弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードの違いを比較!(税理士が体験版を最速レビュー)
クラウド・オンライン会計
2024/12/26
2024/12/20
こんにちは、佐藤修一(プロフィールへ)公認会計士事務所です。
この記事では、
「弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードの特徴を比較」しています。
- これから事業を始めるにあたり会計ソフトを検討している方
- 既に事業をおこなっている経営者(法人)で、現在弥生会計を利用中の方
- freeeやマネーフォワードも選択肢にある方
にぜひ読んで欲しい記事になっています。
現在行われている「先行体験サービス」で実際に操作してみた感想をfreee・マネーフォワードとの比較を交えながら説明しています。
後で読み返したときに最新の内容になっているよう、現段階で明らかにされていない情報については随時アップデートしていきたいと思っています。
尚、弥生会計Nextは法人向けクラウド会計ソフトのため、個人事業主向けの機能は備えていない点にご注意ください。
【この記事でわかること】
①弥生会計Nextとは何か分かる
弥生会計Nextとはどのようなサービスなのかについて説明しています。
②料金面の違いが分かる
弥生会計Nextはどれくらいの料金で利用することができるのか、freee・マネーフォワードと比較しながら説明しています。
③機能面の違いが分かる
弥生会計Nextにはどのような機能が備わっているのか、体験版を操作して確認しました。freee・マネーフォワードと比較しながら解説しています。
④操作感の違いが分かる
実際に体験版を操作してみて分かったfreee・マネーフォワードとの違いをまとめています。
⑤サポート体制の違いが分かる
それぞれの会計ソフトのサポート体制の違いについてまとめています。
⑥弥生会計Nextの気になる点が分かる
先行体験サービスを利用し、率直な感想や気になる点をまとめています。
早速ですが、弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードの違いを簡潔にまとめると、下記のようになります。
【弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードを比較すると、こんな違いがある】
- マネーフォワードに似たシンプルな設計
- 入力は明細ボックスからの仕訳か、仕訳帳を使った直接入力がメイン
- 弥生会計のサポートに仕訳の電話相談ができサポートが充実している
- 連携できる金融機関・サービス数がまだ少ないため利用中の銀行口座やクレジットカードが連携できない可能性がある
この結論になる理由を、順番に説明していきたいと思います。
【相談無料】まずはお気軽に問い合わせください
クラウド会計を導入することにより、経理業務がさらに効率化します。
弥生給与Nextは、弥生会計Nextと合わせて活用することで、一元管理による業務効率化が可能です。
ただし、現在弥生会計Nextはリリース前のため、クラウド化を急ぐ場合はマネーフォワードやfreeeの導入をご検討ください。
現時点では、マネーフォワードとfreeeの方が機能面では優れているので、おすすめです。
※弥生Nextシリーズについても、今後も最新の情報を随時更新していきます。
弊所では、今まで300社以上マネーフォワード(MFクラウド)・freeeの導入サポートによる経理業務の効率化支援を行っています。
さらに、会計データを活用した経営分析や経営相談を、毎月させていただいております。
私が、これまでたくさん中小企業の経営を近くで長期に伴走をしてきて中で、儲かる経営にして、キャッシュをしっかりと残し、財務の数値を良くするための数字の財務数値の見方や使い方について、下記の記事で解説しています。
弊社は福岡市にありますが、オンライン対応していますので、全国どこの方でも対応させていただいております。
初回の無料相談をオンライン(ZOOMなど)や電話で受け付けておりますので、ぜひ弊社に一度ご相談頂けたら幸いです。
まずはこちらのフォームよりお問合せをお待ちしております。
目次
弥生会計Nextとは何か分かる
弥生会計Nextのリリースについて
弥生会計Nextは、中小企業・個人事業向け業務サービスを提供する弥生株式会社が提供するクラウドサービスのことで、2023年10月に発表され、先行体験プログラムは2024年10月17日からスタートしました。
「社内外のバックオフィス業務がゼロになる」
「会社の状況がわかる」
「経営の意思決定ができるパートナーへ」
というバリューを掲げ、業務だけでなく経営も円滑に進むよう、帳簿・決算書の作成、請求書発行や経費精算も弥生会計Nextひとつで効率化できるサービスとなっています。
弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードとの料金面の比較
新リリースが発表された弥生会計Nextですが、既存のクラウド会計ソフトのfreeeやマネーフォワードと比較するとどれくらいの料金で利用できるようになるのでしょうか?
