業界未経験で税理士事務所に入る際に、良くあるご質問の一つに「事前に読んでおいた方が良い本はありませんか?」とのご質問をいただくことがあります。

ここでは、業界未経験で会計事務所に就職を希望されている方向けに、事前に読んでおくと仕事にスムーズに入れる書籍についてまとめてみました。

業界未経験者が税理士事務所に入って一番最初に行う業務とは

まず、税理士事務所に入所し、業界未経験者の方が行う仕事内容に以下のようなものがあります。

・記帳代行‥中小企業の経理を行うこと
・法人の決算申告‥会社の決算、税務申告
・個人の確定申告‥個人の決算、税金申告
・税金に関する相談‥税金予測・節税のご提案、税務調査立会
・年末調整‥従業員の税金計算

これらの業務の詳しい説明はこちら

税理士事務所に未経験者が入る際になぜ読書が必要なのか

上記の業務は、どんな仕事にも言えることですが、入っていきなり出来るものではなく、一定の知識と経験により出来るようになる仕事です。

経験は、税理士事務所に入ってからしか得ることができませんが、知識面は事前の準備で得ることができ、知識があるかないかは、税理士事務所に入ってから大きなアドバンテージになります。

よって、税理士事務所にはいる事前の準備として、知識の仕入=読書が重要になってきます。

 

事前にどんな書籍をよむべきか

事前に読んでおく書籍としては、できるだけ分かりやすく書かれていること大切です。

いきなり専門書から入ると理解できず、挫折してしまう恐れがありますし、専門書にもレベルがあり、専門書は段階的に読むべきだからです。

私がこれまで読んだ本でお勧めの本とその本を読んで見につけることができる知識についてまとめてみました。

会計事務所の仕事がわかる本 須田邦裕

この本には、会計事務所の仕事の内容、役割、具体的な仕事内容についての説明が網羅的に書かれています。

業界未経験者の方でも一通り読めば、仕事内容がイメージできるようになるばかりか、どんなことに気を付けながら仕事を行うべきかが分かるようになる本です。

就活前に税理士事務所の役割と具体的な仕事を知る上でも役立つ知識を得ることができます。

全320ページにわたる本でしっかり読むには、時間がかかりますが、一番おすすめの本になります。

 

所得税法超入門 税理士法人山田&パートナーズ

 

この本には、個人の税金ルールである「所得税法」で実務に使う箇所がコンパクトにまとまっています。

ページ数が215Pほどで、サイズが小さく持ち運びに便利です。

税理士事務所の未経験者にとっての最初の関門である「年末調整」や「確定申告」に役立つ基礎知識を得ることができます。

税金に関する法律である税法は言葉が難解で、まずは慣れることが必要です。

所得税は範囲が広く、実務に使うべき箇所とそうでない箇所がハッキリわかれるため、勉強しにくい法律です。

しかし、所得税は、色んな税金のルールに関連するため、大切な税法になります。

実務に入ってからも手元に置いておくと便利な本だと思います。

個人的には、譲渡所得、山林所得に関する箇所は、あまり使わないので後回しでも良いと思います。

この山田&パートナーズの超入門シリーズは、所得税だけなく、特に「消費税超入門」はおすすめです。

青色申告超入門 山田&パートナーズ

次も山田&パートナーズの青色申告超入門シリーズです。

この本には、各種税金に関するメリットを受けることができる青色申告に関して説明がされています。

会計帳簿にはどんなものがあるのか、帳簿のつけ方、所得に関することなど実務に入って使う知識が満載です。

税理士事務所が行う仕事の一つに税務署への各種届け出の提出あります。

そして、これを読んでおくと、税務署へ提出する各種届け出の提出書類の種類や書き方について分かりやすく記載しているため、おすすめです。

 

法人税実務の基礎 菅原英雄

この本には、会社に関する税金のルールである法人の基本知識を見につけるためにはぴったりの本です。

理解することは難しいと思いますが、色んな言葉や書類に慣れるという意味で良い本だと思います。

税理士事務所に入ってからの壁の一つに「法人税の申告書作成」業務があります。

作成する書類の量と聞きなれない難解な言葉が数多く出てくるため、戸惑う方が多いようです。

最初の戸惑いを少しでも少なくするためにこの本は良いかと思います。

また、税金のルールは税法という法律で決まっています。

法律を読むのは、慣れが必要です。

法律に慣れるという意味でもこの本はお勧めです。

稲盛和夫の実学ー経営と会計

ここから先は、ご自身が会計事務所に入ってからどんなことをやりたいかによるところです。

会計を使って経営サポートを行いたいという方には、この本はお勧めです。

稲盛さんの理論ではなく、現場の経営から生まれた数字に対する考え方、こだわりについて書かれています。

尊敬する社長から進められ呼んだのですが、最初にこの本を読んだときは、衝撃でした。

書籍から感じる熱量とその理屈が理路整然としており、会計士として学んできたことが理論であり、実務にはまだまだ使えないと思い知らされました。

税理士事務所で仕事を行っていると、経理=税務署のため‥となりがちです。

そんな時、何のために経理を行うのか‥「経営をより良くするため」と会計の根本を再認識するためにもお勧めです。

新入社員から社長までビジネスにいちばん使える会計の本 安本隆晴

 

この本は、経営を行う上での数字の見方について、ユニクロの監査役である安本氏により網羅的に書かれています。

税理士事務所では、数字を作って、その数字をどのように経営に役立てるかが重要です。

数字とは、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書がなどがありますが、たくさんの数字の羅列で、どの数字を重視して経営すべきか、そして、どのように分析するかについて分かりやすく書かれています。

業界未経験で税理士事務所に入社し、実務に入ると、税法や簿記に関する知識の詰め込みが必要となり、こういう分野の勉強に時間をなかなか割くことができないので、税理士事務所に入る前に是非読んでおいた方が良いと思います。

 

まとめ

以上のように業界未経験で会計事務所に就職を希望している方向けに、入社前に事前に読んだら、仕事がスムーズになる本についてまとめてみました。

税理士事務所で使う知識は用語は非常に専門的です。

事前の準備が無いと当初用語知らない用語が飛び交い、何のことか分からず、?だらけになってしまうばかりか、意味も分からず、ただ業務をこなすだけになってしまい、理解することなく何となく仕事を行ってしまう恐れがあります。

私自身、会計士試験に合格した後、監査法人を退職し、税理士業界に飛び込みました。

税理士業界に入る前、約1年間税法、会計、経営に関する本を約200冊読みました。

そのおかげあってか、税理士事務所に入所し、当初は仕事内容があまりに違うため大変でしたが、知識面で苦労することなく、業務を行うことができたと実感しています。

会計事務所の仕事の質は知識の量が勝負になることが非常に多い仕事です。

そして、読書をすることで自分の知らないこと、出来ないことを発見することができるため、実務にはいってからも読書がご自身の成長のためには、不可欠だと感じています。

あまり本を読む習慣が無い方は、会計業界に入る前に是非読書の習慣づけを行ってはいかがでしょうか。

 

また、たくさんの本を読み、読み終わった本を自身の財産とするには以下の「レバレッジ・リーディング」がおすすめです。

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