中小企業経営強化税制について説明しています。

この税制を利用するには、事前に「経営力向上計画」を作成し、国の認定が必要となります。

経営力向上計画の詳しい説明はこちら

中小企業経営強化税制の概要

青色申告を行っており、「中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力強化向上計画に基づいて」中小企業が平成29年4月1日~平成31年3月31日までの期間に企業の生産性が向上する設備又は、収益力向上する設備を取得した場合、以下の中小企業経営強化税制をうけることができます。

 

①減価償却せず、取得した設備投資の金額100%経費にできる
②購入した金額の約11%(法人税と地方税を合計)の税金を少なくできる(=設備投資額の実質的11%値引効果)

①、②のいずれがを選ぶことできる税制で、非常にメリットの大きい税制です。

①は即時償却といい、通常設備を取得した場合、耐用年数の期間に渡り、減価償却する処理を行わず、取得した期に全額経費にするため、経費の前倒し処理になります。

②は税額控除といい、取得した設備を通常通り減価償却していきながら、同時に設備を取得した期に法人税、地方税を購入した金額に応じて直接控除できる制度です。

①と②は同時に使うことができず、①か②のいずれかを選ぶことになります。

例えば、この中小企業経営強化税制を使い3000万円の設備投資を行ったとします。

①を使った場合には、3000万円全額が取得した期の経費にすることができます。

一方、②を使った場合には、取得した期の3000万円×11%=330万円を通常通り法人税を計算した後、最後に控除することになります。

取得した期の経費を大幅に少なくすることができ、結果、法人税を抑えることができるため、短期的な税金メリットを選ぶなら、①の即時償却です。

即時償却した場合も、通常通り減価償却を行った場合にも、耐用年数期間中トータルで経費にできる金額はともに3000万円で変わりません。

一方、②の場合には取得した期に330万円の法人税を少なくすることができるため、②の方が330万円分法人税を抑えることができるため、長期的に長期的な税金メリットを選ぶなら、②の税額控除になります。

即時償却と税額控除どちらを選ぶかどうかについてこちら

 

中小企業経営強化税制の対象となる設備

どんな設備投資でも対象になるわけではなく、①生産性がアップする設備(生産性向上設備 A類型)か②収益力がアップする設備(収益力強化設備 B累計)が対象となります。

 

①生産性向上設備 A類型とは

投資する設備が以下の2つの要件を満たすことが必要です。
1、設備の販売時期が一定期間内に販売されていること
2、生産性向上指標(生産効率、精度、エネルギー効率など)が旧モデルと比べ1%以上向上していること

そして、これらの販売時期要件、生産性向上の要件を満たしているとの証明書を設備メーカーより入手し、税務署へ提出することで生産性向上設備A類型の中小企業経営強化税制を受けることができます。
よってこれらを満たすかどうかは購入時に設備メーカーに確認してください。

生産性向上設備(A類型)の対象となる設備と金額要件は次のとおりです。

設備の種類 用途又は細目 最低価額 販売開始時期
機械装置 全て 160万円 10年以内
工具 測定工具及び検査工具 30万円 5年以内
器具備品 全て 30万円 6年
建物附属設備 全て 60万円 14年
ソフトウェア 設備の稼働状況等に係る情報収集機能及び分析機能 70万円 5年以内

 

②収益力強化設備 B類型とは

設備投資を行うことによって、投資利益率が5%以上になることについての投資計画の確認申請書について経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けることが必要です。

投資計画の確認申請書はこちら

投資利益率とは次のようになります。

「営業利益+減価償却費」の設備投資後の3年平均増加額÷設備投資額

この投資計画の作成は、設備投資により収益力がアップする単位ごと(例:工場の生産ラインごと)に作成します。

また、この投資計画の確認申請書について税理士・公認会計士の事前の確認書を添付し、経済産業局に確認を依頼することが必要です。

そして、経済産業局からの確認書を税務署へ提出することでこの収益強化設備のB類型の中小企業経営強化税制をうけることができます。

この収益強化設備のB類型の中小企業経営強化税制の全体フローは以下のようになります。

・ステップ①(企業)投資計画の作成

・ステップ②(税理士・公認会計士)投資計画の確認書の発行

・ステップ③(経済産業局)投資計画と税理士の確認書を協議し、中小企業経営強化税制の確認書を企業へ発行(標準認定機関は30日程度)

これらのステップは、Ⅰ設備取得後60日以内、Ⅱ企業の各事業年度以内に計画書を経済産業局の受理が必要でとなりますのでこのB類型を検討される場合には、早めに投資計画の作成、税理士、公認会計士へのご相談されることをお勧めします。

収益強化設備のB類型の対象となる設備と金額要件は次のとおりです。

設備の種類 用途又は細目 最低価額
機械装置 全て 160万円
工具 全て 30万円
器具備品 全て 30万円
建物附属設備 全て 60万円
ソフトウェア 全て 70万円

弊所でもこの収益強化設備のB類型の投資計画作成、確認書の発行サポートを行っております。

設備投資を検討しており、法人税の発生が見込まれる企業の方は、期限に間に合わない場合にはこの優遇税制を受けることができません。

また、中小企業等経営強化法においてこの税制とセットで設備投資に関する資金調達の低金利制度などの金融支援もセットで利用できます。

金融支援の詳しい説明はこちら
設備投資額が大きくなる場合にはそのメリットも大きくなるため、お早めご相談ください。