保存版|マネーフォワードで自動仕訳ルールを設定する方法と適用されない場合の対処方法について

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クラウド・オンライン会計

マネーフォワードの自動仕訳ルールの設定方法
佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

マネーフォワードクラウド会計をお使いの方の中にはご自身で会計入力をしている方もいらっしゃると思います。

クラウド会計はデスクトップ型の会計ソフトと比較して入力の手間が少ない点で優れていますが、基本的に備わっている便利機能を最大限活用することによって、更なる効率化を図ることも可能です。

今回は、マネーフォワードの自動仕訳ルールの登録方法を画像付きで解説しています。

また、後半のパートでは「自動仕訳ルールを設定したが、勘定科目の推測がうまくいかない」というよくあるお悩みに対する対処方法についてもまとめています。

よろしければ最後までご覧になってください。

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  • マネーフォワードを導入してみたけど経理の効率化が進んでいない
  • 自計化したいが設定が難しくてできない

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自動仕訳ルールとは?

佐藤修一

まずは自動仕訳ルールとは何なのかについて解説したいと思います。

自動仕訳ルールとは、

  • 連携された銀行の入出金明細
  • 連携されたクレジットカードの利用明細
  • 連携サービスに手動でインポートした明細

に対してあらかじめ任意のルールを作成しておくと、次回同じような明細が連携された際、自動的に勘定科目を推測してくれる機能です。

マネーフォワードではAIが勘定科目を自動で推測してくれる機能が備わっていますので、自動仕訳ルールを設定しなくとも勘定科目の推測が可能です。

AIが勘定科目を推測した場合は、下記の画像のように「雲」のアイコンが表示されます。

この「雲」のアイコンの有無を目印にすると、AIが推測したのか?自分が作成したルールを元に推測したのか?という判断が可能です。

ちなみに、マネーフォワードは一度仕訳をすると、自動的に「自動仕訳ルール」に追加され、次回同じ摘要の明細が連携された際は自身が作成したルールとみなして勘定科目が推測されます。

これは便利な一方で時にルールが競合する原因ともなりますので、この基本的な機能を理解したうえで自動仕訳ルールを運用すると、より効率的な経理作業が可能になります。

自動仕訳ルールの具体的な設定方法

あなたがしたいのはどんな仕訳?

具体的な設定方法について解説する前に、皆さんがしたい仕訳がどのようなものなのかイメージしていただきたいと思います。

具体的には、

  1. 消耗品費 100円 | クレジットカード 100円 のような1行で完結する仕訳なのか
  2. 長期借入金 20,000円 | 普通預金 21,000円  のような2行以上の仕訳なのか
    支払利息   1,000円 |

のどちらの仕訳をイメージされているかです。

2のような複数行にわたる仕訳は、マネーフォワードでは「複合仕訳」と呼びます。

複合仕訳を自動仕訳ルールで表示させたい場合は設定方法が少し異なりますので、こちらについては別の記事で詳しく解説しています。

こちらの記事では

  • 複合仕訳とは何なのか
  • 複合仕訳の具体的な設定方法
  • 設定の際のワンポイントアドバイス

について解説していますので、この記事とあわせてご覧いただくと、更なる効率化が期待できます!

佐藤修一

少し前置きが長くなってしまいましたが、ここから先は「1」のような一行で完結する仕訳を効率化するための自動仕訳ルールの設定方法について話を移したいと思います。

【1】自動仕訳ルールの設定画面を開く

自動仕訳ルールの設定画面は下記の手順で開くことができます。

自動仕訳ルールの設定画面の開き方

  1. 画面左側のメニューから「自動で仕訳」→「連携サービスから入力」を押す
  2. 画面右上にある「自動仕訳ルール」を押す
  3. 左上の「単一自動仕訳ルール」を選択する
    ※単一仕訳とは、一行で完結するシンプルな仕訳のことを指します
  4. 画面右の「仕訳ルール新規作成」を押す

2の「自動仕訳ルール」はここに表示されています。

3の「単一自動仕訳」はここに表示されています。

4の「仕訳ルール新規作成」はここに表示されています。

【2】仕訳ルールの新規作成をする

自動仕訳ルールの設定画面ではさまざまな条件を指定する項目がありますが、ここでは最低限設定した方がいい内容について解説します。

具体的な項目については下記の表にまとめました。

横にスクロールできます
項目内容
①自動仕訳ルールの選択ルールに一致した場合の仕訳、一致しなかった場合の仕訳、どちらのルールを作成したいかを決めます。
②金融機関・口座の選択どの金融機関・クレジットカード・決済サービスで連携された明細にルールを当てはめたいか決めます。ここは「金融機関共通」でOKです。
③入出金区分入金と出金、どちらの明細にルールを当てはめたいか決めます。
④明細の一致条件(摘要)自動仕訳ルールを当てはめたい明細の適用を入力します。※半角・全角・小文字などを区別して判定されますので、正確に入力する必要があります。
⑤明細の一致条件(条件)完全一致/前方一致/後方一致/部分一致など、明細とどのような条件でマッチさせるかを決めます。
⑥作成される仕訳(勘定科目)どの勘定科目を推測して表示させたいか決めます。
⑦作成される仕訳(税区分)④で指定した明細と⑥で指定した勘定科目に紐づく消費税の区分を選択します。※誤りがあると消費税の申告の時大変です!正確に入力しましょう。