弥生会計Nextのサービスページを確認したところ、正式リリース時の料金は弥生株式会社の他製品と同水準の料金で、年額3万円~10万円程度での提供が予定されているそうです。
ちなみにfreeeとマネーフォワードの料金は下記のようになっています。
【freeeの法人向けプラン(年額料金・税込)】
※スマホの方は表を横にスクロールできます
プラン名 | ひとり法人 | スターター | スタンダード | アドバンス |
基本料金 | 39,336円 | 72,336円 | 118,536円 | 525,096円 |
【マネーフォワードの法人向けプラン(年額料金・税込)】
※スマホの方は表を横にスクロールできます
プラン名 | スモールビジネス | ビジネス | IPO準備・中堅~上場企業向けプラン |
基本料金 | 39,336円 | 65,736円 | 要問合せ |
プランによって利用できる機能や人数などが異なるため金額だけで比較をすることは難しいですが、
freee・マネーフォワード共に一番安いプランは3万円台から利用が可能なため、弥生会計Nextは同業他社とほぼ同じ水準での利用が可能なのではないかと思われます。
最低限のプランではどこまで利用が可能なのか、上のプランになるとどのような機能が充実しているのか、詳細の情報が発表されたら追記したいと思います。
弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードの機能面の比較
「便利に会計をしたくてクラウド会計を導入したけど使いたい機能が備わっていなかった」ということがないように、事前に会計ソフトの機能を比較することは重要です。
3つの会計ソフトの大まかな機能を比較してみました。
インターネット環境があればアクセスできる。
弥生会計Nextはクラウド型の会計ソフトのため、freee・マネーフォワードと同様に、インターネットにアクセスできる環境があれば利用することができます。
銀行口座・クレカの口座連携
クラウド会計のメリットとして、銀行やクレジットカードの明細を会計にAPI連携しAIに勘定科目を推測してもらうことで、利用者は登録ボタンを押すだけで仕訳が完了するという点があります。
ただし、ご自身が利用されている銀行やクレジットカードが使いたい会計ソフトに連携できるのかどうか、事前に比較することをおすすめします。
マネーフォワードに連携できる金融機関
マネーフォワードは現在2,300以上の金融関連サービスと連携可能となっています。(2024年2月29日マネーフォワード調べ)
連携が可能なサービスの一覧表がないため、もしマネーフォワードの利用を検討されている方でどの金融機関・クレジットカードが使えるのか知りたい方は、1か月の無料トライアルを活用するのが良いかもしれません。
実際の連携画面でご自身が使いたい金融機関が同期可能かどうか、契約前に確認をすることができます。
請求書の作成機能
あなたの会社では、どのような方法で請求書を作成されていますでしょうか?
Excelで作成したり、専用の請求書作成ツールを利用して作成したり、色々な方法があると思いますが、現在は請求書作成機能がついたクラウド会計ソフトが増えてきています。
弥生会計Next(弥生請求Next)とfreee・マネーフォワードには請求書作成機能があります。
クラウド会計ソフトで請求書を作成するメリットは、請求書を作成し終わったらそのまま会計に連携でき、売上の仕訳ができてしまうところにあります。
請求書の作成から会計への入力までを一気に終わらせることができるんですね。
ただ、弥生請求Nextを使う場合は別途契約が必要なのか、弥生会計Nextを契約すれば請求機能も使えるのかは現在明らかになっていません。
レポート機能
入力した会計の数値をどのように見られるかも検討しておきたいポイントです。
【各会計ソフトで閲覧可能なレポート】
※スマホの方は表を横にスクロールできます
弥生会計Next | freee | マネーフォワード | |
残高試算表 | 〇 | 〇 | 〇 |
推移表 | 〇 | 〇 | 〇 |
入出金管理 | なし | 〇 | 〇 |
キャッシュフロー/ 資金繰り | なし | 〇 | 〇 |
いずれの会計ソフトも、残高試算表や推移表などの基本的な情報を見ることが可能です。
プラスの機能として、お金の出入りを管理できるレポートや、資金繰り状況を可視化できるレポートなどがありますが、弥生会計Nextの先行体験プログラムではそういったレポート機能を確認することはできませんでした。
