会社設立freee(フリー)とは、簡単に会社設立ができるサービスです。

会社設立に必要な書類を無料で簡単に作成できたり、必要な手続きを順番に案内してくれたりします。

この記事では、freeeを使って会社設立を考えている人に向けて、freeeを使った会社設立の流れや具体的な手続きの方法、期間・費用の目安などを解説します。ぜひ参考にしてください。

freeeを使った会社設立の流れ

freeeを使った会社設立の流れは以下のとおりです。

freeeでは各種書類を自動で作成することができます。

1)定款の作成と認証
2)資本金の入金
3)登記書類の作成と提出
4)登記完了の届出・銀行口座の開設

freeeでは、上記の流れを「入力」「設立」「始動」の3つのページにわけて案内しています。

「入力」のページが「1.定款の作成」になり、「設立」が「2〜4の登録完了まで」、「始動」が「4.各種書類の提出、口座開設など」にあたります。

定款の作成と認証

定款とは、会社組織のルールを定めたもので、会社を設立する際には必ず定款を作成します。

定款には、「電子定款」と「紙定款」の2種類があり、紙定款を作成する場合は印紙代として4万円が必要です。

一方、freeeで電子定款の作成を選択すれば、専門家に5,000円で依頼できます。

定款を作成

freeeで社名や住所などの必要事項を入力すれば、定款の雛形が完成します。

必要事項の入力が終われば、株式会社の場合は公証役場での認証が必要になるので、覚えておきましょう。

定款の記載事項を決める際に気を付ける事項は、「決算期」と「役員の任期」に関する事項です。

「決算期」は、資本金1,000万円未満の場合、登記完了する月の前月にするとよいでしょう。

なぜなら、1期目は、消費税の納税が免除される特例があり、1期目が長ければ長いほど消費税の免除される期間が長くメリットが大きくなります。

さらに設立後半年分の給与総額が1000万円以下の場合には、2期目が終了するまで消費税の納税が免除される特例があるので、税務上お得になります。

例えば、5月に法人登記が完了する場合、決算期を5月にしてしまうと特例を1カ月しか受けられません。

その場合は、決算期を4月にしましょう。

「役員の任期」は、最長の10年がいいと思います。

なぜなら、任期ごとに登記が必要で、1万円の登録免許税と専門家に依頼す場合には登記費用、自分で登記を行う場合には手間と時間がかかってしまうからです。

 

また、公告の種類には、「freee電子公告」「電子公告」「官報」が3つあります。そもそも公告は、会社の重要事項を株主などに知らせるものです。

「官報」の場合は、掲載ごとに6万円が必要になりますが、「freee電子公告」であれば、年間1000円で利用できます。

印鑑と印鑑証明書の準備

印鑑は、代表者の印鑑と会社の印鑑の両方が必要です。

代表者の印鑑は、役場で印鑑登録をして、印鑑証明書を準備します。

印鑑は、偽造防止の観点から、シャチハタや認印は登録できないので、注意してください。

もし、会社設立に必要な印鑑がない場合は、freeeで法人印鑑セットの発注が可能です。

法人印鑑セットでは、実印・銀行印・角印が3本セットになっており、登記後の業務にも使えます。

 

行政書士に電子定款の作成を依頼

freeeで定款の雛形を作成できたら、ダウンロードして確認しましょう。

確認ができたら「行政書士への依頼」というボタンをクリックすれば、2日後には行政書士事務所からメールで連絡がきて、直接やり取りが可能になります。

行政書士とは、手続きの際の注意点や報酬の支払い方法、質問事項などを確認します。

「電子定款」を選択して、freee会計の年額契約をすれば、行政書士への手数料5,000円を無料にできます。

年額契約には「ミニマムプラン」「ペーシックプラン」「プロフェッショナルプラン」があり、ミニマムプランの場合は年間23,760円、ベーシックプランは年間47,760円、プロフェッショナルプランは念願477,600円で利用できます。

 

