freeeで確定申告を行う際の固定資産台帳への登録と減価償却費の計算方法について説明しています。
freeeでの登録を行う前に固定資産台帳と減価償却費について簡単ですが、説明からスタートします。
固定資産台帳とは、固定資産を購入した際に資産に関する事項を記載する書類のことです。
固定資産とは、青色申告の場合は一つ当たり30万円以上、白色申告の場合は10万円以上のモノのことを言います。
固定資産は購入した年に一度に経費にすることができないため、固定資産台帳をつけて、過年度に経費にした金額などを記録していきます。
また、減価償却費とは、固定資産を経費にするときに使う勘定科目のことを言います。
減価償却費と固定資産の詳しい説明はこちら
ここからfreeeでの固定資産台帳への登録と減価償却費の計算について説明いたします。
freeeの場合、固定資産台帳へ入力すれば、自動的にfreeeの会計の内容に反映され、確定申告書にも自動で反映されます。
ここがfreeeのすごいです。
まず、購入した資産内容が分かる請求書や見積書を準備します。
そして、freeeのメニューバー「確定申告」から「固定資産の登録」を選択し、固定資産の登録を行っていきます。
登録に最低限必要な入力事項は以下のとおりです。
①資産の名前
②取得価額
③数量
④取得日
⑤耐用年数
⑥月次償却
⑦償却方法
⑧事業共用開始日
⑨事業利用比率(0~100)%
結構ありますね。
上記の ①~⑧について入力の注意点を以下でそれぞれ説明していきます。
①資産の名前
購入した資産が特定できる名前であれば問題ありません。
②取得価額
取得価額とは、購入した資産の価格とのことです。
購入した金額を入力します。
③数量
購入した数量を入力します。
④取得日
購入した年月日を入力します。
月さえ間違えなければ、計算に影響しないので問題ありません。
⑤耐用年数
これが分かりにくいのですが、税金に関する法律で、資産の種類ごとに使える年数が異なります。
そして、購入した金額を使える年数に分けて減価償却費として経費にしていきます。
例えば、普通自動車であれば、6年、軽自動車であれば、4年となります。
資産の種類ごとにこちらの耐用年数の表にあてはめて年数を求めます。
但し、新品の場合は、耐用年数の表でいいのですが、中古の場合には複雑な計算が必要となります。
詳しくはこちら
⑥月次償却
こちらは「しない」で宜しいかと思います。
するにしても確定申告の税金に変化はありません。
⑦償却方法
定額法と定率法という償却方法があります。
毎年同じ金額を経費にする場合には定額法、購入して早いタイミングで経費にして、徐々に小さく経費にする方法です。
定率法を選択する場合には税務署にこちらの届け出が必要となるので注意してください。
⑧事業共用開始日
購入してしばらくして事業に使う場合、事業に使い始めた年月日を入力します。
事業に使い始めた月から経費にすることができるためです。
月さえ間違えなければ、計算に影響しないので問題ありません。
⑨事業利用比率(0~100)%
資産を事業に使っている割合を入力します。
この事業比率は悩ましい部分で、結構経費の金額に影響します。
いつも私はこの比率に悩んでいます。
このように項目が多いですが、以上が一般的な入力項目です。
例えば、2016年2月29日に新車のプリウスを200万円で購入し、事業利用割合が80%の場合の入力結果は以下のようになります。
freeeで確定申告を行う場合、このように入力すると、自動的に「減価償却費」が計算され、freee上で仕訳が入力されます。
自動で仕訳まで入力される点がすごいですね。
入力した事項は、次年度以降も引き継がれるのでご安心下さい。
ただし、一旦、次年締めを行い、その後、年度締めを取り消した場合、その年度に入力した固定資産台帳内容は削除されるため、ご注意ください。
減価償却費は、税金の金額に大きく影響することが多い科目です。
十分に検討して入力されてください。
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716)
公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。
(株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。
全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。
総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。