会計ソフトとは、企業の収支などを記録し、決算書などを作成できるソフトウェアのことです。
この記事では、会計ソフトを導入したいと考えている企業に向けて、おすすめの会計ソフト18種を紹介します。
会計ソフトの導入目的や昨日、種類など、会計ソフトについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

会計ソフトの導入目的

会計ソフトを活用し、自動で数値の入力や計算を行えば、人の手による作業は大幅に減ります。
これにより、業務の効率化と人為的ミスの削減になるでしょう。
経理業務の貴重作業を軽減したい企業、リアルタイムで経営分析をしたい経営者に導入をおすすめします。

会計ソフトの機能

会計ソフトには、以下のような機能が備わっているものがほとんどです。
会計ソフトのおもな機能について紹介します。

 

仕訳入力

勘定科目によって自動で仕訳する機能です。
手入力では複雑である複式簿記にも対応していて、生活かつかんたんに入力できます。

集計管理

日ごと、月ごとに集計し、売上、諸経費、利益など把握することができます。
経営戦略を行いたい場合に必要な機能でしょう。

決算

入力してきた勘定科目の数値から自動で決算書を作成します。
勘定科目内訳書、税務調査時に必要となる総勘定元帳なども作成可能です。

税金計算・申告書作成

消費税を自動計算したり、所得税や消費税の確定申告書の作成が可能です。

予算管理、経営分析

予算と実際の支出を比べる、キャッシュフローの状態を分析するといった機能です。
経営状態を客観的に分析できます。

会計ソフトはおもに2種類

会計ソフトにはさまざまなものがありますが、大きくわけるとクラウド型とインストール型の2種類があります。

クラウド型とインストール型の違い

クラウド型はオンライン、インストール型はオフラインのソフトウェアです。
クラウド型はベンダーのサーバー上のソフトウェアを使用するため、導入費用はかからず月額料金がかかるものが多いでしょう。
一方、インストール型は自社のパソコンにインストールして使用するもので、一度購入すれば月額料金はかからないものがほとんどです。

クラウド型は導入費用がおさえられるため、個人事業主や中小企業に向いています。
一方、インストール型は複雑な機能を備えているものも多く、中規模から大企業でよく使用される傾向にあります。

クラウド型会計ソフトのメリット

クラウド型は契約後すぐに使用可能できます。
ログインすればどこにいても使用できるため、共有もしやすいでしょう。
バージョンアップ等はベンダーによって行われるため、ソフトウェアの管理が容易で、PC破損、紛失によるデータ損失のリスクも低めです。

インストール型ソフトのメリット

自社のパソコンにインストールして使用するインストール型は、管理が自社となるため、カスタマイズ性が高いです。
複雑な会計処理が可能となり、複数の事業を扱うような企業でも使いやすいでしょう。

クラウド型とインストール型、どちらを選ぶべき?

会計業務の基本はどちらも可能です。

ただ、会計処理が複雑である大規模企業はインストール型を選んだほうがいいでしょう。
インストール型は自社で設定をカスタマイズできるため、自社独自の方法で会計処理ができます。

会計ソフトをクラウド型とインストール型で比較

クラウド型とインストール型の会計ソフトの違いについて以下の表を参照してください。

クラウド型インストール型
特徴インストールやソフトウェアの管理が必要ない自社にあったカスタマイズができる
月額料金月額、もしくは年額費用がかかる基本的にかからない
導入方法サイトにログインするだけで使用可能自社パソコンにソフトウェアをインストールする
メリットインプット時に銀行預金、クレジットカード、POSレジなど外部データの活用、連携でき、作業が少なくなり、入力作業が簡略、省略され効率的に仕分けが作成
組織内のデータ共有がしやすい
ネット環境があれば、どこでも情報にアクセス可能
月額料金がかからず長期的にみると低コスト
入力作業をスピーディー行うことができる
ネット環境やクラウド会計側のサーバーの状態に左右されず、安定した利用環境で操作できる

 

クラウド型会計ソフト5選

クラウド型会計ソフトのなかから5つ紹介します。
料金は基本的に税抜価格です。

クラウド会計freee

かんたんに仕訳ができるように工夫されている会計ソフトです。
企業向けプランとしては月額2,380円、4,780円、47,760円の3種類があります。
年払いの場合は月1,980円、3,980円、39,800円とお得になります。
「経営内容の見える化」についてはクラウド会計No1だと思います。

