資金繰りが悪化する原因は、2つあります。
一つは、毎月必要な利益を稼いでいないこと、2つ目は事業の性質にあった手元の現金預金を保有していないことです。

まず、最低限、資金繰りを回すためには自社の経費、借入返済額を知り、そのあと必要な売上がいくらなのかを次のように把握ことが必要です。

①毎月の固定費と借入金の返済総額を把握する
固定費とは、毎月支払う人件費、家賃、水道光熱費等の支出の事です。

ビジネスをする上では、固定費がいくらかかっているのか、即答できるぐらい明確に把握することが重要になります。

固定費+借入金の返済総額=毎月の支出がいくらになるのかを把握します。

②不定期な支払、毎月の固定費以外を把握する
・半年に一回の賞与、消費税

・年に1回の消費税などの税金、保険料

・2年に一回の車検費用等

これらがいくらあるのかを把握します。

金額の小さいものは考える必要はありません。

これらの支払いのなかで、負担感の大きいものだけを合計し、支出の頻度の応じて月々どれくらい金額を貯めておく必要があるのかを計算します。

例えば、年に一回の支出の場合
消費税のような年一回の支出のために貯めておく合計金額=年一回の支出の合計金額÷12か月
賞与のような半年に一回の支出のために貯めておく合計金額÷6ヶ月

③毎月最低限必要な利益を計算します
①と②で把握した金額を合計した金額が最低限毎月稼ぐ必要がある利益となります。

①固定費+借入金の返済総額+②半年、年一回等の支出のために貯めておく合計金額
⇒毎月必要な利益の金額となります。

④毎月最低限必要な売上を計算する
③で計算した毎月最低限必要な利益の金額から最低限必要な売上の金額を計算します。

・小売り業、飲食業の場合の必要な売上の金額=毎月必要な利益金額÷原価率
・サービス業の場合の必要な売上金額=毎月必要な利益の金額
実際の売上が最低限の毎月必要な売上下回る場合は、資金繰りが悪化していきます。

⑤常に保有しておく預金残高を把握する
売上の変動が大きいほど、より多めに手元資金を持っておく必要があります。また、売上の変動が小さければ、少なめでも手元資金でも大丈夫です。

売上は毎月保証されるわけではなく、景気、季節変動、得意先の倒産等により、いつ減少するか分かりません。
この売上の減少に備えるためには、手元資金を保有しておき、備えてことが必要です。

目安として
毎月の売上の変動が20%以上ある場合は、手元の預金を多めに(固定費+借入金の返済額)の3~6か月分を手元資金を保有し、
売上の変動が20%未満の場合には、(固定費+借入金の返済額)の2か月分の手元資金を保有しておくと安心です。