今後新たな機能として実装される可能性もあるので、注目したいところです。
弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードの操作感の比較
操作画面の見やすさ
freeeとマネーフォワードを比較すると、マネーフォワードの方がシンプルな作りになっている印象なのですが、弥生会計Nextはマネーフォワードよりもさらにシンプルな操作画面になっています。
弥生会計Nextは現状、
- 銀行やクレジットカードを連携し、仕訳登録する
- 入力した情報を残高試算表で見る
- 決算の準備をする
- 事業所の設定をする
といった基本的な操作のみの仕様となっております。
部門別会計機能や前期比較機能、レポート機能などがないため項目が少なくなっているようです。
また画面のデザインは白と青を基調としたシンプルな色味となっており、画面がごちゃごちゃせずまとまっている印象を受けました。
操作の簡単さ
次は画面の見やすさだけでなく、実際の操作感についてです。
私見が入っていますが、操作のしやすさをまとめると下記のようになると思います。
【クラウド会計3社の使いやすさ早見表】
※スマホの方は表を横にスクロールできます
もっとも操作しやすい | 2番目に操作しやすい | 3番目に操作しやすい | |
会計初心者 | freee | 弥生会計Next | マネーフォワード |
簿記経験者 | マネーフォワード | 弥生会計Next | freee |
クラウド会計上級者 | freee | マネーフォワード | 弥生会計Next |
上記のようになる理由なのですが、freeeは専門用語を極力なくし、初心者でも分かりやすい設計になっている一方で、
freee特有の概念や時短技などがあり突き詰めると上級者にとっても操作しやすい設計となっています。
一方でマネーフォワードは従来の会計ソフトをそのままクラウド化したイメージで、
特に用語の説明などないため、簿記経験者がサクサク操作できる仕様だと思います。
また弥生会計Nextについてですが、どこをクリックすればどんな操作ができそうか直感的に分かるため、初心者でもスムーズに入力ができそうな気がしました。
しかし、より速く効率的に入力したいと思ったときに、freeeやマネーフォワードでできることが弥生会計Nextではできない点が少し物足りなく思いました。
サクサク感
操作のサクサク感については弥生会計Nextはマネーフォワードと同じくらいサクサク入力していけるイメージです。
一方でfreeeについては明細の読み込みや試算表の出力に少し時間がかかるため、弊所でも帳票の出力がパッとできない点を不便に感じるスタッフがいるようです。
自動仕訳機能
クラウド会計の強みを最大限活かすためには、自動仕訳の機能を使いこなす必要があります。
【クラウド会計3社の自動仕訳機能について】
※スマホの方は表を横にスクロールできます
弥生会計Next | freee | マネーフォワード | |
AIによる勘定科目の予測 | 〇 | 〇 | 〇 |
自動仕訳ルール | ✕ | 〇 | 〇 |
完全自動化 | ✕ | 〇 | ✕ |
銀行やクレジットカードを会計に連携したら、勘定科目を選んで登録する必要があります。
弥生会計NextではAIが摘要を判別して勘定科目を推測する機能があるのですが、freeeとマネーフォワードにも同様の機能があります。
freeeとマネーフォワードでは特定の取引が連携されてきたら毎回同じ科目を表示するように「自動仕訳ルール」を設定することができます。
またfreee特有の機能として、予め指定しておいた取引を登録まで自動で完了させる自動登録ルールというものがあり、これを使うと仕訳が完全に自動化できます。
これらの点を踏まえると、明細登録の便利さはfreeeとマネーフォワードに軍配が上がると言えます。
仕訳コピー
弥生会計Nextとfreeeとマネーフォワードのいずれのソフトも仕訳のコピーをすることができます。
仕訳のコピーの仕方は会計ソフトによって違うのですが、もっともスピーディーに仕訳のコピーができるのはfreeeで、弥生会計Nextとマネーフォワードはほぼ同じイメージです。
給与や請求書ソフトとの連携
給与計算は社労士や税理士に任せている方もいらっしゃると思いますが、給与計算ソフトを入れて自社で行う場合もあると思います。
この記事で紹介している弥生会計Next(弥生給与Next)・freee・マネーフォワードいずれも基本的にクラウド会計ソフトを契約し、
必要に応じて給与計算や請求書のソフトを追加契約+利用人数によって従量課金される仕組みになっています。
