飲食店でいくら売上があればキャッシュが残るのか。

そして、何人のお客様に来てもらえば、キャッシュが残るのか。

私は、税理士としてこれまで、100店以上の飲食店の経営を見させてていただいてきました。

売上=客数×客単価です。

今後、売上を増やし、キャッシュをより残していくには、客数の増加、客単価アップのいずれか、もしくはその両方が必要です。

客単価を上げるには、値上げやメニューの変更などが必要です。

客数を増やすには、販促による新規客の増加、リピート率のアップが必要です。

この中で、効果の期待できる取り組みを選び今後の方針を決めると思いますが、

この記事では、「キャッシュを残すには、何人の来店が必要か」、つまり、損益分岐点客数の計算方法について解説したいと思います。

大きくは次の3つのステップで損益分岐点客数を行うことができます。

ステップ1:1日当たりの材料費以外の支出金額

ステップ2:お客様1人当たりの粗利益(客数当たりの粗利益)

ステップ3:キャッシュが残る損益分岐点客数の計算

 

損益分岐点販売数の計算方法も同じです。

 

以降では、ステップ1、2、3の順番で分かりやすく解説いたします。

飲食店経営者の方が継続的な経営をおこなうために「数値管理の面で、一番最初に確認するべき最重要の内容」だと私自身が考えていることについて解説しますので、ぜひ読み進めて頂けたら幸いです。

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佐藤修一公認会計士事務所では、飲食店の経営で数値管理が非常に重要だと考えており、飲食店の経営者の方向けに会計・経理・税務面でのサポートをおこなっております。

 

具体的には、

・経営分析サービス

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弊所は福岡市にありますが、オンライン対応していますので全国どこの方でも対応させていただいております。

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では、本題に入ります。

 

目次

【最重要】利益(キャッシュ)が残る「売上」を稼ぎましょう

ただただ売上を増やしても、利益が残るとは限りません。

キャッシュとして残るようにするには、「キャッシュが残る売上」を稼ぐ必要があります。

キャッシュが残っていかない場合、どんどんキャッシュが減少していきます。

 

そして、キャッシュが足りなくなったら、銀行融資でお金を補填すると思います。

銀行融資をキャッシュが足りなくなったら、いくらでも、何回も銀行から融資を受けることはできるでしょうか。

赤字続きの飲食店が銀行からに延々と融資を受けることはできません。

 

キャッシュが足りなくなり、融資を受けれなくなっていきつく先は、「倒産」です。

 

よって、飲食店が経営していくには、絶対に「キャッシュが残る売上」を稼がなければいけません。

 

【簡単3ステップ】キャッシュが残る目標客数の「損益分岐点客数」の計算方法

ここからは、「キャッシュが残る売上」である最低目標売上高である「損益分岐点」の計算方法を、3ステップに分けて解説します。

売上がこの「損益分岐点」を超えれば、ドンドンキャッシュが増えていき、
売上が「損益分岐点」未満であれば、どんどんキャッシュが減っていきます。

 

「損益分岐点」を計算するには、まず、手元に決算書か試算表と銀行への返済予定表をご準備ください。

決算書か試算表がない場合には1か月分の以下の情報をご準備できればOKです。

ざっくり1万円単位で分かれば問題ないです。

①売上金額

②仕入金額

③仕入以外の全ての経費金額
人件費、家賃、水道光熱費、通信費、交際費、リース料など

④銀行返済額

 

 

人件費は、給与は手取りの支給額ではなく、税金などの天引き前の総支給額で計算した方がより正確に計算できます。
個人事業主の方は、人件費に自身の生活費を含めて計算してください。

①~④と残せるキャッシュと関係は以下の図のようになります。

 

損益分岐点客数の計算方法のステップは大きく3つです。

・ステップ1:1日当たりの経費の金額の計算

・ステップ2:お客様1人当たりの粗利益の金額の計算

・ステップ3:損益分岐点客数の計算

 

以下の数値例を使って計算していきます。

※単位:万円

①売上金額150
②仕入金額・材料費45
③経費金額経費合計100
人件費 70
家賃 20
水道光熱費 7
通信費 2
交際費 3
リース料 4
その他 4
④銀行返済額12
⑤残るキャッシュ
①-②-③-④
△7
1か月当たりの営業日数20日
1か月当たりの客数300人

 

 ステップ1:1日当たりの材料費以外の支出金額の計算

まず、営業日数1日当たり、材料費以外でいくらの支出が発生しているかを計算します。

1日当たりの材料費以外の支出金額=(③経費金額+④銀行返済額)÷1か月当たりの営業日数

 

上記の例を式に当てはめて計算すると

(③経費金額100万+④銀行返済額12万)÷1カ月当たりの営業日数20日=「1日当たりの材料費以外の支出金額 56,000円」となります。

売上から食材費を引いて残るの金額を粗利益と言います。

この「1日当たりの材料費以外の支出金額 5万6千円」は、1日当たりいくら粗利益を稼がなければキャッシュが残らないかを意味する金額です。

 

ステップ2:お客様1人当たりの粗利益(客数当たりの粗利益)

このステップ2では、1人のお客様からいくらの粗利益を稼ぐことができているかを計算します。

計算方法は以下の式になります。

お客様1人当たりの粗利益(客数当たりの粗利益)=(①売上金額-②仕入金額)÷1か月当たりの客数

 

 

上記の例を式に当てはめると、

(①売上金額150万-②仕入金額45万)÷1か月当たりの客数300人=お客様1人当たりの粗利益3,500円となります。

1名のお客様の来店によって、平均3,500円の粗利益が増加していることを意味します。

 

ステップ3:キャッシュが残る損益分岐点客数の計算

最後、3つ目のステップはキャッシュが残る損益分岐点客数の計算方法です。

ステップ1,2で計算した「1当たりの材料費以外の支出金額」と「お客様1人当たりの粗利益(客数当たりの粗利益)」を使い、次の式に当てはめて計算します。

損益分岐点客数=1日当たりの材料費以外の支出金額÷お客様1人当たりの粗利益

 

上記の例で式に当てはめると、

1日当たりの材料費以外の支出金額 56,000円÷お客様1人当たりの粗利益3,500円=キャッシュが残る損益分岐点客数 16人となります。

客数が、1日平均16人以上になると、キャッシュが残り始め、16未満だと、キャッシュがどんどん減っていきます。

 

まとめ:損益分岐点客数を計算して、来店客数アップ施策を決めましょう

飲食店経営では、とにかく現状分析が大切です。

上記の例では、1日当たりの平均客数が15.5人で(300人÷20日)で、損益分岐点客数の16人未満となっており、月間7万円のキャッシュが減少していく状態となっています。

損益分岐点客数との差が0.5人と数値にすればわずかですが、簡単にクリアできれば、良いですが、そうとも限りません。

また、客単価アップ、メニューの見直しによる一人当たりの粗利益アップ、オペレーションの見直しによる人件費の削減など取り得る施策は数多くあります。

選んだ施策がうまくいったけど、キャッシュが残らなかった‥ならないよう、何をすればキャッシュが残るのかを、明確にしたうえで、施策を進められてください。

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