マネーフォワードクラウド会計

取引入力を自動で行い、データをクラウド上に保存します。
人工知能が自動で勘定科目を提案するため、使用するうちに自動仕訳がどんどん楽になる仕様です。
月額料金は3,980円(年額プランなら月2,980円)、5,980円(年額プランなら月4,980円)です。
「API連携」についてクラウド会計No1だと思います。

弥生会計オンライン

入力機能を重視したクラウド会計ソフトです。
「経営内容の見える化」はあまり期待できません。
弥生会計導入税理士事務所との連携がとりやすいのが特徴です。
プランは2種類あり、初年度は年額0円と15,000円、次年度以降は26,000円と30,000円になります。

HANJO会計

飲食店に特化した会計ソフトで、スマートフォンでレシートや領収書を撮影するだけで記帳できます。
無料プランと2,178円(税込)の2種類があり、有料プランはマイナンバー登録やデータエクスポート、e-taxに対応しています。

 

特徴を活かせるユーザー層料金プラン(税抜)
クラウド会計freee簿記の基礎知識がない
経営分析機能を重視している
年払いの場合
1,980円
3,980円
39,800円
マネーフォワードクラウド会計簿記の知識があり、会計ソフトの操作に慣れている年払いの場合
2,980円
4,980円
弥生会計オンライン入力をメインの目的としている
少しでも安いクラウド会計を探している
年額
初年度0円、15,000円
次年度以降26,000円、30,000円
HANJO会計飲食店で経営内容を数字でしっかり把握したい無料
もしくは
月額1,980円

 

インストール型会計ソフト12選

インストール型の会計ソフトを12個紹介します。

弥生会計スタンダード・プロフェッショナル

幅広く導入されており、非常に安定感のある会計ソフトです。
導入している会計事務所が多いため、会計事務所との連携しやすいです。
オンラインストアでは年額料金が必要なサポートプランが必ず付随し、料金は44,000~118,400円(税抜)と幅があります。店頭ではオープン価格のソフトウェアを単体で購入可能です。

会計王

購入後15カ月は電話サポートを受けられるため、導入後に起きがちな疑問や問題などが起きても安心です。
法令改正があり次第新しいプログラムが配布されるため、法律に遵守した経理業務ができます。希望小売価格は40,000円(税抜)です。
中小企業で必要な機能は一通り備わっています。
入力機能面ではやや弥生会計に劣りますが、分析機能が豊富でコスパが高いです。

わくわく財務会計

経理担当者がいなくても経理業務ができるようになっている会計ソフトです。
入力支援機能とスピード入力があり、入力者の能力に応じて入力方法を変更できます。
希望小売価格は20,000円(税抜)ですが、エコパッケージは16,000円(税抜)、ダウンロードは15,000(税抜)で購入できます。

勘定奉行11

インストール型ですが、制度やOSのアップデートに伴い対応可能です。
価格は安くないですが、入力、分析において高機能、ハイスペック会計ソフトです。
また、仕訳数が多い大規模企業になるとこのレベルの会計ソフトが必要となります。
クラウドに移行することもできるため、幅広い使い方ができるでしょう。
料金は250,000円~で、使用環境や使用するデバイス数によって料金が変わります。

勘定奉行Jシリーズ

小規模企業向けの会計ソフトです。
機能がシンプルで直感的な操作が可能です。
マニュアルやヘルプ機能も充実しており、誰でもかんたんに経理業務ができるようになっています。
料金は年額制で、初年度20,000円(税抜)、その後は40,000円(税抜)です。

MJSかんたん!会計

取引入力や資料のもと自動で決算書や青色申告決算書を作成します。
かんたんに操作出来るよう工夫されていて、何度も入力しなくても済む辞書機能も搭載されています。
価格は25,000円(税抜)です。

ツカエル会計

帳簿、試算表、決算まで作成可能です。
ほかのソフトウェアからデータ移行が可能で、会計ソフトを変更しようと考えている人にもおすすめします。
パッケージ版は28,000円(税抜)ですが、ダウンロード版は15,000円(税抜)で購入可能です。

ネットde記帳

決算は税理士に依頼しているが、日常の経理業務を自社で行いたいという企業に向いています。
商工会推薦の経理ソフトで、設定から運用まで商工会のサポートを受けられます。料金は年額31,500円です。