また請求書の作成についても基本契約しているクラウド会計ソフト内で作成可能なものから追加契約が必要なものまで様々です。
【クラウド会計3社の給与計算・請求書作成機能について】
※スマホの方は表を横にスクロールできます
給与計算 | 請求書作成 | |
弥生会計Next | 〇 弥生給与Nextを別途契約 (年間34,100円~82,500円) ※税込 リリース済み | 〇 弥生請求Nextを使用 弥生会計Nextと別契約になるのか 現時点で不明 2025年春リリース予定 |
freee | 〇 freee人事労務を追加契約 (年間26,400円~72,600円) ※税込 | ◎ freee会計を契約中の方は利用可能 請求書の送付を自動化したい場合は別途 freee請求書を契約 (無料~年間120,000円) |
マネーフォワード | 〇 マネーフォワードクラウド給与を別途契約 (年間39,336円~65,736円) ※税込 | 〇 マネーフォワードクラウド会計を契約中の方は利用可能 機能に制限あり |
給与計算機能は日々の給与計算から年末調整、源泉徴収票の発行までできますが、利用人数や従業員数によって従量課金になっていますので、
- 給与計算に携わる従業員の人数
- 在籍している従業員の人数
などを確認する必要があります。
また、請求書に関しては、作成が完了したらその内容をそのまま会計に連携して売上の仕訳を自動計上できる機能が3社とも備わっているため便利です。
弥生請求Nextについては料金や利用可能人数などの詳細が明らかになっていないのですが、
弥生給与Nextについては既にリリース済みで、しかも最初の1年間は基本料金が無料なため、お試ししやすいサービスになっています。
※トータルプランのみ初年度無料ではなく半額
弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードのサポート体制の比較
自社で会計を行う場合、仕訳に関する疑問や会計ソフトの操作方法に関する疑問が出てくることは避けられません。
そんな時に
- どうやって問い合わせをするのか
- 何を教えてもらえるのか
が分かっていると安心で、場合によってはサポート内容の違いによってプラン選択を検討する必要があるかもしれません。
【クラウド会計3社のサポート内容について】
※スマホの方は表を横にスクロールできます
問い合わせ方法 | 詳細 | |
弥生会計Next | ◎ メール/チャット/電話 | 操作サポートだけでなく 仕訳相談も可能。 プランによって電話相談の可否が 分かれるのかは不明。 |
freee | 〇 最安プランの「ひとり法人プラン」では チャット/メールのみ。 | 「スタータープラン」以上は 電話問い合わせも可能。 |
マネーフォワード | △ チャット/メールのみ |
操作にあまり不安がない方の場合はマネーフォワードでも問題ないかもしれません。
簿記や会計に関する知識がなく、入力に対する不安がある方の場合は仕訳相談まで乗ってもらえる弥生会計Nextがいいかもしれません。
またfreeeについては仕訳相談サービスこそないものの、入力画面自体が初心者の方のでも分かりやすい設計になっている点は素晴らしいと思います。
弥生会計Nextの気になる点
ここまでは3つの会計ソフトの機能や操作感などを比較してきたのですが、私が弥生会計Nextの体験版を実際に操作してみて気になった点もまとめていきたいと思います。
こちらはあくまで個人的な感想で、見落としも含まれるかもしれないですし、今後アップデートされていくものもあると思いますが、よろしければご覧になってください。
複数タブが開けない?
クラウド会計ソフトは複数タブを開いて同時にいろいろな画面を見ながら作業をすることが多いです。
損益計算書と貸借対照表を同時に開いて会計のチェックをしたり、過去の仕訳を参考にしながらクレジットカードの仕訳をしたりします。
弥生会計Nextでは同時に複数タブを開く操作ができなかったので、確認したい画面があるときは作業を中断して画面を移動しなければならないのではないかという点が気になりました。
明細ボックスは一度に表示できるのは20件まで
クレジットカードや銀行の連携情報を表示する画面を、弥生会計Nextでは「明細ボックス」と呼びます。
他の会計ソフトでは表示件数を100件や200件にしてザっと内容を確認してから仕訳登録をすることがあるのですが、
弥生会計Nextでは一度に表示できる件数は20件で、これは固定のようです。
仕訳の検索はどうやってやるのか?
