私が事務所経営を行う上での考え方は、ドラッカーの理論がベースとなっています。

初めてドラッカーに出会ったのは、約7年前になります。

当時私は、監査法人を退職し、税理士事務所に勤務する準備をするため、約1年間、出身大学の西南学院の図書館で色んな本を読んでいました。

当時、税理士事務所の職員として働いていくには、税務や会計以外に、経営者と会話ができる土俵に立つためには、経営に関する理論を学ぶ必要性があると感じ、ドラッカーのマネジメントを読み、それから、徐々にドラッカーの考え方にはまっていきました。

ドラッカーにはまるきっかけは、マーケティングに関する記述です。

ドラッカーを読むまで私のマーケティングの認識は、「いかに売るか、営業を上手をおこなうか」でした。

しかし、ドラッカーによれば、マーケティングとは、「顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるにようにすること」

そして、顧客の満足をベースに考え、経営しなければならないと痛感したのを覚えています。

 

ドラッカーの著書は、どれも内容が奥深く、その数が膨大で、範囲もかなり広いため、全てを読みあさるには、非常に時間がかかります。

そして、これらを経営の実践に活かすとなると簡単でないように思います。

 

ドラッカーの経営に関する考え方が体系的にまとまって、経営の実践に活かすためにお勧めの本があります。

藤屋伸二先生の書かれている「ドラッカー経営がよくわかる本」です。

 

全部で200Pほどにまとまっていて、ドラッカーの経営に関する基礎知識が網羅的に記載されています。

また、要所で図を使ってあるので、整理しながら理解することができます。

ドラッカーの著書は、私にとっては、文書表現が難しい箇所がありますが、分かりやすい記述と事例による説明が多いので、自社に置き換えて考えながら読み進めることができます。

利益に関して以下のような記述があります。

「利益とは、目的ではなく、企業が存続していくための「必要条件」です。利益がなければ企業は存続できません。企業における利益は人間にとって水や空気と同じです‥利益は差別化と独自化の結果で、利益は企業の強さを計る物差しになる」

私自身数字を扱う仕事なので、数字をベースにしすぎてしまい、利益が目的になってしまいがちだと感じます。

そして、経営を行うにあたって目標を設定することがあるかと思いますが、その経営目標について以下のような記述があります。

「目標による管理とは、経営理念や方針、戦略に基づき、
「現在の繁栄」と「将来の繁栄」のバランスをとることであり、
「顧客満足」と「自社の利益」のバランスをとることであり、
「人間の感情」と「数字のシビアさ」のバランスをとること」

この一言に、私自身、現在の繁栄、自社の利益、数字のシビアさを重視してしまっていて、バランスがとれていないことを思い知らされました。

事あるごとに読み返したい本の1冊になりそうです。

ドラッカーが好きな方のみならず、おすすめです。

是非読まれてみてください。