店舗を増やす場合、工場の建設、機械設備の導入など大型の設備投資を行う時など投資金額が大きくなる場合、設備投資計画を作成しているでしょうか。
投資を実行する前に設備投資計画を作成することでより安全な資金繰りを行うことができます。
また、設備投資のリターンである事業目標が明確になります。
そのためには、まず、設備投資を行うことで新たに発生する・増加する売上、経費、借入金の返済、利益に対する税金などを計算します。
増加する売上-増加する経費-増加する借入金の返済-増加する税金=増加する利益…短期的にプラスになりそうかを明確にします。
次に増加する運転資金を算定します。
具体的には、売掛金、在庫、買掛金に加えて、売上の急な減少などに備えるための新たに必要になる手元資金を算定します。
そして、投資後の会社全体のP/L、B/Sを検討します。
新たに発生する収支を現在の収支に加えて投資後の会社全体のP/L面、収支がどうなるか検討します。
あわせて、投資によって発生した固定資産、借入金を加えてB/Sを作成して、財務の安全性を確認します。
その後、次のようなことを多面的に検討します。
・投資を行っても、当面の資金繰りは問題なさそうか?
・設備投資を何年で回収できそうか、
・投資の効率性(回収額÷投資額)は問題ないか?
・投資後の決算書の自己資本比率、流動比率などの安全性に問題ないか?
これらのことを検討したうえで、問題点があれば、計画の修正を行います。
投資前の資金繰りが楽ではない場合、特に資金繰りシュミレーションを慎重に行います。
想定されるいくつかのケースに分けてシュミレーションを行い、様々なケースに対応できるように計画していきます。
具体的には、売上見込の上方修正案、経費の見直し、借入金の返済期間の見直し、追加融資の検討を行います。
それでも問題が解決しない場合には、投資計画額、投資時期などの見直しを行って設備投資を安全かつ、その投資効果を最大になるようにしていきます。
これらの計画の精度が高ければ高いほど、投資の失敗のリスクを低くすることができます。