経費を増やす税金対策の効果と危険性

税務・節税

2014/12/22

2014/12/22

今月の決算の法人のお客さまで多額の利益が出ていました。

どちらも1期目の会社です。

役員報酬も十分とられているので、順調といえます。

当然、2社とも初めての決算です。

決算前の打ち合わせ時に社長から

「税金対策で経費をもっと使った方がいいですか?たとえば車を買うとか」

とのご質問がありました。

私は、こう答えました。

「税金対策は、お金を残すためにするものですよね?

お金を使った税金対策をすると、逆にお金が減りますのでやめた方がいいですよ

仮に利益と同じだけ、100万円のお金があったとします

この場合、税金対策で50万円使った場合、お金はどうなるか数字で説明します」

 

 単位:万円  税金対策なし 税金対策あり  差額 
①利益 =お金 100  100  0 
②税金対策 50  50
③税金対策後利益
①-②
100  50  50
④税金
③×25%
25  12.5  12.5
⑤手元のお金
③-④
75  37.5  37.5

「このように、税金対策をしない場合75万円残り、税金対策をすると37.5万円しか残りませんよ」

社長はこうおっしゃいました。

「税金対策で備品を買ったとかよく聞くんで、

このままだと、お金を使って、いらないものまで買ってしまいそうでした」

 

佐藤 修一

佐藤修一公認会計士事務所代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。