- 同じような仕訳を過去にやった気がする
- 経理担当が変わった時に前任者が入力した仕訳を確認したい
といった場面はよくあります。こういう時は試算表から辿っていったり、仕訳帳で検索をしたりして該当の仕訳を探すことになるのですが、
「摘要」で検索することが多いのではないかと思います。
弥生会計Nextでは操作日時や操作者、仕訳No.で履歴を辿る機能はあるようなのですが、摘要で検索してヒットさせる機能が見当たりませんでした。
個人事業主版はまだない
本記事執筆時点(※2024/12/19)で公開されている情報によると、弥生会計Nextは法人向けのサービスであり、個人事業主の方は使うことができないようです。
個人事業主の方向けに「やよいの青色申告オンライン」というソフトが既に存在するので、そちらを使うことが前提なのだろうとは思うのですが、
今後は個人・法人問わず、弥生会計Nextを使えるようになればいいなと思います。
弥生会計Nextに期待したい点
弥生会計Nextを実際に操作してみて気になった点をまとめましたが、今後期待したい点も多くあります。
既存の弥生会計ソフトからの乗り換えのしやすさに期待したい
どの会計ソフトもそうなのですが、会計ソフトの乗り換えをする際は初期設定に大変な労力がかかります。
もし既存の弥生会計ソフトから弥生会計Nextへの乗り換えが容易なのだとしたら、新しくリリースされる弥生会計Nextを使ってみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
決算書以外の法人税申告書類が作れるようになってほしい
弥生会計Nextの体験版を確認したところ、弥生会計Next上で作成が可能なのは決算書のみのようです。
法人税申告書・勘定科目内訳書・法人事業概況説明書はデータをダウンロードして別ソフトの「達人」にインポートすることは可能のようなのですが、
これらの申告書類も弥生会計Nextで作成することができるようになったら便利だと思います。
「部門」数を無制限で使えるようにしてほしい
店舗や支店が複数あったり、不動産業で物件を複数保有している法人の場合、部門をつけて会計入力をすることで
事業所ごと、物件ごとの損益が見えるようになります。
これは大変便利な機能なのですが、会計ソフトによっては使用することができる部門数に制限がある場合があるため、
弥生会計Nextでは無制限で部門を使えると便利だと思います。
法人税の申告機能まで実装されたら便利
法人税の申告書類はデータをエクスポートしてから達人で作成することを前提とした設計になっているようなので申告機能はついていないと思うのですが、
今後できるようになったら便利だなと思います。
ちなみにマネーフォワードは弥生会計Next同様、決算書のみ作成可能でその他の申告書類は別の申告ソフトで作成する設計になっています。
一方でfreeeは別途「freee申告」を契約すれば、会計 → 申告書類の作成 → 電子申告 までfreeeで完結させることができます。
まとめ
ここまで弥生会計Nextとfreee・マネーフォワードをいろいろな角度から比較し、弥生会計Nextを実際に操作してみた感想もまとめました。
3社すべての会計ソフトを操作したことあるという方は多くないと思うのですが、各会計ソフトの機能や操作感などについてイメージは湧きましたでしょうか?
最後にこの記事で説明した内容のポイントをまとめます。
どの会計ソフトもクラウド会計ソフトとしての機能に違いはない
どの会計ソフトも銀行口座やクレジットカードを連携し、インターネットにアクセスをして会計を行うという点に違いはありません。
- 会社以外でも会計にアクセスして数字を確認したい
- 税理士が入力した会計をいち早く確認したい
- 銀行やクレジットカードの取引数が多く、事務負担が多い
- 毎月紙の請求書を見ながら振替伝票で売上の仕訳をしている
- 給与から年末調整まで自社で行い、会計に連携させたい
とお考えの方の場合、クラウド会計ソフトを導入することによって毎月の事務負担が軽くなると思います。
一方で、
- 自分の業種だとどの会計ソフトが合っているのか知りたい
- 請求書の送付まで行っているサービスを探している
- 従業員の数が多い
- 事業所がいくつかあり、拠点ごとに損益を把握したい
- 税務申告だけでなく、毎月の数字のチェックのためにレポート機能も重視する
という風に具体的なニーズがある場合は、おのずと自社にあった会計ソフトが見えてきます。
弥生会計Nextはまだ正式リリース前で、不明点や今後改善を期待したい点も数多くありますが、
今後継続的に体験版を使用していき、実際にリリースされた後はより詳細の比較をしていけたらと思っています。
freeeとマネーフォワードを比較した記事もございますので、ここでは割愛した2つの会計ソフトの具体的な特徴を知りたい方は是非ご覧になってください。
あらかじめfreeeとマネーフォワードの特徴を押さえておくことで、今後弥生会計Nextがリリースされた際の検討もスムーズになると思います。
佐藤 修一
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。