楽天、アマゾン、ヤフー、自社サイトなどのネットなどでネットショップ業、通信販売業、通販小売りを行う方向けの会計について説明しています。
通販業では、一番に売上から原価を引いた粗利益の捉え方に特徴があります。
通常の小売りだと、商品売上-売上原価(=商品仕入原価)=粗利益となります。
通販業などこれに、出品のためのコストである売上高に応じて楽天、アマゾン、ヤフーなどに支払う「販売手数料」、送料、代引き手数料が加わります。
すると、通販業の粗利益は、次のようになります。
商品売上-売上原価(=商品仕入原価+販売手数料+送料+代引き手数料)=粗利益になります。
この粗利益がその他の経費である人件費、事務所家賃、倉庫代、広告費、通信費などを支払うための資金となり、
粗利益から経費を引いた金額が利益となります。
小売 | 割合 | 通販 | 割合 | |
売上高 | 100 | 100% | 100 | 100% |
仕入原価 | 40 | 40% | 40 | 40% |
販売手数料 | - | - | 10 | 10% |
送料 | - | - | 3 | 3% |
代引き手数料 | - | - | 2 | 2% |
売上原価 | - | 55 | 55% | |
粗利益 | 60 | 60% | 45 | 45% |
売上=経費となる損益分岐点となる売上を考える際には、この考え方は大切だと思います。
次に、通販業では、在庫の金額に注意が必要です。
上記の「仕入原価」は、販売ベースの仕入商品の原価で、仕入ベースの仕入商品の原価ではありません。
在庫の金額を把握しなければ、自社がどれだけ利益を上乗せして販売できたかは分かりません。
在庫の金額=将来の利益を生むために寝ている資金です。
その資金が今どのくらいあるのか、売上に対して大きすぎないかなどにも注意が必要です。
そのためには、在庫回転期間を把握していく必要があります。
在庫回転期間とは、何日分の売上分の在庫があるかという数字です。
その他季節性のある商品であれば、仕入金額が一年を通しての変動が大きくなるので、一定の手元資金を確保することが重要です。
ネットショップ等の通販業は、売上の入金が早いため、現金商売と似ていて、手元資金が貯まりやすいなどメリットがあります。
これらの数字を会計上、分かりやすい形で表示して、会計を経営により役立ててみて下さい。