本記事では、「兄弟間の相続」について、詳しく解説します。
兄弟間に相続が発生する場合、大きく分けて
・①兄弟から兄弟に相続が発生するケース
・②両親が亡くなり、子どもである兄弟にのみ相続が発生するケース
が考えられます。
兄弟間における相続が発生することを考えて、事前に、兄弟が遺産相続する際の注意点、遺産相続する際に起こり得るトラブルをよく検討しておくことが重要です。
また、本記事では、兄弟間相続の際の質問事項にも触れつつ
「②両親が亡くなり、子どもである兄弟にのみ相続が発生するケース」
を解説します。
【相談無料】まずはお気軽に問い合わせください
兄弟が死亡した場合、相続の問題はややこしくなるケースもあります。
スムーズに法定相続人がみつからない可能性も高く、相続できる遺産がどの程度あるのか、どんな内容なのか短期間で把握し切れないこともあります。
そのため兄弟の遺産相続に関しては、プロの手を借りることがおすすめです。
佐藤修一公認会計士事務所では、豊富なノウハウを有した公認会計士や税理士が、相続における適切なサポートを実施します。
また、相続手続については専門家と連携しており、ワンストップで相続に関するお手続きの案内が可能です。
初めての相続に不安を感じるケースでも、丁寧かつ安心していただける形の支援を行います。
相続に関する問題をお抱えの場合には、お気軽に「佐藤修一公認会計士事務所」にご相談ください。
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実際に、相続税を算出するときには「税理士に依頼」される方が多いです。
初めて依頼を検討される方の場合、
「複数の相続人がいる場合は、誰が税理士費用を払うのがよいの?」
という質問を受けることが多いです。
下記の記事では、
・相続の税理士費用は誰が払うのがよいか
・税理士費用の目安
・税理士費用を払う際の注意点
・税理士選びのポイント
について解説しているので、こちらの記事もぜひ、読んでみてくださいね。
目次
「両親が亡くなり、子どもである兄弟にのみ相続が発生するケース」の法定相続人は?
「②両親が亡くなり、子どもである兄弟にのみ相続が発生するケース」
についてお話しする前に、事前にまずは「法定相続人とはなにか」を理解しておきましょう。
相続が発生した場合、法定相続人の順位に準じて相続先が決まります。
以下では、「②両親が亡くなり、子どもである兄弟にのみ相続が発生するケース」の法定相続人について解説します。
法定相続人の優先順位
まずは、法定相続人とは何かを説明します。
法定相続人とは「死亡した人の財産を相続する権利を持つ人」を指します。
配偶者がいる場合には、その人が必ず相続人となります。
それ以外の優先順位は子どもが1位、親が2位、兄弟が3位となっています。
子どもである兄弟のみが相続人の場合は、法定相続人の順位は同順位となります。
兄弟が財産を相続できるとき
そのため、「被相続人の兄弟」が死亡した場合の「兄弟」の法定相続人の優先順位は3位であるため、そもそも子どもや親がいた場合は法定相続人にはなりません。
同じ「兄弟」という切り口で見ても、「子どもである兄弟」は優先順位が1位のため法定相続人になるケースが多いですが、「被相続人の兄弟」の場合は、優先順位が3位のため上位の順位の法定相続人がいる場合、法定相続人になりません。
この場合「被相続人の兄弟」に財産を残したい場合は、遺言書で相続をさせるなどの検討が必要です。
兄弟が遺産を相続する際に注意すること
ここでは、兄弟が遺産を相続する際の注意点について解説します。
「子どもである兄弟」が遺産を相続する場合と、「被相続人の兄弟」が遺産を相続する場合で、取扱いが変わりますので注意が必要です。
兄弟には遺留分が認められていない
「被相続人の兄弟」が遺産を相続する場合には、遺留分が認められていません。
「子どもである兄弟」が遺産を相続する場合には、当然、遺留分が認められます。
遺留分制度とは「遺言や遺贈に関わらず、相続人に対して一定額の相続財産を必ず保障する制度」のことです。
民法では、遺留分の権利者を「兄弟姉妹以外の相続人」としており、法定相続人の内、兄弟は除かれることになります。
そのため、「被相続人の兄弟」には遺留分が認められません。
遺留分侵害には配慮が不可欠
「子どもである兄弟」には、子どもの立場で遺留分が認められています。
遺留分の割合は、法定相続分の半分となります。
つまり、子どもの法定相続分は2分の1であるため、遺留分は4分の1となります。
そのため、子どもであれば、遺言書で不当に相続する遺産が少なく記載されていても、遺産の内、自身の法定相続分の2分1については、遺留分を主張する権利があります。
被相続人の兄弟が遺産を相続する際には相続税額が2割加算される
「被相続人の兄弟」が遺産を相続した場合、相続税額に2割を加算されて計算されることになっています。
「子どもである兄弟」が相続した場合には、この2割加算はありません。
相続税の2割加算は、被相続人の配偶者、被相続人の一親等の血族、代襲相続人となった直系卑属(孫等)以外の人が遺産を相続した場合に相続税額に2割が加算される計算方法です。
