%へ増税になった場合の中小企業に与えるデメリットについて考えてみます。

まず、一番に消費税増税により、実質的に企業が負担する税額が増えるかどうか検討してみます。

消費税10%への増税が利益減少につながるのか

結論から言うと、企業が実質的に負担する税額に一切変化はありません。

増税により企業が実質的に負担する税額が増加する場合、利益が減少します。

消費税増税により、企業が実質的に負担する税額が増額し、結果、利益が減少するかどうかについて消費税率8%時と10%時と企業が負担する税理由について、数値例でご説明したいと思います。

 

単位:万円 消費税率8%時 消費税10%時 差額
①税抜売上 5,000 5,000
②売上に係る消費税
①×消費税率
400 500 +100
③税抜仕入・経費 3,000 3,000
④仕入・経費にかかる消費税
③×消費税率
240 300 +60
⑤企業が納める消費税
②-⑤
160 200 +40
⑥企業の利益
①+②-③-④-⑤
2,000 2,000

 

以上の例から企業の利益は消費税率8%の時も消費税率10%の時も変わらず、2000万円のままです。

理由は、消費税が単に預かっている税金だからです。

中小企業の経営者とお話しすると10%に消費税率がアップすると、あたかも企業の利益が減少するかのお話をされる方がいますが、実際には、消費税が増税しても企業の利益に対して全く影響しないのです。

消費税増税分が価格に転嫁できた場合には、企業の利益は変化しませんが、価格に転嫁できない場合には、当然利益は減少します。

よって、消費税増税のタイミングで出来る限り、増税分は価格に転嫁されてください。

後述しますが、もし、取引先との関係で価格に転嫁できない場合には、全国各地の各エリアに相談窓口がありますので、ご相談されてみてください。

そして、販売戦略上、敢えては価格に転嫁しない場合には、消費税増税による利益インパクトをシュミレーションしてから販売戦略を立ててみてください。

 

10%への消費税増税により利益が減少する企業について

ただし、例外があります。

 

消費税を納めていない企業の場合です。

消費税を納めていない企業の場合には、消費税率が8%から10%へアップすることによって、利益が減少し、デメリットになります。

このことを数値例でご説明します。

前提として、売上に消費税がかからない企業、例えば、医業や住宅用賃貸不動産業、放課後デイサービス・発達障害支援を行っている企業の場合を想定しています。

 

単位:万円 消費税率8%時 消費税10%時 差額
①税抜売上 5,000 5,000
②売上に係る消費税 0
③税抜仕入・経費 3,000 3,000
④仕入・経費にかかる消費税
③×消費税率
240 300 +60
⑤企業の利益
①+②-③-④
1,760 1,700 △60

 

消費税8%時は、利益が1,760万円だったのに対し、消費税10%時には、利益が1,700万円と60万円減少しています。

理由は、消費税増税が実質的なコスト高になってしまうからです。

このようなに消費税増税による利益減少は、売上に消費税がかからない場合だけでなく、売上に消費税がかかっている企業でも前々年の売上が1,000万円を超えておらず、消費税を納める義務のない企業の場合、消費税増税が利益減少につながり、デメリットになります。

輸出している企業にとっての消費税10%増税が利益に影響するのか

また、輸出している企業について検討してみます。

単位:万円 消費税率8%時 消費税10%時 差額
①税抜売上 5,000 5,000
②売上に係る消費税 0
③税抜仕入・経費 3,000 3,000
④仕入・経費にかかる消費税
③×消費税率
240 300 +60
⑤還付される消費税 240 300 +60
⑥企業の利益
①+②-③+④
2,000 2,000 0

 

輸出企業の場合には、消費税増税によっても利益は一切変化しません。

理由は、一旦、仕入や経費の支払い時消費税を含んで支払います。

この時点では、キャッシュアウトは増税により大きくなりますが、この増税分が消費税還付により戻ってくるためです。

以上のように、消費税増税に関する影響を利益の観点で検討してみました。

消費税増税によるその他デメリットやリスクとその対策

しかし、消費税増税により、消費の冷え込みや他の景気悪化要因が消費税重なり、更に消費税冷え込んでしまうことにより売上が減少してしまうリスクはあるかと思います。

このようなリスクが想定される場合、資金繰り悪化に対して、早期の資金調達などを行い備える必要があるかと思います。

また、消費税増税分を価格への転嫁を得意先、元請けに拒否され転嫁できない場合があるケースも想定されます。

価格出来ない場合、消費税増税分だけ利益がダウンしてしまうことになります。

増税分を価格へ転嫁できない場合には、全国に以下の相談窓口が設置されているようなので、ご相談されてみてはいかがでしょうか。

 

地方 連絡先
東京 公正取引委員会事務総局 取引部 取引企画課 消費税転嫁対策調査室
〒100-8987
東京都千代田区霞が関1-1-1 中央合同庁舎第6号館B棟
Tel 03(3581)3379
北海道
北海道事務所 消費税転嫁対策調査室
〒060-0042
札幌市中央区大通西12 札幌第3合同庁舎
Tel 011(271)8481
東北 東北事務所 消費税転嫁対策調査室
〒980-0014
仙台市青葉区本町3-2-23 仙台第2合同庁舎
Tel 022(217)4260
中部 中部事務所 消費税転嫁対策調査室
〒460-0001
名古屋市中区三の丸2-5-1 名古屋合同庁舎第2号館
(転嫁拒否等の行為に関する相談・違反情報の受付)
Tel 052(961)9493
(転嫁を阻害する表示に関する相談・違反情報の受付)
Tel 052(961)9423
近畿・中国・四国 近畿中国四国事務所 消費税転嫁対策調査室
〒540-0008
大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館
(転嫁拒否等の行為に関する相談・違反情報の受付)
Tel 06(6941)2206
(転嫁を阻害する表示に関する相談・違反情報の受付)
Tel 06(6941)2175近畿中国四国事務所中国支所 消費税転嫁対策調査室
〒730-0012
広島市中区上八丁堀6-30 広島合同庁舎第4号館
(転嫁拒否等の行為に関する相談・違反情報の受付)
Tel 082(228)1520
(転嫁を阻害する表示に関する相談・違反情報の受付)
Tel 082(228)1501 (代表)
近畿中国四国事務所四国支所 消費税転嫁対策調査室
〒760-0019
高松市サンポート3-33 高松サンポート合同庁舎南館
(転嫁拒否等の行為に関する相談・違反情報の受付)
Tel 087(811)1758
(転嫁を阻害する表示に関する相談・違反情報の受付)
Tel 087(811)1754
九州 九州事務所 消費税転嫁対策調査室
〒812-0013
福岡市博多区博多駅東2-10-7 福岡第2合同庁舎別館(転嫁拒否等の行為に関する相談・違反情報の受付)
Tel 092(437)2756
(転嫁を阻害する表示に関する相談・違反情報の受付)
Tel 092(431)6031