ebay(イーベイ)やUS amazon(アマゾン)などを利用し、海外へ輸出販売を行っている場合、売上のなどのドル建て等の決済のためにPayPal(ペイパル)を利用されている方も多いかと思います。

PayPal(ペイパル)などを使用して輸出販売を行う場合、どのように経理・会計処理をするかについて説明しております。

特に輸出の場合、消費税の還付を受けるためにもきちんとした経理処理を行うことが必須になります。

ドル建て表示などのPayPal(ペイパル)の内容を経理処理するためには、外貨建ての取引をまず、日本円へ通貨換算する必要があります。

なぜなら、通貨を統一しなければ、仕入金額が日本円での表示となり、売上がamazon(アマゾン)やebay(イーベイ)へのUSドルとなってしまいます。

すると、販売したことによる利益がきちんと把握することができなくなってしまいます。

 

売上 1,000ドル ①販売金額
仕入原価 60,000円 ②仕入金額
ebay(イーベイ)手数料 100ドル ③出品手数料 
粗利益  ?④販売したことによる利益
①-②-③ 

よって、粗利益をいくら稼ぐことができているのかをきちんと把握するためにも通貨を円に統一することが重要になってきます。

ここで、ドルを円へ通貨換算するレートをどの時点のレートにするのかという問題があります。

日々の取引時点のレートで取引の日本円へ換算するのか、一定のレートを利用し簡便的に行うのか方法は様々です。

日々のレートを用いて日々の取引をドルから日本円へ換算することは非常に煩雑です。

ここでは、アメリカへの輸出取引の場合でドル建ての取引と想定します。

例えば、平成27年10月1日の為替相場が1ドル=100円、売上100ドル、ebay(イーベイ)手数料が10ドル、paypal(ペイパル)手数料が4ドルだとします。

この場合のドルをいったん日本円に計算して、経理処理を行います。

日本円に直してみると、売上10,000円、ebay(イーベイ)手数料1,000円、paypal(ペイパル)手数料400円となります。

これを日々の取引で都度計算することは非常に時間と手間がかかってしまいます。

おすすめの方法は、一月ごとに一つのレートを用いてドル建て取引を換算する方法です。

月中平均レートを利用します。

アベレージレートとも言いますが、その月の取引レートの平均値のことです。

そして、レートには、TTS、TTBがあります。

TTSは、輸入の際に利用するレートで、TTBは輸出の際に利用するレートです。

よって、輸出の場合には、TTBを利用してドル取引を日本円へ計算し直します。

例えば、USドルのTTB=120円、売上100USドル、ebay(イーベイ)手数料がUS10ドルの場合、

売上12,000円(100USドル×120円)、ebay(イーベイ)手数料1,200円(10USドル×120円)となります。

海外為替相場を調べるのに便利なのは、こちらのサイトです

このように日本から海外に輸出や海外から日本への輸入を行う場合、ドル建てなどの外貨取引を円に直すのに計算の手間がかかってしまいます。

しかし、PayPal(ペイパル)の場合は、CSVで出力し、計算式を組んでしまえば、これらの計算をスムーズに行うことができます。

そして、このCSVをMFクラウド会計・確定申告やfreeeなどで取り込んでしまえば、入力の手間も短縮できます。

また、繰り返しになりますが、きちんと毎月の利益を計算することで、残った利益金額の範囲内で国内での経費の支払い、在庫への投資、生活費に回すことができる金額を明確にすることができます。

毎月の利益をきちんと把握し、「いくら使えるのか」を明確せずに事業を行うことは資金ショートの恐れがあり、非常に危険です。

利益を計算することはこのリスクを回避するためだけではありません。

確定申告を行うことは、融資を受ける際に必ず必要になります。

ビジネスチャンスに備えるために銀行からの融資を受ける準備のためにもこれらの計算は手間ですが、是非取り組んでみて下さい。

福岡県福岡市の税理士 佐藤修一公認会計士事務所