三井住友銀行は、AIを使って融資先の財務状況の変化を察知するシステムを地方銀行、信用金庫など金融機関向けに販売するようです。
AIに融資先のデータを大量に読み込ませて開発したシステムのようです。
このシステムを使い、融資先の財務の悪化を兆しを先読みし、事業の改善や成長に向けた積極的な提案につなげることも目的になるようです。
具体的には、動く資金量、タイミングのみならず、取引先数、支払い条件の変更などの変化を把握することにより、財務の変化を察知するシステムです。
通常の財務分析は、決算書より、自己資本比率、各種利益率、売上債権回転期間、仕入債務回転期間、在庫回転率、借入金月商比率など様々な指標を用いて行います。
しかし、財務分析には限界があります。
まず、実態よりもより良く決算書の見栄えを良くする「粉飾決算」が行なわれている可能性があることです。
粉飾決算が行なわれているかどうかは、決算書を見ただけでは簡単に見抜けるものではありません。
また、財務分析は過去の決算書にもとづいて行なわれるため、情報の鮮度が低いことです。
決算書は、それぞれの会社の決算月時点の情報に過ぎず、リアルタイムで財務の状態を把握することができません。
このシステムよれば、ごまかしようのないリアルな資金の動きをベースにかつ、リアルタイムで分析を行うことができるのです。
そして、驚くことに、この三井住友銀行が開発した通常システム依れば、通常の財務分析に比べて、財務の変化を見抜けた確率が10%アップした結果が出ていることです。
AIなので、今後更なる改善がされると思います。
そして、このようなシステムは、銀行だからこそ、出来るシステムだと思いますが、freeeやMFクラウド会計などのクラウド会計でも預金口座の動きを把握することが可能です。
よって、クラウド会計は、すべての口座の動くが把握可能なので、さらに精度の高いシステムができるのではないかと思います。
今後クラウド会計にこのような機能実装されれば経営者自身で気づくことができない中小企業の財務の変化の兆しが把握でき、より良いシステムなればと思います。
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716)
公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。
(株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。
全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。
総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。