ここでは最低限設定が必要な項目を抜粋しました。

必要があれば補助科目や部門、摘要、金額の範囲まで入力してもOKです。

ただし、必要以上に細かく決めすぎると、思うようにルールが働かなかったり、メンテナンスが大変だったりしますのでご注意ください。

条件項目の入力が終わったら、最後に「作成」ボタンを押すとルールの設定が完了します。

【3】ルールが適切に稼働しているかチェックする

今度は先ほど作成したルールが正しく稼働しているか、実際の仕訳画面で確認をします。

画面左のメニュー「自動で仕訳」→「連携サービスから入力」を押して、先ほど作成したルールに当てはまる明細を探してみましょう。

佐藤修一

すでに「連携サービスから入力」画面を開いている場合は、F5キーで画面を更新するだけでもOKです。

先ほどは例として「楽天カードで決済されたドコモの利用料金を通信費(課税仕入10%)で推測する」というルールを作成しました。

連携された明細を見てみると、無事に「通信費」と推測されており、税区分も合っているようです。

この明細だけ「雲」のアイコンが消えているため、自動仕訳ルールで推測されたことが分かります

また、先ほどルールを作成するときに「金融機関共通」で設定していましたが、「楽天カード」と具体的なカードの種類を指定していなくても、ルールが適切に稼働していることが分かります。

金融機関を指定するのは、「同じ摘要だけど決済するカードによって勘定科目が異なる」という時だけで問題ありません。

これで自動仕訳ルールの設定方法の説明は終わりですが、ここで

  • ルールを設定したはずなのに勘定科目が正しく推測されていない
  • 勘定科目の推測が「雲」のアイコンのままでルールが適用されていない

という方のために、自動仕訳ルールが適用されないよくある原因と解消方法についても解説していきたいと思います。

自動仕訳ルールが適用されない原因

まずは、ルールがうまく適用されない場合のよくある原因をリストアップしてみました。

ご自身が作成したルールに当てはまっていないか、注意しながらご覧になってみてください。

自動仕訳ルールが適用されないよくある原因

  1. すでに同じようなルールが存在しており、ルールが競合している。
  2. 「出金」に対するルールを作りたかったのに、自動仕訳ルールでは「入金」に対するルールになっている。またはその逆。
  3. 金融機関の選択が間違っている。
  4. 明細の摘要は半角なのに自動仕訳ルールには全角で登録している。またはその逆。
  5. 摘要の文字列の一部に誤りがある。
  6. 明細の一致条件を「完全一致」でルールを作っている。
  7. 金額を絞り込んで自動仕訳ルールを作っているが、明細の金額がルールの範囲内にない。
佐藤修一

いかがでしょうか。この中に心当たりのある原因はありましたでしょうか?

次は、上記7つのよくある原因の対処方法を解説しています。

【1】すでに同じようなルールが存在している

こちらはマネーフォワードで一番よくある原因と言っても過言ではないかもしれません。

先述したように、マネーフォワードでは仕訳をする度に自動的に、自動仕訳ルールに追加されていきます。

そのため、自分がルール未作成と認識していても、実はすでにルールが存在していることもあります。

その場合は同じようなルールが同時に存在することで、マネーフォワードが混乱し、適切な勘定科目が推測できないケースがあります。

これを読んで、「過去に自動仕訳ルールに追加されているのなら、なぜ今回は勘定科目が推測されなかったのか?きちんと勘定科目が推測されていれば、自分でルールを作る必要はなかったのに」と思った方のために、補足させていただきます。

マネーフォワードは、仕訳をするたびに「同じ優先度で、かつ完全一致でルールが作成されます」。

佐藤修一

先ほど私が例として作成したルールを覚えていらっしゃいますでしょうか?

