オンラインショップの会計の特徴と粗利益について

経営数字の見方・活用方法

2016/04/04

2014/11/15

楽天、アマゾン、ヤフー、自社サイトなどのネットなどでネットショップ業、通信販売業、通販小売りを行う方向けの会計について説明しています。

通販業では、一番に売上から原価を引いた粗利益の捉え方に特徴があります。

通常の小売りだと、商品売上-売上原価(=商品仕入原価)=粗利益となります。

通販業などこれに、出品のためのコストである売上高に応じて楽天、アマゾン、ヤフーなどに支払う「販売手数料」、送料、代引き手数料が加わります。

すると、通販業の粗利益は、次のようになります。

商品売上-売上原価(=商品仕入原価+販売手数料+送料+代引き手数料)=粗利益になります。

この粗利益がその他の経費である人件費、事務所家賃、倉庫代、広告費、通信費などを支払うための資金となり、

粗利益から経費を引いた金額が利益となります。

 

  小売  割合  通販   割合
売上高 100   100% 100   100%
仕入原価  40   40% 40   40%
販売手数料  -   - 10   10%
送料   - 3   3%
代引き手数料 -   - 2   2%
売上原価    - 55  55% 
粗利益  60  60% 45  45% 

売上=経費となる損益分岐点となる売上を考える際には、この考え方は大切だと思います。

次に、通販業では、在庫の金額に注意が必要です。

上記の「仕入原価」は、販売ベースの仕入商品の原価で、仕入ベースの仕入商品の原価ではありません。

在庫の金額を把握しなければ、自社がどれだけ利益を上乗せして販売できたかは分かりません。

在庫の金額=将来の利益を生むために寝ている資金です。

その資金が今どのくらいあるのか、売上に対して大きすぎないかなどにも注意が必要です。

そのためには、在庫回転期間を把握していく必要があります。

在庫回転期間とは、何日分の売上分の在庫があるかという数字です。

その他季節性のある商品であれば、仕入金額が一年を通しての変動が大きくなるので、一定の手元資金を確保することが重要です。

ネットショップ等の通販業は、売上の入金が早いため、現金商売と似ていて、手元資金が貯まりやすいなどメリットがあります。

これらの数字を会計上、分かりやすい形で表示して、会計を経営により役立ててみて下さい。

 

佐藤 修一

佐藤修一公認会計士事務所代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。