相続財産の使い込みに泣き寝入りしないために|返還請求のポイントと方法
相続
2024/11/06
2024/11/01
遺産相続では、「親族の1人が相続財産を使い込んでいた」というトラブルが少なくありません。
しかし、相続財産の使い込みは証明が難しく、泣き寝入りしてしまうケースもあるでしょう。
この記事では、相続財産の使い込みが発覚した場合の対処法を解説します。
もし相続財産を使い込まれてしまった場合、必ずしも泣き寝入りをする必要はありません。
この記事を参考に対処法を見つけてください。
【相談無料】まずはお気軽に問い合わせください
相続財産を使い込まれてしまった。どうしたら良いだろうと悩まれている方は以外と多いと思います。
相続財産の使い込みに対して対処する方法はありますが、自分一人で対処するのはとても難しいです。
そのため相続財産の使い込みで悩まれた場合、プロの手を借りることがおすすめです。
佐藤修一公認会計士事務所では、豊富なノウハウを有した公認会計士や税理士が、相続における適切なサポートを実施します。
また、相続手続については専門家と連携しており、ワンストップで相続に関するお手続きの案内が可能です。
初めての相続に不安を感じるケースでも、丁寧かつ安心していただける形の支援を行います。
相続に関する問題をお抱えの場合には、お気軽に「佐藤修一公認会計士事務所」にご相談ください。
初回相談は無料です。
弊社は福岡市にありますが、オンライン対応していますので、全国どこの方でも対応させていただいております。
初回の無料相談をオンライン(ZOOMなど)や電話で受け付けておりますので、まずはお問い合わせページのフォームよりお問合せをお待ちしております。
実際に、相続税を算出するときには「税理士に依頼」される方が多いです。
初めて依頼を検討される方の場合、
「相続の手続きは、どんなことが必要なの?」
という質問を受けることが多いです。
下記の記事では、
・死亡後に必要な相続手続きの流れ
・相続手続きの申告後に行う手続きの流れ
について解説しているので、こちらの記事もぜひ、読んでみてくださいね。
下記の記事では、
・相続手続き代行を行っているおすすめの専門家
・相続手続き代行が必要な理由
について解説しているので、こちらの記事もぜひ、読んでみてくださいね。
目次
相続財産の使い込みとは?
相続財産の使い込みとは、「財産管理能力が低下した人の財産を、無断で使用してしまうこと」を言います。
例えば、親の相続が発生した場合、次のようなケースが想定されます。
➀預貯金の無断引き落とし
➁勝手に親の不動産を売却する
③勝手に生命保険を解約する
一般的にこのようなケースでは、親の死亡後、遺族が預金の取引履歴を見たときなどに発覚することが多いでしょう。
相続財産の使い込みには2つのパターンがある
相続財産の使い込みは、次の2つのパターンに分けられます。
➀生前の使い込み
➁相続発生後(死後)の使い込み
生前の使い込みは、本人の財産管理能力の低下につけ込んだものが多く、相続発生後の使い込みは、財産の分配が行われるまでの期間を利用して行われるものが多いでしょう。
【生前】相続財産の使い込みの例
生前の相続遺産の使い込みには、以下のようなケースが考えられます。
・親から預かったキャッシュカードで預金を引き出す
・不動産や有価証券などの不正な売却
1.親から預かったキャッシュカードで預金を引き出す
高齢になると、自分の財産を自分で管理することがだんだんと難しくなるでしょう。
子どもにキャッシュカードや通帳を渡して、財産管理を任せているという家庭も少なくありません。
しかし、親からの信頼を逆手にとり、子どもがお金を勝手に引き出して使ってしまうケースがあります。
2.不動産や有価証券などの不正な売却
本人の判断能力が低下していることを利用して、実印を勝手に持ち出したり、「売らないといけない」と思い込ませたりして、不動産や有価証券などの資産を売却するケースもあるでしょう。
なかには、売却で得た利益を本人に一銭も渡さず、すべて使い込んでしまう場合もあります。
【相続発生後】相続財産の使い込みの例
相続発生後の財産の使い込みには、以下のようなケースが考えられます。
・口座凍結までに預金を引き出す
・被相続人の死亡を金融機関に伝えず、預金を引き出し続ける
1.口座凍結までに間に預金を引き出す
亡くなった人の銀行口座は凍結されますが、金融機関が名義人の死亡を知るまでにはタイムラグがあります。
そのため、口座が凍結される前に、遺族が故人の預貯金を勝手に引き出してしまうことがあります。
2.被相続人の死亡を金融機関に伝えず預金を引き出し続ける
遺族が故人の死亡を伝えない限り、銀行口座が凍結されることはありません。
そのため、親の死亡をあえて金融機関に伝えず、自分のほしいままに預金を引き出すという悪質なケースもあります。
相続残産の使い込みが発覚!泣き寝入りしないための対処法
相続財産の使い込みが発覚した場合は、以下のように対処するとよいでしょう。