資本金の入金

資本金は、会社設立前で会社の口座がないため、個人名義の口座に振り込みます。

口座にある預金が全額資本金になるのではなく、資本金として一度に振り込んだ金額でなければ資本金として認められないので注意しましょう。

わかりにくい場合は、個人名義の口座を一旦0円の状態にしてから、自分の出資分を振り込むとよいでしょう。

資本金を振り込んだあとは、通帳の場合は通帳の表紙と裏表紙、入金一覧を印刷します。

ネットバンクの場合は、入金履歴の印刷だけで済むため、手間を省きたい人はネットバンクを選択することがおすすめです。

また、資本金の振り込みは、定款作成前だと認められません。

そのため、必ず定款の作成日のあとに振り込みましょう。

定款の作成日とは、電子定款ができあがった日ではなく、定款をダウンロードするときに任意で設定する日のことです。

定款の作成日は、行政書士に渡す前であれば、自由に変更が可能です。

登記書類の作成と提出

登記書類の作成と提出をどのように行うのか具体的に説明します。

電子定款をCD-Rに保存して印刷

電子定款を受け取ったら、CD-Rに保存して印刷します。

CD-Rへの保存は、USBにデータを移すような流れで時間もかからず、簡単にできます。

CD-R化した定款は、ファイルに保存しておき、別途定款を印刷します。

定款は税務署へ提出する際にも使用するため、1部ではなく3部ほど印刷しておくとスムーズでしょう。

登記書類の準備

登記書類は、freeeで必要事項の入力が完了すれば、ダウンロードして印刷できます。

あとは、書類の各箇所に押印すれば完了です。必要な登記書類は以下になります。

・登記申請書
・登録免許税納付用台紙
・就任承諾書
・払込を証する書面
・OCR用紙
・印鑑(改印)届書

また、書類は指定された順序でまとめる必要があります。

簡単に説明すると、まず入金を証明する書類と払込を証明する書面をまとめます。

そして、印鑑証明書の原本と「OCR用紙」「印鑑(改印)届書」以外の上記の書類をまとめていきます。

書類のまとめ方の詳細は、freeeでも確認できます。

法務局へ提出

登記書類の準備ができたら、法務局に提出します。

その際、収入印紙を購入して、「登録免許税納付用台紙」に貼り付けます。

合同会社を設立する場合は、登録免許税に6万円、株式会社は15万円かかるため、費用を用意していきましょう。

書類の提出後、法務局の担当者に書類を確認してもらい、登記完了予定日が記載された書類を受け取れば完了になります。

担当者の確認作業はおよそ10分程度で終わるため、さほど時間はかかりません。

登記完了の届出・銀行口座の開設

登記完了の届出・銀行口座の開設の流れについて説明します。

登記簿謄本と印鑑証明書の取得

登記簿謄本と印鑑証明書を取得するために、「登録事項証明書交付申請書」「印鑑カード交付申請書」「印鑑証明書交付申請書」をfreeeからダウンロードして印刷します。

印刷したあとは、各箇所に押印をして、法務局に提出します。

発行の流れは、まず「印鑑カード交付申請書」を提出して、「法務局印鑑カード」を発行します。

次に、そのカードに併せて「印鑑証明書交付申請書」「登記事項証明書交付申請書」を提出して、「登記簿謄本」と「印鑑証明書」を発行するという流れです。

年金事務所へ書類提出

会社を設立したら、社会保険に加入しなければなりません。

従業員の数に関係なく、社長が1人の会社でも、加入は法律で義務づけられています。

社会保険に加入するためには、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」「登記簿謄本の原本」を用意して、年金事務所へ提出します。提出期限は、登記完了後、5日以内です。

登記完了日とは、法務局に登記書類を提出した日になります。

例えば、6月10日に登記完了すれば、その日から5日以内に提出する必要があります。

 

税務署へ書類提出

青色申告の適用を受けるために、登記完了後2カ月以内に必要書類を税務署に提出しましょう。
必要な書類は、以下のものです。

・法人設立届出書
・青色申告の承認申請書
・給与支払事務所等の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・登記簿謄本のコピー
・定款のコピー

「青色申告承認申請書」は会社設立日2か月を超えると、提出できません。

青色申告できないと赤字を繰越して法人税を計算出来たり、30万円未満の資産を購入時に一括で経費処理できるなどのメリットを受けることができなくなってしまいます。

ちなみに設立時に役員報酬の金額を税務署に届ける必要はありません。

また、これらの書類をダウンロードする前に、役員報酬をいつから支払うのかを決めましょう。

 

都道府県税事務所へ書類提出

都道府県税事務所に必要書類を提出します。

必要書類は、「法人設立届出書」「登記簿謄本のコピー」「定款のコピー」です。

これら書類の提出期限は、特に定められていません。

管轄の事務所でなくても、同じ都道府県であればどの事務所でも受付をしてくれます。

市区町村へ書類の提出

あわせて市区町村に必要書類を提出します。

必要書類は、「法人設立届出書」「登記簿謄本のコピー」「定款のコピー」です。

これら書類の提出期限は、特に定められていません。

 

法人口座の開設

会社設立後は、法人口座を開設します。

freeeでは、PayPay銀行と連携しており、口座の開設も簡単です。

freeeを使えば、法人口座の開設にかかる手間を省けるでしょう。

会社設立に必要な期間・費用の目安

会社設立にどのくらいの期間・費用がかかるのか、それぞれの目安を紹介します。

必要な費用の目安

株式会社で電子認証定款の場合は、約20万2,000円かかります。

内訳は、認証手数料5万円、謄本手数料2,000円、登録免許税15万円です。

合同会社の場合は、約6万円かかります。内訳は、登録免許税の6万円のみで、認証手数料や謄本手数料は発生しません。

また、これに加えて、印鑑関連の費用も必要です。

例えば、個人・会社印鑑の購入には、それぞれ約1万円かかります。また、印鑑登録の申請や証明証の発行にも費用がかかるため、忘れずに用意しておきましょう。

freeeの年額契約をする場合には、そのための費用も必要です。

先ほども触れましたが、freeeには、「ミニマムプラン」「ベーシックプラン」「プロフェッショナルプラン」があり、それぞれ金額が異なります。

複数事業を行っており、部門別損益管理を行わない場合や請求書を数多く作成しない場合には、年額23,760円のミニマムプランにすることで費用を抑えられるでしょう。

会社設立前から税理士に相談することがおすすめ

会社設立の際には、税理士に相談することがおすすめです。

税理士に相談しておけば、会社設立段階から節税のアドバイスを受けられます。

例えば、節税の観点から資本金の額や決算の時期、役員構成などを細かく相談できます。

さらに、融資・資金調達のサポートを受けられることもメリットです。

会社設立後に必要になる経理業務や記帳においても、税理士に相談することで指導を受けられます。

freee導入からサポートしてくれる会計事務所もあり、スムーズに会社設立の準備を進められるでしょう。

まとめ

会社設立freeeを活用すれば、登記に必要な書類を簡単に作成できます。

会社設立前には税理士に相談して、節税や資金調達のアドバイスを受けておくとよりいいでしょう。

佐藤修一公認会計士事務所では、中小企業の資金繰りのお悩み解決のために全力を尽くします。

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