④「ドコモご利用料金」、⑤「部分一致」でルールを作成しました。

この部分が、自動でルールに追加されるときは、

④「ドコモご利用料金07月分」、⑤「完全一致」でルールが作成されるのです。(同時に、優先度は自動的に100となります)

「完全一致」となっているため、07月分が08月分に変わるとルールが適用されなくなるという仕組みです。

この場合の対策方法ですが、まずは競合するルールが存在していないか、「単一仕訳ルール」の「明細/摘要」の検索欄から「ドコモ」などの文字列を検索してみましょう。

同じようなルールが複数存在する場合は、ひとつだけ残して他はすべて削除してOKです。

そして、明細の一致条件の摘要部分を「ドコモご利用料金」「部分一致」に変更しましょう。

これで、今後「ドコモご利用料金」という明細が連携されるたびにルールが適用され、同じようなルールが大量に増えていくのを防ぐことができます。

【2】「出金」と「入金」の選択に誤りがある

こちらはうっかりミスです。

自動仕訳ルールの新規作成ボタンからルールを作成する場合は入出金区分が未選択の状態となっています。

そのため、出金に対するルールを作りたい場合は「出金」を、入金に対するルールを作りたい場合は「入金」を選択する必要があります。

うっかり選択が反対になっていたら自動仕訳ルールがうまく適用されませんので、注意して選択しましょう。

【3】金融機関・口座の選択が間違っている

こちらもよくあるうっかりミスのひとつです。

取引口座の選択に誤りがある場合も自動仕訳ルールはうまく適用されません。

例えば、「クレジットカードAの明細にルールを適用させたい」と思っていたのに誤って取引口座を「クレジットカードB」にしている場合などです。

このような単純なミスを回避するためには、ルールが適用される金融機関を「金融機関共通」にしておくことをオススメします。

そうすれば、毎回同じカードを使うわけではない方でも問題なく自動仕訳ルールを活用することができます。

【4】半角と全角の使い分けができていない

マネーフォワードの自動仕訳ルールは「半角」と「全角」を区別しています。

そのため、同じ摘要でも、カードの利用明細と自動仕訳ルールの取引内容がそれぞれ半角・全角で統一されていなければルールが適用されません。

例えば、摘要に下記のような違いがあればルールと不一致となります。

横にスクロールできます
連携された明細自動仕訳ルールで決めた取引内容自動仕訳ルールの判定
AMAZON.CO.JPAMAZON.CO.JP不一致
NTTヒカリカイセンNTTヒカリカイセン不一致

【5】文字列に一部誤りがある

こちらも実務でよくあるミスなのですが、連携された明細と自動仕訳ルールの取引内容の文字列がわずかに相違しているせいでルールが適用されないことがあります。

例えば、摘要に下記のような違いがあればルールと不一致となります。

横にスクロールできます
連携された明細自動仕訳ルールで決めた取引内容自動仕訳ルールの判定
キユウシユウデンリヨクキュウシュウデンリョク小文字が区別され不一致に
カブシキガイシヤサンプルカブシキガイシャサンプル小文字が区別され不一致に

自動仕訳ルールを作成するときに摘要を手入力するのは時間・正確性の観点からおすすめできません。

1文字でも入力内容に誤りがあればルールが適用されませんので、「手入力はどんなに気をつけてもミスをする」という前提でルールの作成をしましょう。

連携された明細の摘要を「コピー&ペースト」すると、間違いを回避することが可能です。

【6】完全一致でルールを作っている

完全一致でルールを作成すると、少しでも摘要が変化するとルールが適用されなくなります。

ずっと同じクレジットカードを使い続けていても急に利用内容の表記が変化することはよくありますので、ルールには多少の柔軟性を持たせた方がうまくルールが適用されます。

条件は「部分一致」を選択することをおすすめします。

【7】連携された明細の金額がルールの範囲内にない

より精度の高いルールを作成するために、金額範囲を指定することがあります。

例えば「100,000円~100,000円」と範囲を指定してルールを作ると、摘要が条件に一致していて、かつ金額が10万円ぴったりの明細だけがルールに反応します。

借入金の返済や家賃の支払いなどに金額範囲を設定すると便利なのですが、借入金は返済が進むにつれて毎月の返済額が変わっていきます。家賃の方も、不定期に賃料の改定があるかもしれません。

そのような場合にルールで指定しておいた範囲を超える金額になると、ルールがうまく働かなくなることがあります。

  • 思うようにルールが稼働していない
  • 今まで問題なく稼働していたのに突然ルールが働かなくなった

という場合は金額を絞り込んでいないかチェックし、もし金額の範囲が合っていなければ適切な範囲に設定し直しましょう。

最後に

ここまで

  • 自動仕訳ルールとは何か?
  • 具体的な設定方法は?
  • 自動仕訳ルールが適用されない場合の原因と対処方法は?

について解説いたしました。

自動仕訳ルールの設定はコツが要るので慣れるまで面倒に感じるかもしれません。

しかし、上手に使いこなすと作業時間を大幅に短縮することができますので、仕組みやコツについては時々この記事を読み返して、使い方を習得されてください。

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。