まずは当人同士で話し合う
当人同士の話し合いで解決すれば、無用な争いを避けることができます。
話し合いによって、使い込みではなく、リフォーム費用や医療費にあてたものだったと発覚するケースもあります。
相手が使い込みを素直に認めれば、返還を求めたり、遺産分割協議によって遺産の取り分を減らしたりといった方法を取れるでしょう。
遺産分割調停を申し立てる
遺産分割調停とは、調停委員の立ち合いのもと、家庭裁判所で行う話し合いのことです。
親族間の話し合いだけでは解決が難しい場合に、有効な手段です。
遺産分割調停では、遺産分割をする時点で存在する財産を対象にします。
しかし、令和元年の相続法の改正により、相続人全員の同意があれば、相続開始後に使い込みをされてしまった財産も遺産分割の時点で存在するものと見なすことになりました。
ただし、相続開始前(=故人の生前)の使い込みは対象外なので注意が必要です。
民事訴訟を起こす
話し合いや遺産分割調停での解決が困難な場合は、民事訴訟を検討します。
遺産の使い込みに対する訴訟は、「➀不当利得返還請求」と「➁不法行為に基づく損害賠償請求」があり、いずれかを選択することも両方同時に起こすこともできます。
➀不当利得返還請求
そもそも遺産は、遺産分割により相続人が分け合うものです。
相続人の1人が勝手に取得する行為は不当利得(法律上の正当な理由なく利益を受けること)となります。
損失を被った人は不当に利益を得ている人に対して、不当利得の返還を求めることができます。
➁不法行為に基づく損害賠償請求
遺産の使い込みは不法行為(故意または過失によって他人の利益を侵害し損害を与える行為)です。
遺産の使い込みは違法です。
他の相続人は違法行為によって遺産を受け取れず損害を被っています。
そのため不法行為が成立しますので、損害を受けた側が損害賠償請求を求めることができます。
遺留分侵害額請求を起こす
遺産の使い込みの証拠がなく、相手も認めていない場合は、遺留分侵害額請求を検討しましょう。
遺留分とは、民法で定められている相続人全員が最低限取得することができる遺産の割合をいいます。
遺留分は、生前贈与も対象となります。
相手が「使い込みではなく贈与だ」と主張した場合にも有効な手段です。
相続財産の使い込みを証明する方法
相続財産の返還を求める際には、相手の使い込みを証明する必要があります。
取引履歴を調査する
まずは、金融機関に対して口座の取引履歴の開示請求を行い、不自然な出金・解約がないかを確認しましょう。
取引履歴は、過去10年間まで遡って開示請求することが可能なケースが多いですが、金融機関によって開示請求できる期間は異なります。
被相続人や相続人の謄本や印鑑証明が必要になりますので、事前に金融機関に必要資料を問い合わせておくことをお勧めします。
なお、その際に開示請求に要する手数料も聞いておくとよいでしょう。
財産(遺産)を管理していたことを証明する
「使い込みがあった」という事実だけでなく、財産(相続発生後であれば遺産)を使い込んだ人が誰なのかを証明する必要もあります。
そのためには、使い込みがあった時期に、間違いなくその人が財産(遺産)を管理していたことを証明しなければなりません。
仮に被相続人が介護を受けなければならない状況であったり入院していた場合は、自身で財産を消費することができないため、財産を管理していた相続人が使い込みをした可能性が高まります。
相手が認めない場合は、介護の記録や医療機関の診療記録などから証明していくことになります。
また、本当に必要であった費用の額と使われた金額に差がある場合は、使い込みの可能性がありますので、実際にかかった費用の証拠を集めることも重要です。
被相続人の同意がなかったことを証明する
被相続人の同意がなく、無断の使い込みであったことの証明も必要です。
被相続人が使い込みを知っていて、手紙などで履歴を残してくれていればとても強い証拠となります。
他にも、医療機関の受診記録や介護の記録から、被相続人が認知症であることを証明するといった方法なども考えられるでしょう。
大きな額の引き出しがあった場合は、住まいのリフォームや入院など、特別な支出が必要な生活状況だったかどうかも争点となります。
相続財産の使い込みは罪に問える?
入居施設のスタッフといった第三者による使い込みは、窃盗罪や横領罪が成立する可能性があるでしょう。
一方、配偶者や直系血族、同居親族による使い込みは、刑法第244条1項の「親族間の犯罪に関する特例」が適用されます。
これにより刑が免除されるため、使い込みを罪に問うことは困難であるといえるでしょう。
しかし、配偶者や直系血族、同居親族が後見人に就任している場合は、親族間の犯罪に関する特例」は適用されず横領罪の罪で告訴することができます。
後見人による被相続人の財産管理は職務として行いますので、業務上横領罪となります。
ただし、相手が話し合いに応じない場合、民事訴訟を起こすことは可能です。
相続財産の使い込みに時効はある?
