開業資金の準備と創業融資の計算方法
融資・資金調達
創業
2014/08/10
2014/08/10
開業するにあたって「創業・開業資金の総額」をきちんと把握する事の大切さをこれまで、開業のお手伝いをしてきて感じます。
「創業・開業資金の総額」は慎重に見積もっておいて損はありません。
「創業・開業資金の総額」を把握することで、自己資金で足りない資金を把握します。
「創業・開業資金の総額」-自己資金=融資希望額として金融機関に融資を申し込みます。
「創業・開業資金の総額」をきっちり把握することで開業後の資金ショートを防ぐことができます。
「創業・開業資金の総額」には、開業前に必要な資金と開業後に必要な資金に分かれます。
開業にあたっての必要な資金の総額は、
「開業前の経費+開業後の毎月の経費×?ヶ月」となります。
?の部分は、非常に重要です。
?の部分は、開業後売上が全くないとしても、
毎月発生する経費の何か月分の資金を保有して開業するかにあたります。
これまで、多くの開業後の資金繰りのご相談に乗ってきました。
そのなかで開業するときの保有資金の大きさの重要性について感じたことについて説明します。
開業後、いきなり、お客が集まるとは限りません。
お客が集まり、ある程度売上がたったとしても、
開業当初は、予想以上に経費がかさみます。
開業後一定期間、お客が少なく、売上や利益が少なくても経営していくことができる資金を持って開業しなければ、
手元資金がどんどん少なくなります。
手元資金は安心して経営するための保険です。
手元資金が少なくなり始めると、お金ばかりが気になり、経営に集中できなくなります。
経営に集中できなくなる→目先の売上が気になる→将来のことを考えた経営ができなくなる
→目先の売上を重視し、利益率が悪くなる→さらに資金繰りが悪化する…という悪循環になりかねません。
資金が底をつき始めても、追加の借入ができればいいのですが、その時に追加の借入ができるとは限りません。
最悪、高利回りのカードローンに手を出してしまうということは避けなければなりません。
■開業前の経費には、以下のようなものがあります。
・店舗賃貸契約にあたってかかるコスト…敷金、礼金、手数料、家賃、居ぬきの場合には、内装譲渡費
・店舗改装費…内装工事、外装、看板、設計料等
・備品・ユニフォーム代等…備品、試作品仕入、競合店調査費
・設備費…パソコン、プリンター、車等
・広告宣伝費…フリーペーパー、WEB関係
■開業後の毎月の経費には、以下のようなものがあります。
・仕入代金
・家賃
・人件費
・水道光熱費
・電話代・インターネット代
・広告宣伝費
・借入金がある場合は、借入金の返済額
・オーナーの生活費
・交際費
開業資金の準備、いくら創業融資で申し込むかをきちんと決めることは、資金繰り面だけでなく、業務面でバタバタする開業直後に精神的に少しでも余裕をもって経営するためには、非常に重要なことだと思います。
佐藤 修一
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。