会計らくだ

小規模、中規模の法人向け会計ソフトです。日常の経理業務をかんたんに行えます。
決算関連の資料も作成可能です。
クラウドストレージと連携可能で、データの破損等の心配はいりません。
料金は12,000円(税抜)です。

クラウド発展会計企業版

記帳や仕訳から経営管理資料、決算資料まですべて自動作成可能です。
「経営内容の見える化」機能が特徴です。
各店舗や拠点でそれぞれ入力したものを一元化できるため、拠点が複数ある法人に向いています。
月額5,000円(税抜)と10,000円(税抜)の2つのプランがあります。

財務応援R4

自動入力機能のほか、経営分析のための分析機能も搭載しています。
最新の法改正などをチェックできるポータルメニューがあり、業務前に必要事項を確認可能です。
種類が複数あり、年額20,000~72,000円(税抜)と幅があります。

勘定奉行クラウド

帳簿入力から決算までを自動でスムーズに行えます。
日々の経営状況をリアルタイムに把握できるため、税理士に決済を依頼している企業にもおすすめです。
それぞれの企業にあった構成を選べ、構成の仕方によって料金は変わります。

インストール型会計ソフトをチャートで比較

紹介したクラウド型会計ソフト特徴や料金プランなどを以下の表にまとめます。

特徴向くユーザー層料金(税抜)
弥生会計プロフェッショナル会計事務所と連携可能
さまざまな規模の企業に向いている
44,000円~
会計王15カ月の電話サポート
さまざまな規模の企業に向いている
40,000円
わくわく財務会計入力支援のあり、なしを選択可能
小規模企業向け
20,000円
勘定奉行11法改正やOSの更新に対応可能
中規模~大規模法人向け
使用環境によって変動する
勘定奉行Jシリーズ直感的な操作が可能
小規模企業向け
初期登録費用 20,000円
年額 40,000円
MJSかんたん!会計操作がかんたん
小規模~中規模企業向け
25,000円
ツカエル会計ほかの会計ソフトからデータを引継ぎ可能
小規模~中規模企業向け
28,000円
ネットde記帳商工会推薦ソフトウェア
さまざまな規模の企業に向いている
年額31,500円
会計らくだクラウドストレージに保存可能
小規模~中規模企業向け
12,000円
クラウド発展会計企業版複数拠点のデータを一元管理できる
中規模~大規模企業向け
月額5,000円
月額10,000円
財務応援R4分析機能搭載
中規模~大規模企業向け
年額20,000円~
勘定奉行クラウド規模にあった機能を選べる
さまざまな規模の企業に向いている
ソフトウェアの構成によって変わる

 

会計ソフトを選ぶ際の比較ポイント

会計ソフトはさまざまな種類があります。そのなかで自社にあったものを選ぶポイントについて解説します。

ツールの特性

それぞれのツールの特性を確認し、利用目的にあっている機能があるかどうかを確認します。
会計ソフトの対象ユーザー層がどのような規模の会社なのかもチェックするとよいでしょう。

料金体系

会計ソフトによって、月額制、年額制、買い切り型と契約形態が変わります。
ランニングコストと導入費用、どちらをおさえたいのかによって決めるとよいでしょう。

動作環境

会計ソフトによっては、対応していないOSもあります。
使用しているパソコンがWindowかMacによっても選べる会計ソフトは限られてくるでしょう。

操作性や運用方法

会計ソフトのなかには経理や簿記の知識がなくても帳簿をつけられるものも多くあります。
操作する従業員の知識や技能にあわせたソフトを選びましょう。

運用方法

運用に自信がない場合は、購入後もアフターサポートがある会計ソフトがおすすめです。
どの程度サポートを受けて運用していく予定なのか考えてみてください。

連携性

ほかのシステムと連携できる、ほかのソフトウェアのデータを引き継げる、といった連携性がある会計ソフトもあります。
会計ソフトの買い替えを考えているのならば、連携性も確認しましょう。

まとめ

会計ソフトを比較してみると、料金や機能のほか、サポート体制の有無や向いている企業規模などにも違いが現れます。
自社が必要としている機能やサポートがある会計ソフトを選びましょう。

日々の会計業務や経営分析などに問題を抱えているのであれば、佐藤修一公認会計士事務所にご相談ください。
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