相続税額の2割加算は、被相続人と近い関係にあり相続財産が生活の資本となる人と被相続人との関係性が薄いのにたまたま相続財産を手にいれた人との課税の公平性を保つために設けられている制度です。
「子どもである兄弟」の遺産相続の際に起こり得るトラブルとは
ここからは兄弟を「子どもである兄弟」に限定します。
兄弟のみが相続人となった場合はもとより、兄弟とその両親の一方(被相続人の配偶者)が相続人となる場合(一般的によくある相続のパターン)も併せてよく起こり得るトラブルをご説明いたします。
不動産の割合が多くて兄弟に渡せる財産が無いとき
相続においては、不動産は分割が難しい財産です。
共有にすることもできますが、後々の財産の分割について争いの火種になることも想定されます。
また、不動産は他の財産と比較して評価額が高くなる傾向にあり、兄弟で平等に財産を分けたい場合、一方が不動産を相続する場合、他方が相続する財産が無いことも考えられます。
そもそも相続する財産が不動産しかない場合にも、兄弟間で平等に分けることは難しいです。
代償分割や事前に土地を分筆しておくことや揉めないように遺言書を用意しておくなど事前に対策をしておくことをお勧めします。
代償分割や分筆については、別の記事にて紹介いたします。
同居の子と同居していない子で被相続人への寄与度に違いがあるとき
民法では、被相続人の事業や財産の維持増加、療養看護などに特別に寄与(貢献)した者が相続人の中にいる場合には、その者の相続分に寄与分を加えた分を相続分とするとしています。
ただし、寄与分が認められるかどうかは判断が難しく、話し合いで決着しない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停に委ねることになります。
このように寄与分は、寄与を受ける方以外は損を感じてしまうことも多く、寄与分を受ける兄弟に理解があったり、感謝をしていたりといったことがない限りは、揉める要因になることが多いようです。
兄弟間で生前贈与や遺言書に不公平があるとき
先ほど事前に遺言書を用意しておくことが大事であると話しましたが、その遺言書の内容が兄弟間で偏りがあると揉める原因となります。
具体的には、跡取りである長男に全ての財産を引き継がせるといった内容であったり、生前不仲になった子どもには、一切相続をさせないといった内容になっていたりした場合が挙げられます。
また、生前に特定の子どもにだけ金銭的な支出をしていたような場合も兄弟間で不公平と感じる原因となります。
ただし、遺言書に書かれた内容に不満がある場合、遺産分割協議を行い話し合いによる解決を図ることもできますし、そもそも遺留分を満たしていない場合は、遺留分侵害額請求を起こすこともできます。
逆に言えば、このような争いが起こらないように遺言書を作成しておくことがベストです。
遺留分侵害額請求については、別の記事で紹介いたします。
音信普通の兄弟がいるとき、知らない兄弟が現れたとき
前項では、親と子どもが不仲(疎遠)であった例を挙げましたが、兄弟間で疎遠であった場合もトラブルの原因となります。
常日頃コミュニケーションを取れない状態にあった訳ですので、揉める可能性が高くなることに説明はいらないかと思います。
また、自分の知らない兄弟(異父兄弟・異母兄弟)が突然遺産分割の際に現れ相続財産を要求してくる場合も当然トラブルの原因となるでしょう。
そのため、事前に被相続人の戸籍謄本を取得し、相続人を確定させる作業を行っておいた方が良いでしょう。
戸籍謄本の取り方は別の記事で紹介いたします。
兄弟の遺産相続の際に起こり得るトラブルの対策
ここでは、先ほどまで取り上げた兄弟間の相続トラブルに当たり、どのような対策が有効であるかをお伝えします。
遺言書の作成をする
先に解説した通り、事前に入念に対策された遺言書の作成をしておくことは非常に重要です。
基本的に相続において遺言書の内容が何よりも優先されます。
そのため、まずは遺言書の存在を確認し、内容を公開します。
公正証書遺言(公証人が作成した遺言書)でない場合、開封しないで家庭裁判所に持ち込む必要があります。
遺言書の検認を申請し、検認済証明書を受け取る手順が求められます。
生前贈与を行う
生前贈与を行えば、相続時の分割の対象となる財産からは除かれるため、トラブル対策によさそうですが、分割対象となる財産ではないとはいえ、それは事前にもらっているに過ぎないため、相続人間でトラブルの種にならないとは言い切れません。
生前贈与の際に、被相続人にも同席してもらい兄弟の同意を得ておくなど、思わぬトラブルを避けるための準備はしておいた方がよいでしょう。
家族会議を実施する
故人が残した相続財産を正確に把握し、相続に必要な手続きを進めます。
預貯金、不動産、借金など、あらゆる相続財産を明確にする必要があります。
財産は本人しか把握していないケースもあり、調査に時間がかかる可能性もあります。
特に相続人が兄弟のみである場合で実家に頻繁に帰省できないようなケースでは、兄弟に財産のことを話す機会が少なく、周囲が状況を把握し切れていないことも多いです。
可能であれば事前に財産について話し合い、相続の問題に発展しないように備えると良いでしょう。
専門家を活用する
兄弟間の相続のトラブル回避について説明をしてきましたが、自己判断で相続財産の分割の判断をする、又はトラブルの解決をしようとすると間違った判断をする恐れがあります。
