不動産投資の「残債利回り」について

税務・節税

2020/09/17

2016/08/10

昨日、個人として、不動産投資をされているオーナーの方とお話しする機会がありました。

その方の所有物件数を聞いて驚きました。

なんと福岡県内に500戸所有しているとのことです。

相続で取得した不動産ではなく、ご自身で買い進めた結果、500戸まで膨らんでいったそうです。

そして、非常に参考になるお話を聞くことができました。

銀行との付き合い方、事業計画書の作り方、物件購入のタイミング、リフォーム業者との付き合い方、管理会社の選び方、投資エリアの選び方等々短い時間でしたが、

いずれも「目からうろこ」という感想です。

これまでは、私自身数字の話が中心で、不動産投資のスタートからいかにその不動産の価値を高めていくのかというプロセスをこれまで、重視していなかったことを反省しました。
特に印象に残ったことが2つありました。

一つは、不動産投資の基準に関することです。

その方は「残債利回り」をベースに不動産投資を考えていらっしゃいました。

残債利回りとは、年間の家賃収入の比率が、借入金の残高に対してどれだけあるのかを表す比率のことです。

残債利回り=年間の家賃収入÷借入金の残高

個別の投資案件、全体としての投資案件の家賃収入のキャッシュインフローと将来のキャッシュアウト総額借入金の残高とを比較し、安全性を検討することができるようになります。

残債利回りの分母の数式の「年間の家賃収入」から管理費、修繕積立金を控除したキャッシュフローのネットで計算しても面白いかもしれません。

これまで、不動産の投資の基準は、表面利回り、実質利回りを基準に投資判断を行うものと考えていました。

表面利回り、実質利回りの指標は、他の物件や借入残高を加味した全体としてのリスクを反映することができませんが、

残債利回りを使えば、他の物件の状況、借入残高を加味しつつ、新規投資案件の残債利回り、投資後の全体としての残債利回りを検討することができます。

もう一つは、物件に対して愛着を持っていらっしゃったことです。

500戸も所有しているにも関わらず、ご自身でそれぞれの定期的に物件を見回り、問題点、改善点をご自身で考えていらっしゃるとのことです。

また、ご自身で、物件の壁紙、清掃などを行ったり、

空室率を下げるため、リフォーム会社の方といろんな案を出しあいながら、物件の価値を高めていった話を聞き、

そこには、ドラマがあり、この方は、不動産が本当にお好きなんだと感じました。

お恥ずかしいのですが、不動産投資は、奥が深く、まだまだ勉強が足りないと感じましたが、非常に刺激的でした。

今後は、不動産投資のプロセスに関して、サポートできるよう勉強していきたいと考えております。

佐藤 修一

佐藤修一公認会計士事務所代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。