相続財産の使い込みに対してなんらかの措置を講じる場合は、「時効」に注意しましょう。
それぞれの対処方法における時効は、以下のとおりです。
【公訴時効】
➀不当利得返還請求
使い込みの事実を知ってから5年、もしくは使い込みが発生してから10年
➁不法行為に基づく損害賠償請求
使い込みの事実を知ってから3年、もしくは使い込みが発生してから20年
➂遺留分侵害額請求
相続開始および遺留分を侵害する贈与や遺贈があることを知ったときから1年、相続開始から10年
➃横領
単純横領罪は5年、業務上横領罪は7年
➄窃盗
7年
相続財産の使い込みにおける問題点
相続財産の使い込みには、以下のような問題点があります。
使い込みの証明は困難
使い込みの事実を証明することは容易ではありません。
相手が認めないことが多いだけでなく、金融機関への開示請求や取引履歴の読み解き方など、さまざまな場面で専門知識やノウハウを要するためです。
親族間のトラブルに発展しやすい
相手が使い込みを認めて「使った分は返す」と言ったとしても、口約束では新たなトラブルを招きかねません。
トラブルを防ぐためには、遺産分割協議書を作成する必要があります。
遺産分割協議書とは、遺産分割について相続人全員が合意した内容を証明する書類のことです。
相続税の修正申告が必要な場合もある
使い込みや遺産隠しなどを解決して、本来受け取るはずだった遺産を無事に相続できた場合、相続税の修正申告が必要になるケースがあります。
また、遺産分割協議のやり直しも必要になるため、当事者にとっては大きな負担となるでしょう。
相続財産の使い込みについて専門家に相談するメリット
相続財産の使い込みを解決する近道は、専門家に相談することです。
自分たちだけで解決する場合と異なり、以下のようなメリットを得られます。
話し合いで解決できる可能性が高まる
当事者同士が直接やりとりすると、相手が言い逃れをしようとしたり、感情的になってしまったりして、話し合いがスムーズに進まない恐れがあります。
専門家が間に入ることで、相手に対してこちらの本気度が伝わり、話し合いで解決できる可能性がぐっと高まるでしょう。
調停や訴訟に発展する前に、解決の糸口を見つけられることも少なくありません。
調査の手間や負担を軽減できる
金融機関に取引履歴の開示請求をしたり、医療機関の診療記録を取り寄せたりなど、使い込みを証明するためには多くの労力を必要とします。
使い込みを証明するための資料収集を専門家に依頼すれば、相続人の負担を軽減できるでしょう。
プロの目線から取引履歴を確認することで、正当性をより正確に検証できる点もメリットです。
相続税についても相談できる
前述のとおり、使い込みの問題が解消して本来受け取るはずだった遺産を相続すると、相続税の修正申告が必要になる場合があります。
相続財産の使い込みについて税理士に相談すれば、問題解決後の相続税申告や修正申告まで一貫してサポートを受けることが可能です。
相続財産に対する税務調査が行われる場合も、適切なアドバイスを受けられるでしょう。
まとめ
残念ながら、親族が相続財産を勝手に使い込むケースは一定数存在します。
相続財産の使い込みが発覚したとき、泣き寝入りしないためには証拠集めが肝心です。
しかし、使い込みの証明は容易ではありません。
集めた資料から情報を正確に読み解くためにも、相続に強い専門家に相談することをおすすめします。
【相談無料】まずはお気軽に問い合わせください
相続財産を使い込まれてしまった。どうしたら良いだろうと悩まれている方は以外と多いと思います。
相続財産の使い込みに対して対処する方法はありますが、自分一人で対処するのはとても難しいです。
そのため相続財産の使い込みで悩まれた場合、プロの手を借りることがおすすめです。
佐藤修一公認会計士事務所では、豊富なノウハウを有した公認会計士や税理士が、相続における適切なサポートを実施します。
また、相続手続については専門家と連携しており、ワンストップで相続に関するお手続きの案内が可能です。
初めての相続に不安を感じるケースでも、丁寧かつ安心していただける形の支援を行います。
相続に関する問題をお抱えの場合には、お気軽に「佐藤修一公認会計士事務所」にご相談ください。
初回相談は無料です。
弊社は福岡市にありますが、オンライン対応していますので、全国どこの方でも対応させていただいております。
初回の無料相談をオンライン(ZOOMなど)や電話で受け付けておりますので、まずはお問い合わせページのフォームよりお問合せをお待ちしております。
実際に、相続税を算出するときには「税理士に依頼」される方が多いです。
初めて依頼を検討される方の場合、
「相続の手続きは、どんなことが必要なの?」
という質問を受けることが多いです。
下記の記事では、
・死亡後に必要な相続手続きの流れ
・相続手続きの申告後に行う手続きの流れ
について解説しているので、こちらの記事もぜひ、読んでみてくださいね。
下記の記事では、
・相続手続き代行を行っているおすすめの専門家
・相続手続き代行が必要な理由
について解説しているので、こちらの記事もぜひ、読んでみてくださいね。
佐藤 修一
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。