相続税や贈与税は毎年のように税制改正が行われています。
直近の改正をよく理解しておかないと、とんでもないミスをしてしまいかねません。
また、相続人間のトラブルは、第三者出来れば弁護士などの法律の専門家の助けを得た方が良いケースもあります。
相続に関する判断をし、実行をする前には各専門家に相談することをお勧めいたします。
生命保険を活用する
生命保険金は遺産分割の対象とはなりません。
保険金受取人固有の財産であるという判断になるからです。
そのため、兄弟間のトラブルを回避するために、相続させたい人に確実に相続させるためには、生命保険金の活用は良い方法だと思います。
ただし、可能性としては低いのですが、他の相続人との間で遺産の分割が不平等であると判断され生命保険金を特別受益として相続財産に加算して遺産分割をすることになる可能性もあり得ます。
また、逆に自分ばかりもらっては悪いからといって、保険金受取人が生命保険金を分配した場合には、他の相続人に生命保険金を贈与したことになり、贈与税が発生することも検討しておく必要があります。
特別受益については、別の記事で紹介いたします。
下記の記事では、「【相続でもめる原因】主な事例・もめごとを避ける方法」について詳しく解説しています。
こちらの記事も併せて読んでみてくださいね。
その他兄弟が遺産を相続するときに気を付けること
ここでは、兄弟間の相続の際によくある質問をご紹介させていただきます。
皆さん抱えていらっしゃる悩みは同じですので、事前に兄弟間の相続の問題点を把握しておく意味でもご参考にしていただけたらと思います。
絶縁している兄弟がいる場合に気を付けること
絶縁している兄弟がいる場合、そもそも連絡が取れません。
しかし、遺産分割協議を行わないことには相続税の申告もままなりません。
絶縁している兄弟にも遺産分割協議に参加してもらう必要があります。
どうしても直接会いたくない場合は、メール、手紙、電話、チャットやラインなどでやり取りをすることを検討するしかありません。
遺産分割協議は、最終的に遺産分割協議書を作成し押印する必要があり、一つの書類に双方押印をする必要があります。
そのため、どうしても上手くいかない場合は、税理士や弁護士など専門家に間に入ってもらう方が、結果的にスムーズに話し合いが進むこともあります。
検討してみてください。
遺言書に遺産は兄弟以外に渡すと書かれていた場合に気を付けること
遺言書に兄弟以外に遺産を渡すと書いてあった場合、子どもである兄弟には遺留分を主張することができます。
遺言書の形式不備や遺言者の意思表示をする能力に疑義がある場合は、そこを論点として持ち出しても良いかもしれません。
また、寄与分を主張することも考えられます。
被相続人の財産の維持や増加に貢献していた場合は、相続財産を分けてもらえるかもしれませんので検討の余地はあります。
まとめ
この記事では、「兄弟間の相続」の中で
・②両親が亡くなり、子どもである兄弟にのみ相続が発生するケース
について詳しく解説してきました。
記事の内容を参考に、兄弟間における相続が発生することを考えて、事前に、兄弟が遺産相続する際の注意点、遺産相続する際に起こり得るトラブルをよく検討して頂けたら幸いです。
【相談無料】まずはお気軽に問い合わせください
兄弟が死亡した場合、相続の問題はややこしくなるケースもあります。
スムーズに法定相続人がみつからない可能性も高く、相続できる遺産がどの程度あるのか、どんな内容なのか短期間で把握し切れないこともあります。
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佐藤修一公認会計士事務所では、豊富なノウハウを有した公認会計士や税理士が、相続における適切なサポートを実施します。
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実際に、相続税を算出するときには「税理士に依頼」される方が多いです。
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「複数の相続人がいる場合は、誰が税理士費用を払うのがよいの?」
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下記の記事では、
・相続の税理士費用は誰が払うのがよいか
・税理士費用の目安
・税理士費用を払う際の注意点
・税理士選びのポイント
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佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716)
公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。
(株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。
全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。
総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。